BIG EGG(紙版)10月号の発送作業は、
10月8日(水)6時〜(先行隊は午後2時〜) 恵比寿・日能研ビル (東京都渋谷区恵比寿西2-3-14) にて行います。 皆様のご参加をお待ちしています!!! |
2003年9〜10月のFMICS
本当の内憂外患「評価のいい学校には、いい生徒、学生が集まる。教育に株式会社が参入すべきだという話があるが、学校財務の情報公開と、運営の第三者評価があれば、株式会社でも構わないと思う」と、経済同友会代表幹事の北城日本アイ・ビー・エム会長はインタービューに答える。(日本経済新聞2003年9月15日朝刊「領空侵犯」) 「先生方は、他の人が学校に参加するのを好まない。自分たちが評価されることも好まない。ところが、世の中は変化している。学校を『開く』と同時に、先生方に企業に来てもらい、社会を経験してもらう必要もある。現実に受け入れ企業も増えている」(同上) 学校法人にとって、国立大学法人という半官半民の”ブランド”大学群の出現の先には、株式会社の高等教育参入(学校法人の設立)、あるいは、株式会社と提携した学校法人の登場という「内憂」が待っていることは確実な未来となった。 「確かに大学全体の市場は縮小しているが、その中には英語による米国式教育を求める学生が増えている。今は1%に過ぎないかもしれないが、今後5%になる可能性がある。すき間市場だが成長分野だ」と、テンプル大学ジャパンのパタソン学長は言う。(日本経済新聞2003年9月13日朝刊「教育」) 米国の教育システムの長所は何か、という質問に、彼は次の4点を挙げる。@授業を英語で行い、世界第2位の経済力にふさわしい国際的なリーダーになる、A自分の将来のキャリアに役立つ勉強ができる、B制度が柔軟で、専攻を変えたり単位互換で大学を変えることができる、C合理的に考え、他人に自分の考えをはっきり説明できるクリティカルシンキングが学べる。 海外大学の学校法人格の取得は、まず経済特区から開始される、大学設置基準のますますの弾力化で進められる、潜在的競争力のある閉鎖学校法人を吸収する、貿易交渉で一挙に事後評価方式で導入されるなどが考えられる。グローバル化によって「外患」は少しずつ現実味を帯びていくことであろう。 こうした事態を内憂外患とみなすのか、現代の真っ当な大学への転換の好機ととらえるのかで、組織の未来は大きく変わる。しかし、より深刻な問題は、多くの大学人は「内憂」も「外患」も認識できないまま、年々の学生募集に一喜一憂していることであり、その状態を放置している大学経営のリーダーたちの旧態依然の現状認識と、希薄な危機意識にある。 大学は「外観」だけ、学生は「内遊」ばかりでは、国力の向上はおよそ望めない。学生の人生にさえ貢献できない大学がどうして社会的な特権をこれからも維持できるのだろうか。 (山本 明正) パンドラの箱が開いた後に・・・「昨年度に生活保護を受けた世帯は約87万世帯となり、過去最高を更新した。半数を占める高齢者世帯の受給が増えつづけているうえ、離婚の増加に伴い母子世帯も5年間で1.4倍になった。」(日本経済新聞・2003年9月14日朝刊・社会面) ここ数年、紙面には憂鬱な数字がこれでもかというくらい毎日発表されている。GDPや景気動向指数といった、多少上がろうが下がろうが実生活上のリアルとあまり関わりのない数字はともかくとして、失業者数、倒産件数といった実感と結びつく数字を目にすると溜息が尽きない。 そんな中で、上記の記事が目にとまった。特に気になったのは、母子家庭の1.4倍の増加、世帯数にして7万5千世帯という数字である。 高校進学率が9割半ば、大学進学率がほぼ5割というのが現状であるが、逆に見れば、進学希望者数との比較において全入時代といわれる状況であっても、世代人口の5割が大学に進学しない、あるいは進学できないということである。 「進学しない」、すなわち主体的に専門学校や 就職を選択する生徒はよいとして、経済的理由から「進学できない」生徒も少なからず存在するはずである。そして、前述の7万5千世帯の多くは、後者であると考えられる。 また、生活保護家庭でなくとも、収入源によって家計の困窮が一定以上になれば、学生・生徒が学びの場にとどまり続けるのは非常に困難である。 「親の失業や収入減などの経済的理由で昨年度中に私立校を退学した生徒は1校あたり1.56人で調査を始めた1998年度以降で最多となった。」(ZAKZAK・2003年6月3日) もちろん、学校も無策ではないが、個々の学校の施策である限り、それは学生救済や学生獲得戦略であり、無論全体の解決にはならない。 