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参加者募集! 次回 BIG EGG 発送作業
9月14日(火)6時〜 恵比寿・日能研ビル

2004年8〜9月のFMICS

  • 特色ある大学支援プログラムに期待!?(松本 和俊)
  • 平成19(2007)年問題について(鳥居 聖)
  • 孫さんに感謝(浅沼 雅行)
  • YFNシンポジウム 9月4日(土)〜5日(日) 岐阜
  •    FMICS SD 8月24日(火) 工学院大学:新宿
  • 速報9月のFMICS 9月25日(土) 工学院大学:新宿
  • 速報10月のFMICS 10月23日(土) 


特色ある大学支援プログラムに期待!?

 7月30日、文部科学省の「特色ある大学教育支援プログラム」の2004年度選定分が発表され、翌日の紙面を賑わした。昨年から始まったCOL(Center of Learning)が「特色GP」という新たな愛称で視覚に飛び込んできた。それから自分の大学がまた蚊帳の外だったかと知った。がしかし、特に焦燥感はない。

 学生課に配属されてから7年目を迎え、日々学生と一緒に生活している。最近では、様々な大学で聞かれるようになってきた「なんでも相談室」で、学生の相談相手を任されるようになった。都合よく「兄貴」と「親父」の役回りを演じているといったところか。或るときは学生に自分の経験を自嘲的に語り、また或るときは共に酒をくみかわして共に泣く。そんな毎日だ。

 読売新聞の紙面では、「学部」による格差が指摘された。医学保健系と教員養成系が引き合いに出され、後者の申請されたプログラムは、「いずれも似たり寄ったりで新鮮味がない」と散々な言われ方をされている。「教育者を育てる学部だけに、奮起を望みたい」とまでのご指摘だ。

 朝日新聞では、西の雄「同志社大学」の“大学コミュニティーの創造について”。障害者や留学生、また他学部の学生どうしの交流を「学生支援センター」が担っているという。「なんでも相談室」立ち上げ検討の際に、個人的にヒアリングをさせていただいた部署だったので、もともとの役割の外に、そんなことまでやらされるようになったのかという感想である。はたまた、「進化」の形なのだろうか。当初のセンターの主たる目的であった低学年支援は、今や「似たり寄ったりで新鮮味がない」プラクティスになってしまったのか?

 奇抜な実践事例や実績重視となれば、アイデアばかりではなく、学問の性格上、有利不利は歴然だ。それを一括りにされたら、太刀打ちは不可能である。また同じ土俵に上がることは無意味でもある。

 2000年に当時の文部省高等教育局から出された「大学における学生生活の充実方策について」(通称:廣中レポート)の主題である「学生中心の大学」への転換に対してブレが出なければいいなぁ…と小市民の嘆きである。「特色GP」に目が眩んで、最も大切な自分の「学生」が見えなくならないことを祈念するばかりだ。小手先の技術や証明方法で、頭ひとつの抜きんでる価値の重要性については、微妙な気分がしてならない。  今後このシステムがどのように進化し評価され、どのようなステイタスを付与してくれるかは非常に興味がある。聞く人が聞けば、「負け犬」の何やらと思われるかもしれない。しかし、うちの学生に「イイ実践」と思ってもらえるのが何よりの評価だ。大学のミッションと風土とよく相談した末の「特色GP」なら大歓迎、当然の勲章だろう。

 決して文科省に認めてもらえないだろう、現在実践中の「ありふれたMy Practice」に自信ありだ。

(文教大学学生課 松本 和俊)


平成19(2007)年問題について

 既に新聞紙面上を飾った平成19(2007)年問題の出所は、7月23日に開催された中央教育審議会大学分科会の審議された資料にあった。

 この資料で、大学・短大の収容力は、平成19(2007)年に100%に達することが示された。

 「平成12年度以降の将来構想答申」における推計では平成21(2009)年と言われていたので、2年の前倒しとなった。

 15年度実績84%に、大学進学率年0.45%増加等の係数を使って算出された。その結果、大学・短大の収容力は、平成16年度86%、平成17年度89%、平成18年度94%、平成19年度100%となった。

 平成8年度当時に大学審議会で審議されていた前提が違った結果となったのである。この審議会で答申された事項には、臨時的定員の5割以内を恒常的定員化を認める。があった。

 しかしこの時既に、入学定員割れ問題は起こっていたのである。日本私立学校・共済事業団の資料によると大学で16校、短大で86校もあったのである。

 当時の諸状況を振り返ってみたい。

 現役志願率65%、進学率55%と想定した場合、臨時的定員が恒常定員化されたら平成14年度、1/2恒常定員化されたら平成19年度、全廃されても平成23年度には全入問題が起きるとの認識が私学関係者にあった。

