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2001年4月のFMICS


「21世紀に活きのぼる組織」

  最近、自分の所属する大学事務局の組織について考えている。本学の事務局は、組織構造は他大学と変わらないが、部長・課長といった職制に対する手当はなく、給与は年齢給一本である。また組織運営のルールは少なく、あいまいである。

 この中途半端な現状に対して、権限や責任などの規程を見直して明確にしようという考え方がある。またそれとは全く逆に、課長職をなくすなどもっとゆるやかな組織にして、職員の自主性・自律性と自己管理によって業務を行おうという考え方がある。

 企業や大学の様に目的を持った機能体組織は、その目的を効率的に追求する中で人間性が疎外される傾向がある。一方、組織の目的がその存在自体にある共同体組織には、機能体組織にはない居心地の良さがある。最近、組織と個人の関係性についての著作や、「個を尊重する組織」といった言葉を目にする。これらを考慮すれば、両方の組織が持っている利点を兼ね備えたものが、望ましい組織ではないかと考えられる。つまり理想的な組織とは、組織自身の目的が達成され、かつ構成員の働きがいや満足感も得られる組織と言えよう。

 大学は諸々の事情により、他業種と比べて共同体組織の色合いが強いと思う。つまり、構成員のための組織という論理が優先されて、構成員の居心地の良さの追求が組織の目的となりがちである。

 しかし忘れてはならないのは、何が組織の目的なのか、顧客は誰なのか、構成員は何をすべきかという事であり、そして顧客も評価も組織の中ではなく、組織の外にあるという事である。

 21世紀の組織は、今までの様に選手が監督の指示で動く野球型組織から、個々の選手が自律的に動くサッカー型組織に変わっていくであろう。しかしその様な組織が成り立つ前提として、個々の構成員のプロ化、つまり一人一人の努力による意識と力量のレベルアップが必要となる。

 組織の価値観や目的・目標が共有されていること、構成員を大切にし個々の自律性や個性を尊重していること、構成員がプロ意識を持っていること、そして組織と構成員が共に成長できること。21世紀に活きのぼる組織とは、このような組織ではないだろうか。

 ここまで組織について考えてきたのだが、重要なのは実は組織ではなくて個々の構成員なのである。いかなる組織であろうがそれに影響されない人、組織自体を変えるほどのパワーを持っている人そのものではないだろうか。働くことの原理原則を自分の中に持っている人。自分の中に、絶えず動いているエンジンを持って仕事ができる人。

 21世紀の究極の組織は、イチローや新庄が活躍しているアメリカのメジャーリーグの様な本物のプロ集団に違いない。

(寺田 剛文)


ご案内1 FMICS4月例会 (第410回例会)


●4月のFMICSは久しぶりの実習型例会です。午後のひとときで簡単な自己紹介のページを作り、FMICSのサーバーに載せて公開します。●パソコンの技術は、電子メールやワープロなどを利用していて、文字入力が出来れば十分です。●教材には、ホームページ作成に関する情報サイトとして高い評価を得ている 「とほほのWWW入門」 を利用します。みなさまにはお誘い合わせの上ご参加下さい。

【日時】 平成13年4月21日(土) 午後2時20分〜6時

【会場】 恵比寿・日能研8階会議室

【テーマ】 HTML言語であったかさの自己表現
      原理原則から学ぶホームページ作り

【インストラクター】 ともクリエーションズ 代表取締役 渡邊 智子

           桜美林大学大学教育研究所 研究員 出光 直樹

【参加費】 会員:1000円 学生:500円 非会員:1500円

【申込&問い合わせ先】 出光 直樹 idemitsu@obirin.ac.jp

【例会一言案内】 この実習例会の目的は二つあります。

(1)FMICSのWebサイトに、メンバーの自己紹介ページを掲載する。

 http://www.fmics.org には、ご自分のホームページをお持ちの10名ほどの方がリンクされ ています。でも、FMICSにはもっと沢山の仲間がいることをアピールしたい。そこでFMICSのサイトの中に、ご参加の皆さんの自己紹介ページを作って掲載したいと思います。

(2)HTMLを直接書くことにより、ホームページの仕組みを原理原則から理解する。

 ホームページは、HTMLという言語で記述されたテキストファイルです。専用ソフトで作成することが多くなっていますが、HTMLを理解すれば、Windowsに付属するメモ帳等で作成することが出来ます。専用ソフトを使うと簡単に見栄えの良いページが出来ますが、HTMLを直接書いて作ることにより、原理原則から仕組みを理解する事を目指します。


