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2001年1月のFMICS


「いないなら育てよう」

 「・・・その役職は、本来『やりたいこと』を山ほどもっている人が就くように想定されているのですが、実際はそうでないケースがあります。・・・ですから、その役職を使いこなす資質が最低限、必要です。望ましい基準は、・・・@歴史観・哲学をもち、A時代の変化を読み、B国民に希望を与え、Cそれを政策として実行できる人です。リーダーシップ論は時には『ないものねだり』に陥りやすいのですが、いないわけではありません。いなければ、育てればいいのです」(曽根泰教慶應大教授。朝日新聞11月24日朝刊)

 曽根先生がいったいどのような業種について指摘しているのかは、おそらく後半から察していただけるものと思う。「20世紀最後の政局」と言われた「加藤の乱」を手がかりに、制度と資質の両面から「首相」論を展開した全面特集の、いわゆる識者コメントである。奇しくも「20世紀最後の会報」で紹介することになった。

 ところで、コメントにある「国民」を「学生」に置き換えてみると、大学行政を司るリーダーに求められる資質と見事に符合する。なにも「学生」ばかりではない。「卒業生」しかり、「受験生」しかり、「学生父母」しかり、「地域住民」もしかり、そして「国民」もまたしかりである。文明の転換点にあって、国境を問わず、すべてのリーダーに求められる普遍的な資質なのではないか。しかもリーダーばかりでなく、およそ高等教育修了者に必要とされるキャリア意識の軸、とでも言えるような資質にも思える。

 幸いにもわが業界でのキャリア形成には、@では主としてIDE会員を中心とした研究者たちが大学観・人材観、国際比較の視点を養うための、幾多の著作を著してくれている。Aでは「カレッジマネジメント」など、ケーススタディーとなる記事を満載した業界誌が十指に余るほど編集されているほか、無尽蔵とも言えるビジネス書誌が出版されている。BではわがFMICSをはじめ、さまざまな分野での研究会活動がいくつも用意され、報告者や参加者との対話から触発される機会も数多い。Cでは右肩下がりの経営環境によって、「課題探求・解決能力」を大学自身が発揮しなければ存立自体が危ぶまれる。さらに心強くは、2001年度にはいよいよ桜美林の専門大学院の開校も準備されている。21世紀初頭はまことに楽しい時代になりそうである。

 この4点を2001年のFMICSのモットーに照らせば、@はミッションの自覚、Aはポジションの確認、Bはパッションの高揚、Cはアクションの始動、ではなかろうか(ポジションは筆者の追加)。「職員はやってナンボ」という上司の言葉が耳に残る。件のコメントの見出しは「いないなら育てよう」であった。職員としては教員行政職を、自分自身にとっては最初の「い」を取りさって、FMICSの21世紀がいよいよ始まる。

( 山本 明正 )


ご案内1 FMICS 1月例会  (第405回例会)

●21世紀の幕開け、新春1月のFMICS月例会は恒例の葉山合宿例会です。大学活きのぼり競争の決着は今世紀初頭にはついてしまうだろう。だからこそ、FMICSの座標軸である“あったかさ”を本物にできるか否か。学生に対して、どこまで教育サービスの原理原則に忠実であるか否か。21世紀型あったか大学を創るために、ミッション・パッション・アクションを束ねる一所懸命な努力はもとより、その質が厳しく問われことになる。●工学院大学・新宿キャンパスでの新春月例会の定番プログラム「聞かなきゃ損する・丹内明良の先見2001」で始まります。続いて、磯の匂いが懐かしい湘南葉山に会場を移します。新鮮な海の幸と冷たいビールで懇親会。こたつの中でのオールナイトFMICSは体力勝負。漁り火が朝もやの中にとけ込むころまで続きます。●平成13年度のFMICSのアクションプランを練り上げます。そして、参加者全員の10分間スピーチで、21世紀の高等教育に対する想いと決意を語り伝えていただきます。●翌朝は、ゆったりと海を見ながら、美味しいコーヒーとケーキで反省会、そして早春湘南散歩としゃれ込みます。●FMICSらしさを十二分に体感できる2大イベントは、夏のシンポジウムと1月合宿例会・通称「こたつ合宿」です。皆さまには、お仲間にも一言お声をお掛けください。昼プロ、夜プロのみの部分ご参加も大歓迎いたします。

【日時】 平成13年1月27日(土)〜28日(日)

      オリエンテーション:午後1時〜3時
        合宿FMICS:午後6時〜翌午前9時

【会場】  オリエンテーション:工学院大学・新宿キャンパス
          5階0511教室ではなく、10階1012教室です。

        合宿FMICS:湘南・葉山 中央大学葉山寮

                神奈川県三浦郡葉山町堀内86
                TEL 0468−75−0009

     《交通》東京→JR横須賀線(約1時間)逗子駅→
         海岸廻り葉山行きバス(15分)鐙摺(あぶずり)→
         徒歩(5分)中大葉山寮

         *JR逗子駅からタクシー(約10分)

【テーマ】〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 21世紀型あったか大学を創るために
 ミッション・パッション・アクションの束ね方
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【プログラム】

 1月27日(土)

 PM 0:30 月例会受付開始

   1:00 オリエンテーション  先見・あしたのカタチ2001

   3:00 合宿FMICS葉山会場へ移動

   6:00 夕食&懇親会

   9:00 点検 FMICS2001アクションプラン

  10:00 報告 大学審議会答申を活かす大学の学校化への取り組み

  10:40 10分間スピーチ 点検 「わたし流の
          ミッション・パッション・アクションの束ね方」

 1月28日(日)