 全入問題については、私学関係者の中で相当に意識されていたが、しかしその一方で、臨定がなくなると収益の60%が減少するとの主張もあり、今後の財政の見通しや将来構想の想定は、各大学ごとに独自性を生かしながら作成するしか方途がないとの考えがあった。

 結果として出てきた(私学諸団体との折り合いが付いた)のが臨時的定員の1/2恒常定員化政策であったといえるのである。

 全入(収容力100%)とは、すべての学校において入学の競争が無いということを示しているのではない。特定の学校では入学の競争があるが、それ以外の学校では入学の競争がないということである。

 単純計算しよう、平成15年度比で+19千人の学生が入学してこない状況で平成19年度の全入となるのである。

 来年度においても、大学の新設・学部増設等が目白押しであり、認可申請中を含め増員は2千人を超えている。9月申請もあり、まだ増加しそうである。

 各学校においては、各自のポジショニングを再認識・再確認されることは言うに及ばないことであり、対岸の火事であっては為らないのである。

(鳥居 聖)



孫さんに感謝

 とにかく驚いた。今年の春学期も、孫福弘先生(本人は「先生」と言われるのが嫌いだったので、以下「孫さん」と呼ばせていただきます)の授業を、桜美林大学大学院のアドミニストレーション専攻で受講していた6月ことだった。メールが大学院関係者に流れた。孫さん訃報の連絡だった。一瞬あっけにとられ、わが身を疑った。心臓にかかる病での突然の死だった。話によれば、前日までいたって元気であったという。

 孫さんの授業は、昨年秋学期は「組織の経営学」(ダイヤモンド社、リチャードL.タフト(高木晴夫訳))をもとに、企業の組織論を応用して、大学で何ができるかを毎回レポーターが発表し、それに対して全員で質疑応答するというものだった。また、今年の春学期には、横浜市立大学改革推進本部最高経営者(CEO)として、横浜市立大学の改革の話や学生論の展開、そして、指定図書を読み、教育や研究をどうのようにマネジメントするかを全員が発表する参加型の授業が行われた。

 その中でも印象に残っているのは、昨年の秋学期に職員論に触れたときのこと。アドミニストレータとなる職員は、教育や研究の真髄をしならければやはり駄目ですよねという質問を私がしたときに、次のように答えてくれた。
「そのとおりですね。教育と研究が何たるかが分からないと本当のアドミニストレータにはなれないだろう。今後、本当の意味でのアドミニストレータが出るには、外からの力も必要だが、職員自身が教養を深めて育つことが同時に必要です。いわゆる、卵から雛がかえるときに、親鳥も外から力を貸すけれども、あくまでも自らも内側から殻を破らなければないけないのと同じだね。この時期は、あまり早すぎても遅すぎてもいけないけどね。」

 また、これも秋学期のことだが、前記した「組織の経営学」を読破した後、慶応義塾出版社からでている孫さんの最新論文「大学組織論の前提」を読んだ。とても理論的に精緻で、高等教育論を前提としながら、企業を対象とした組織論を大学組織論として展開する意気込みが伝わってきた。そして何よりも、大学の起源であるボローニャに心をおき、「学生」を主体とした大学論の展開に気をくばっていた。他の孫福論文を読んでも分かるが、「学生」は孫福理論のキーワードになっている。

 高等教育界にとって、巨人が一人去っていった感がするのは、私一人ではないだろう。

 職員論は、「理論」もさることながら「実践」がとても大切な領域である。この夏休みを利用して、学生のために、教員のために、そして身近な人たちに、自分がいったい何ができるのかを問い直したいと考えているところである。孫さん、ほんとうにありがとうございました。そして、お疲れ様でした。

(成蹊中学高等学校事務室 浅沼 雅行)



ご案内 第18回 YFN やっとかめやなも
FMICS名古屋 シンポジウム(第485回例会)

●やっとかめやなもFMICS 名古屋(YFN)の《学びのカタチ》を束ねる恒例の第18回 YFN シンポジウムをご案内します。

 まずは、聖徳学園岐阜教育大学でのシンポジウムです。懇親会は長良川での鵜飼い観賞とともに乾杯。夜プロはインド古典楽器サントゥール&琵琶ではじまります。オールナイトYFNは全員発表で盛り上がります。翌日の岐阜観光は芭蕉の跡をたどります。今年も岐阜は盛りだくさん。お仲間をお誘い下さい。心からお待ちしています。