「リストラによる親の失業や収入の減少で学費の支払いが困難になる学生が増えてきたことから、一部の私立大は教育ローンの保証人を肩代わりしたり、学費の一部を支給する制度をつくり、救済を始めた。」(産経WEB・2003年6月16日) 苅谷剛彦氏が『大衆教育社会のゆくえ』のなかで指摘した不平等の再生産のメカニズムが、隠れた存在ではなく、だんだん視認できるものとなってきているように感じる。 まだ辛うじて生き残っている平等幻想が完全に崩れ去った後、大学はどんな可能性と価値を社会に提示できるのだろうか。 (米川 充)yonemitsu@dream.com ご案内1 FMICS9月例会 (第464回例会)●今月のFMICSは、アメリカ大学・コミュニティーカレッジ(CC)駆け足体感報告です。なぜ、あれ程までにアメリカの大学はあったかいのか。アメリカではごく当たり前のことが何故日本では出来ないのかを考えます。特に、CCについて参加者全員が感じたことは、日本の短期大学とは別物であるという思いです。実態を知ることなく彼らの戦略を看過すれば、明らかに禍根を残すことになるはずです。CCはコストパフォーマンスの極めて高い高等教育機関であると正しく認識する。彼らが本気で日本にリクルートを仕掛けてくれば、短期大学は勿論4大も脅威以上のモノになるはずです。アメリカの科学技術に負けるな、勝ちに行けということで近視眼的に競争的環境を無理して作り上げることが果たして正しいのか否か。学生にあったかいという大学の存在理由としての原理原則を改めて考え直すチャンスにしたいと思います。 ●なお、発表者に対して、皆さまには「SHINGI式自己表現・評価トレーニング」手法(発表10分、評価3分,ディスカッション10分)によって評価をして頂きます。全員参加型の例会に、お仲間をお誘い合わせの上ご参加下さい。 【日時】 平成15年9月27日(土) 午後2時30分 〜 午後6時
【テーマ】 全員先生全員生徒の学び舎に集まれ
【報告者】
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高大連携/単位のダブルカウントについて
桜美林大学 法人課長 鳥居 聖
落ちこぼれ支援システムとしての導入教育
| 成蹊大学学務課 浅沼 雅行
プロとしてのキャンパスツァーガイド
| 東京大学大学院 秘書 冨岡 幸恵
大学の自己表現としてのブックストアー戦略
| 桜美林大学 大学院生 安田 馨
非大学人が見たアメリカの大学
| 経理研究会事務局 矢島 美知子
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【コーディネーター】 桜美林大学 大学教育研究所長 高橋 真義
【参加費】 会員:1,000円 学生:500円 非会員:1,500円
【申込先】 桜美林大学 出光 直樹 idemitsu@obirin.ac.jp
YFN9月例会(開催日は10月4日ですが)は「第2回ハートピア祭り」です。
ヨサコイソーラン踊りを取り入れて、市民・県民参加型のイベント「ハートピア祭り」を学生の視点で企画し開催することで、若者のパワーによる柳ヶ瀬商店街の再生・活性化の起爆剤となることを目指し取り組みました。昨年は、初回ながら参加チーム40、参加踊り子約1000人、観客動員50000人と初期の目的を達成することができたました。はたして今年は如何に。
今年も岐阜の学生たちがFMICSのTシャツにハートピア祭りのロゴマークを染め付け岐阜の町を熱く燃え上がらせます。もちろんFMICS人もスタッフとして応援します。
各賞や岐阜県知事賞や岐阜市長賞の審査には、今年、YFNで発表いただいた知研の八木理事長が審査員として、東京から駆けつけていただきます。40〜50チーム、1000人〜1500人を集め、岐阜の大学を、岐阜の街を元気にすべく、岐阜県下の学生が手をつなぎ、岐阜市を岐阜県を商店街を巻き込み、盛大な祭りをとがんばっています。乞う、ご期待。
【テーマ】
「若者の力!、地域を越えて北海道・東京・高知・名古屋・岐阜、世代を越えて、地方文化の交流を」
【日時】 2003年10月4日(土) 11時〜17時
【行事概要】
北海道・東京・高知・名古屋を中心に活躍している「よさこい踊り」チームが岐阜で集結して、地域間・世代間交流をし、岐阜市民県民に躍動するパワー「よさこい踊り」の醍醐味を味わってもらい、岐阜の元気を創出する。運営は柳ヶ瀬学生村の学生とボランティアスタッフが行う。
【会場】
11:00〜17:00
金公園(メイン会場)・金華橋通り
