BIG EGG5月号の発送作業は、
5月7日(金)6時〜(先行隊は午後2時〜) 恵比寿・日能研ビル にて行います。 皆様のご参加をお待ちしています!!! |
2004年4月のFMICS
「国立大学法人」誕生にあたってこの4月から国立大が国立大学法人になる。従来の文科省の出先機関から脱却し、いかにガバナンス(経営統治)を意識し、実践できる体制が構築できるかが重要なポイントだろうと思う。 月刊「フォーサイト」4月号(新潮社)に国立大の法人化へ向けた動きに触れて次のような記事があった。 『慶応義塾大学の事務部門には、この1年で旧帝大を含む国立大二十校ほどが見学に訪れた。二、三人で来る場合もあれば一チーム十人ほどの団体もあった。見学先は経理、人事、総務など業務関連の部署。人事部では職員研修のテーマや頻度、労組への対応法を尋ねられたり、服務規程の閲覧を求められたりした。』 いわゆる経営管理の手法に最大限の関心があったようだ。「親方日の丸」からの脱却を目指す以上、至極当然なことであるが。 法人化の大きな狙いは「民間的発想」のマネジメント手法導入や「学外者の参画」による運営システム制度化などの経営改革にある。そのために国立大学法人法では学長がトップの最高意思決定機関である「役員会」を中心に、主に経営面については学外の有識者からなる「経営協議会」、主に教学面については学内の代表者からなる「教育研究評議会」を設けている。 日経新聞(3月27日)では法人化を控えた東京大の変貌ぶりが報告されている。それは財務の大学本部への一本化である。そのためにJR東日本から財務担当者をヘッドハンティングし、「部局自治」の名の下、学部と研究所単位であった予算執行や決算を全学(大学本部)の場に移すという。一方、法律では今後6年の大学運営の大枠である「中期目標」は文科省が作成、大学は実現に向けた数値目標や達成期間を「中期計画」として具体的に掲げ、文科省の認可を受ける。文科省は達成度をもとに交付金を加減する仕組みになっている。交付金という国民の税金を投入する以上、ある程度のコントロールが必要であるとの論からであるが、これが行き過ぎれば実質的に大学の自主・自立性を阻害する要因にもなりかねない。 大学改革の目的は教育・研究そして地域貢献の面での更なる発展を図るためにある。そのための法人化であり、経営改革であるはずである。ところが、一連の法人化の流れでは人事、組織や財務の改革が強調され、教育・研究の発展をいかに行なっていくかが、充分に議論されていないように感じる。本年1月、FDの実態調査でアメリカの大学を担当教員と訪問した。そこで驚いたのはアメリカの教育重視の組織体制だった。訪問した全大学に教育支援センターのような組織があり、専任教職員が配置され、学生にとってどのようにわかりやすい授業を展開するのか、多様なシステムが確立されていた。教育の向上・発展に向けて特効薬などはない。学生の目線にたった地道で継続的な取り組みが必要であると改めて思い知った。 (金田 淳一) 桜並木に想いを馳せて昨年の遅咲きとはうって変わり、今年は暖かな陽気の下、早咲きの桜が入学式だけでなく卒業式にも見事な花を見せてくれました。 今年巣立っていったのは、私が4年生のときの1年生達。これでひとまわりです。直接知っている世代が去り、また少し母校が遠くなりました。ただ、私の場合、縁あって同窓会の理事を務めている関係で、まだまだ普通の卒業生に比べれば母校は近い存在です。 その同窓会、観桜の時期に多くの同窓生に大学を訪れてもらおうということで、昨年から同窓会館のオープンハウスを行っています。今年は新たに同窓生向けのキャンパスツアーを実施し、なかなかの好評を博しました。 普段は受験生を案内している学生ガイドに、創立期から最近まで様々な年代の組み合わせ。同窓生10数名のグループが3つできましたから、50名程度が参加してくれたことになります。担当だったため同道はできませんでしたが、ツアーを終えたグループはみな打ち解けた様子で、年配の方はキャンパスの変貌に隔世の感、ガイドの学生は思いがけず昔の話が聞けたと満足そうでした。年配の参加者の中には全く卒業して以来という方もおり、その間の変化にどのような思いを持たれたのか、とふと思いを巡らせました。 思えば、私が在籍した期間にちょうど創立50周年を迎えたこともあり、キャンパスにはいくつかの新しい建物ができ、景色も幾分変わりました。 部室の窓から3年間親しんだ雑木林は更地となり、基礎工事があっという間に窓の高さを越え、学生会館の新館となりました。新館のラウンジは学生の憩いの場となり、私も大学を訪れた際はお茶を飲んで休むお気に入りの場所となりました。 ただ、大学祭の準備に遅くまで残り、仲間と熱い議論を交わした部室は、新館と旧館の渡り廊下となり、真っ白い空間が広がっています。 時がたてば変わる、ごくごくあたりまえのことと思いながら、己の身の周りのこととなるとなかなか受け入れ難いものです。変わらなければ生き残れない、などと普段は偉そうに母校のことを論じながら。 「変えられないものを受け容れる心の静けさと変えられるものを変える勇気とその両者を見分ける英知を我に給え(ラインホールド・ニーバー)」 さあ、新年度です。変えるべきではないものを大切に、変えるべきものに勇敢に立ち向かっていきましよう!(あ、また偉そうですね・・・) (米川 充) FMICS 4月例会 (第480回例会)●昭和56年3月、高等教育問題研究会第1回月例会のテーマは「高等教育の計画的整備について考える」でした。24年後の今、大学を取り巻く環境は当時とは激変しています。●平成16年度最初の月例会のゲストスピーカーはリクルートの横山幸代さんです。●株式会社、専門学校発の専門職大学院がいよいよ開校します。社会人教育の実績が高い法人が本格参入を検討する時代。大学法人のプレーヤーが変わるとマーケットはどう動くのか? また、揺れ動く雇用状況により、大学院が担う社会的役割とはどうなっていくのか? を参加のご皆さまといろいろと考えてみたいと思います。是非、若手をお誘いの上ご参加下さい。 【日時】 2004年4月24日(土)午後3時〜6時 【会場】 工学院大学新宿キャンパス 4階 0477教室
【テーマ】 新プレーヤー参入で大学は変わるのか
|