ご案内2 YFN4月例会 (第411回例会)

●今月のYFN・名古屋FMICSのスピーカーは、名城大学事務局次長の坂本一さんです。学校会計の第一人者であると共に、学生時代そして大学職員時代とすざましいまでの大学人人生を送られた私大職員の歴史上に残る人物です。今、師の人生の一つの区切りに当たって、後に続く者たちへの熱きメッセージと、新たな魅力的な人生の始まりを熱く語っていただきます。坂本さんは定年後は、岐阜に移住され、仏門を守る生活をされるとのことです。なお、師の健康状態から、早めの開始時間になりました。●特に、若き大学人をおお誘い合わせのうえご参加下さい。

【日時】 平成13年4月24日(火) 午後5時半〜7時

【会場】 岐阜聖徳学園大学 羽島キャンパス6号館2階会議室

【テーマ】 21世紀の大学職員像を考えるために
        我が大学職員人生を語る

【発表者】 名城大学事務局次長 坂本 一

【参加費】 会員:1000円  非会員:1500円

【申込先】 YFN事務局 林 憲和 nhayashi@ha.shotoku.ac.jp


ご案内 FMICS SD  116

 FMICS Staff Development 略して 「SD」は、月例会とは別に、原則として第3週の水曜の夜に開催されている勉強会です。超競争時代をしたたかに活き抜くためにも、大学人一人ひとりの努力を束ねる場をご案内いたします。

(1)メディアチェック
 あなたのアンテナが何かを感じた新聞・雑誌等の教育&経済トピックスを、切り抜いて持ちよりディスカッションします。トピックスは厳選して1件、A4縦判にコピー(15枚程度)して、氏名と簡単なMEMOを付してご持参ください。
 各自5分間程度のコメントをしていただきます。

(2)テーマを定めた継続的な勉強会
 1997年度は国立教育研究所編『日本近代教育百年史』を、1998年度は工学院大学と拓殖大学の沿革史を、1999年度前半は『戦後の大学論』を読み進めてきました。そして、1999年度後半からは、ぐっと現代に近づきました。戦後の大学政策に関するもっとも包括的な基本文献として黒羽亮一先生の『戦後大学政策の展開』を座右の書として、中教審、臨教審、そして大学審等の「答申」をただいま読み込み中です。

【日時】 平成13年4月26日(木)  午後6時30分〜9時
    *13年度から木曜日になります

【会場】 工学院大学・新宿キャンパス 高層棟27階2710ゼミ室

【テーマ】 21世紀の大学の原理原則を探る
      戦後の大学政策を読み解く −19−

【コーディネーター】 桜美林大学大学教育研究所 研究員 出光 直樹

【テキスト】 黒羽 亮一『戦後大学政策の展開』 玉川大学出版部

【申込先】 出光 直樹 idemitsu@obirin.ac.jp


大学アドミニストレーション専攻
科目等履修生・聴講生のご案内

 先月に引き続いてのご案内です。 この4月より桜美林大学は大学アドミニストレーション専攻(及び言語教育専攻)の大学院修士課程を、新宿南口駅前のサテライト教室にて平日の夜間と土曜日に開講しました。

 授業の開始は4月12日(木)、手続の締め切りは4月21日(土)となりました。 科目内容や、時間割、具体的な手続等については、以下のWebをご参照下さい。

桜美林大学 出光 直樹 http://www.obirin.ac.jp/~idemitsu


FMICS SYMPOSIUM 2001 日程決定
7月14日(土)&15日(日)

●FMICS SYMPOSIUM 2001の日程が決まりました。大競争の時代の今こそ、原理原則、基本の基本が問い直されることになります。大学のすべての構成員一人ひとりのミッション・パッション・アクションを本物にして、一つに束ねたいということから

ミッション・パッション・アクションを束ねよう FMICS2001

といたします。◆現在、SYMPOSIUM運営委員会では、新しいプログラムを企画中です。詳細は、5月号FMICS BIG EGGにてご案内させていただきます。◆皆さまには、夏期休暇前のご多忙のときとは存じますが、7月14日&15日は、FMICSにフルオープンでご参加くださいますようスケジュールボードには赤丸をお付けくださいますようお願いいたします。