柳ヶ瀬商店街本通り・玉宮通り
高島屋前わくわく広場・若宮通り
【申込&問い合わせ先】 岐阜聖徳学園大学総合企画課 林 憲和 nhayashi@ha.shotoku.ac.jp
●FMICS Staff Development 略して 「SD」は、月例会とは別に、原則として第3週の水曜の夜に開催されているゼミナール型の勉強会です。超競争時代をしたたかに活き抜くためにも、大学人一人ひとりの努力を束ねる場です。
(1)メディアチェック
あなたのアンテナが何かを感じた新聞・雑誌等の教育&経済トピックスを、切り抜いて持ちよりディスカッションします。トピックスは厳選して1件、A4縦判にコピー(15枚程度)して、氏名と簡単なMEMOを付してご持参ください。各自5分間程度のコメントをしていただきます。
(2)テーマを定めた継続的な勉強会
2002年8月5日の中央教育審議会答申『大学の質の保証に係る新たなシステムの構築について』は、大学に対する第3者評価制度の導入をうたい、昨年11月の学校教育法の改正により、2004年4月より施行されることになりました。
大学は7年に1回、文部科学大臣の認証を受けた「認証評価機関」による評価を受けることとなります。現在その認証基準の細目が検討されており、大学評価・学位授与機構や大学基準協会等において認証機関となるべく準備が進められています。この認証評価機関になるには、法人の他、代表者や管理人の定めがあれば任意団体でも可能とされております。アメリカ流のアクレディテーションを模したと言われる第3者評価制度ですが、アメリカのように地区毎に単一の機関が担当するのではなく、それぞれに「大学基準」を掲げた多様な機関が併存する事により、多様な特色・理念をもった大学がその活動に応じて多元的な評価を受けられるシステムがうたわれています。
6月のSDからは、「あったかさ」を理念に掲げたFMICS流のボランティアモデルによる認証評価機関が設立可能かどうかを検討し、あわせてこの第3者評価制度のあり方を考えていきます。
【日時】 平成15年9月 27 24日(水) 午後6時30分〜8時30分
【会場】 工学院大学新宿キャンパス 高層棟27階 2710ゼミ室
*教室変更もありますのでご注意ください。
【申込先】 桜美林大学 出光 直樹 idemitsu@obirin.ac.jp
●10月は、アメリカの競走的資金の配分についてチェックいたします。ゲストは、この3月までアメリカで高等教育関係の調査研究を続けられた、高エネルギー加速器研究機構の織田雄一さんです。●いただいたメールをご紹介します。National Science Foundation(NSF)のファーストレーンという電子申請システムは補助金の申請、審査(審査員への事前送付も含む)、審査結果の伝達などすべての過程を電子化したもので、どの大学からも excellent の評価を受けています。これは一度見てみないとそのすごさは分かりにくいのですが、日本でもこのシステムが将来的に導入されればどれほど競争的資金の配分が楽になるかと思います。NSFはこうした事務の徹底した合理化で連邦政府から唯一最高評価であるグリーンの評価を受けている機関です。科研費は、今後このプログラムオフィサーによってコーディネートされることになります。その過程は昨年度の総合科学技術会議の議事録を見れば知ることができます。ただ、私学助成に取り入れられることは当面はないと思いますが!●最新情報の先取りに乞うご期待。
【日時】 平成15年10月25日(土) 午後2時30分 〜 午後6時
【会場】
工学院大学新宿キャンパス
会場は変更になる場合もありますので、10月のページでご確認下さい。
【ゲストスピーカー】
高エネルギー加速器研究機構 国際研究協力部 国際交流課長 織田 雄一
◆講演 @国立大学法人化/変わる国立大学、変わらない国立大学 文部科学省高等教育局専門教育課長 杉野 剛
A国立大学法人化/変わる私立大学、変わらない私立大学
前日本私立大学連盟事務局長・機会均等等研究所代表 日塔 喜一
◆特別講演 | 大学危機回避ー今、大学人がなすべきこと 京都大学事務局長 本間 政雄
◆「SHINGI式自己表現・評価トレーニング」による問題点の深化
| ファシリテーター 桜美林大学大学教育研究所 高橋 真義
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【問い合わせ・申込み先】
http://www.seminarhouse.or.jp/7shokuinseminar.htm