 AM 0:00 朝までフリートーク <FMICS定番は体力勝負です>

   8:00 朝食

   9:00 総括

【参加費】 オリエンテーション;
        会員1000円・学生500円・非会員1500円

      懇親会&宿泊: 10000円
      懇親会のみ日帰り:6000円

【参加条件】 合宿FMICSの参加者には、@10分間スピーチのテーマは「わたし流のミッション・パッション・アクションの束ね方」です。特にレジュメは必要といたしませんが、おおらかに“わたし流の束ね方”をアッピールしてください。A800字程度でMY FMICSをお書きいただきます。提出期限は2月3日(土)です。B点検「FMICS20001アクションプラン」では、今年一年間の活動、出版企画を練ります。あなたのあったかさ一杯、THINK BIG なお智恵を貸していただきます。

【申込先】 定員になり次第、締め切らせていただきます。1月23日(火)までに、坂田範夫までお申し込み下さい。

   E-mail kintoki(アットマーク)tamajs.chuo-u.ac.jp


ご案内2 YFN1月例会  (第404回例会)

●高大連携が、学生数確保策の切り札的なカタチとして脚光を浴びはじめています。とはいえ、大学は提携先の高等学校のカリキュラムの変わり様を正しくウォッチングしているのでしょうか。闇雲にブームに乗ることが得策と言えるのか否か。●初等中等教育界に新たな風を巻き起こす感のある「総合学習」を教育の国際比較の点から日本にも絶対導入しその必要性を説き、学会をリードされてこられた元国立教育研究所室長である石坂氏に、総合学習の経緯と展望を語っていただきます。

【日時】  平成13年1月12日(金) 午後6時30分〜

【会場】  羽島市福寿町間島 割烹 鯉正

【テーマ】〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 初等中等教育における総合的学習の経緯と展望
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【発表者】 岐阜聖徳学園大学外国語学部長 石坂 和夫
    (アメリカ教育学会代表理事、グローバル教育学会長)

【参加費】 5000円/新年懇親会費込み

【申込先】 YFN事務局  林 憲和 nhayashi(at)ha.shotoku.ac.jp


FMICS・SD 113

 FMICS Staff Development 略して 「SD」は、月例会とは別に、原則として第3週の水曜の夜に開催されている勉強会です。超競争時代をしたたかに活き抜くためにも、大学人一人ひとりの努力を束ねる場をご案内いたします。

(1)メディアチェック
 あなたのアンテナが何かを感じた新聞・雑誌等の教育&経済トピックスを、切り抜いて持ちよりディスカッションします。トピックスは厳選して1件、A4縦判にコピー(15枚程度)して、氏名と簡単なMEMOを付してご持参ください。
 各自5分間程度のコメントをしていただきます。

(2)テーマを定めた継続的な勉強会
 1997年度は国立教育研究所編『日本近代教育百年史』を、1998年度は工学院大学と拓殖大学の沿革史を、1999年度前半は『戦後の大学論』を読み進めてきました。そして、1999年度後半からは、ぐっと現代に近づきました。戦後の大学政策に関するもっとも包括的な基本文献として黒羽亮一先生の『戦後大学政策の展開』を座右の書として、中教審、臨教審、そして大学審等の「答申」をただいま読み込み中です。

【日時】 平成13年1月24日(水)  午後6時30分〜9時

【会場】  工学院大学・新宿キャンパス 高層棟27階2710ゼミ室

【テーマ】〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 21世紀の大学の原理原則を探る 戦後の大学政策を読み解く −16−
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【コーディネーター】 桜美林大学大学教育研究所 研究員 出光 直樹

【テキスト】 黒羽亮一『戦後大学政策の展開』 玉川大学出版部

【申込先】 出光 直樹 idemitsu@obirin.ac.jp


◆◆◆  速報 2月の FMICS  ◆◆◆

 大学の個性化をいかに演出するか。中央大学・総合政策学部を立ち上げ、今、大学コンソーシアムとして「大学サミット多摩2000」を企画演出する柏木さんに、経験的&実践的な新しい21世紀に活きのぼる大学のミッション・パッション・アクションの束ね方を語っていただきます。FMICS人に今こそ求められている知識を智恵に変えるためのヒントが沢山。ご期待下さい。

【日時】 平成13年2月24日(土) 午後3時〜6時

【会場】 工学院大学・新宿キャンパス

【テーマ】〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 大学のミッション・パッション・アクションの束ね方
 実践的21世紀大学個性化演出法
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【発表者】 中央大学学長室渉外担当課長 柏木 哲


◆◆◆  速報 3月の FMICS  ◆◆◆

 関西FMICSが総力を挙げて企画する3月合宿例会、昼プロのテーマは、大学を束ねるカタチ/大学コンソーシアムを考えるです。月例会会場は「大学コンソーシアム京都」の会議室です。コンソーシアムのミッション・パッション・アクションを体感しながら、時間の許すかぎりワイワイガヤガヤとディスカッションをいたします。夜プロは「21世紀に活きのぼる大学のカタチ」をいろいろとケーススタディーいたします。ボリューム満点のFMICS3月合宿例会は、平成13年3月24日(土)午後2時から翌朝までの長丁場。プログラム等の詳細については現在調整中です。

【問い合せ先】 大谷大学企画調整室 滝川 義弘 tacky(at)otani.ac.jp