【日時】 2004年9月4日(土)13:00 〜 5日(日)15:00

【会場】
 シンポジウム: 岐阜聖徳学園大学 羽島キャンパス本館
 オールナイトYFN: 東海坐禅道場(武儀郡洞戸村下洞戸927)

【テーマ】 大学人笑顔たくさん宣言
       大競争時代をいきいき活きる元気びと

【プログラム】
  9/4(土)
   ●シンポジウム 1時〜5時

     「龍谷大学の今、そして21世紀戦略―その2」
      龍谷大学前副学長 河村 能夫

     「変わる教育、変わる学校、大学は」
      岐阜県立各務原高等学校長 加納 幹雄
      (前文科省初等中等教育局教育課程課外国語調査官)

     総括 桜美林大学 大学教育研究所長 高橋 真義

   ●懇親会 長良川鵜飼鑑賞

   ●夜の部 岐阜県武儀郡洞戸村 東海坐禅道場
     その1 インド古典楽器サントゥール&琵琶 洞戸の仙人による演奏会
     その2 SINGI式トレーニング
     オールナイトYFN 参加者全員

 9/5(日)
   ●坐禅・朝茶
   ●移動 奥の細道むすびの地・大垣市 芭蕉没後360年 芭蕉の跡を訪ねて
   ●昼食 芭蕉水御膳 料亭四鳥
   ●新幹線 岐阜羽島駅 午後3時着(予定)

【会費】 昼の部のみ千円  夜の部まで1万円  両日1万5千円

【申込&問い合わせ先】 高等教育問題研究会名古屋支部事務局
      林 憲和 (岐阜聖徳学園大学 総合企画課 058-279-6710)
       nhayashi@ha.shotoku.ac.jp

【お願い】
 軽装でご参加下さい。なお、オールナイトYFNの参加者には、5分間以内のスピーチをしていただきます。スピーチの内容をA4縦判(様式自由)のメモにして、当日コピーを20部程度ご用意ください。



FMICS SD 155

●FMICS Staff Development 略して 「SD」は、月例会とは別に、原則として第3週の水曜の夜に開催されているゼミナール型の勉強会です。超競争時代をしたたかに活き抜くためにも、大学人一人ひとりの努力を束ねる場です。

(1)メディアチェック 
 あなたのアンテナが何かを感じた新聞・雑誌等の教育&経済トピックスを、切り抜いて持ちよりディスカッションします。トピックスは厳選して1件、A4縦判にコピー(15枚程度)して、氏名と簡単なメモを付してご持参ください。各自5分間程度のコメントをしていただきます。

(2)テーマを定めた継続的な勉強会
 いよいよ2004年4月から国立大学法人が誕生しました。予想を遙かに超える状況変化にいかに対処すべきか。ミクロな視点ではなく、大所高所からの意見交換をする場にしたいと思います。

【日時】 2004年8月24日(火) 午後6時30分〜8時30分

*今月は火曜日ですので、ご注意ください。

【会場】  工学院大学新宿キャンパス 高層棟27階 2710ゼミ室

*教室変更もあり得ますのでご注意ください。

【テーマ】 激変する時代を強かに活きる
       大学の危機回避を考える −8−

【参加費】 会員:500円 学生:300円 非会員:700円

【申込先】 出光 直樹(桜美林大学) idemitsu@obirin.ac.jp



速報 9月のFMICS

 あの神戸・淡路大震災からはや9年がたちました。果たしてあの時の教訓はリスクマネジメントとして、大学に活かされているのでしょうか。「災害にそなえて/阪神・淡路大震災をむだにしないために」FMICS REPORTの連載を終えられた青木加奈子さんに、紙面では語り尽くせなかったことを語って頂きます。ご期待下さい。

【日時】 2004年9月25日(土) 午後2時30分〜6時

【会場】  工学院大学新宿キャンパス(予定)

【テーマ】(仮題)今 リスクマネジメントを考える
      災害にそなえて何をしなければならないか

【発表者】 東京経済大学 青木 加奈子



速報 10月のFMICS

 LEAP(文部科学省が実施している事務官を海外の大学に派遣する研修プログラムの略称)によってアメリカの大学でインターンをされた経験を、筑波の高エネルギー加速器研究機構のお二人にお話しいただきます。アメリカの大学の事務のあり方についてのホットなお話は、わが国の高等教育界に一石を投じるものとなることを確信します。皆さまには奮ってご参加下さい。

【日時】 2004年10月23日(土) 午後2時30分〜6時

【テーマ】(仮題)米国大学見聞録
      アメリカの大学でのインターン経験を語る

【スピーカー】
高エネルギー加速器研究機構 管理局総務部学術情報課
管理局財務部契約課
昨間 勲
立田 光