参加者募集! 次回 BIG EGG 発送作業 10月6日(水)6時〜 恵比寿・日能研ビル |
2004年9〜10月のFMICS
「変え力」(かえぢから)「『連携には、もう疲れた』−−。先月、京都で開かれた産学官連携推進会議で、ある国立大の学長が講演でこう漏らした。『おい、おい、一体どうしたんだと言う感じで、聴衆はみんな引いてしまった』(東大先端研の教授)・・・『(講演した別大学の)学長の気持ちも分からないではないが、口に出すべきではない。研究、教育をしっかりやり、産学連携もきっちり進めなければ』と東工大の下河辺明副学長。」と、三宅伸吾日本経済新聞編集委員は伝える。(同紙2004年7月19日朝刊) この夏、アテネ五輪で久々に国中が賑わった。 すでに、大学全入時代が2009年から2年前倒しされ2007年との予測が報道されている。もう2年余り先のことである。さらに、その2年先からは10余年の間、18歳人口が120万人台で推移する。この一種の人口安定期に対する備えは各大学で充分に検討されているだろうか。もちろん、ただいま現在の定員割れに対する緊急対応も必要であるが、乗り越えた先の大学像を見据えていなければ、自転車操業は終わらない。 景気上向きの産業界では、「必要な人間は2種類。投資先企業の最高経営責任者と最高財務責任者をそれぞれ務められる人材だ。人材育成のためのコーポレート大学を社内につくるほか、…(その)予備軍を大量に“備蓄”したい。投資の成否は派遣できる人材の質で決まる」(小島順彦三菱商事社長。同紙2002年8月15日)、「金型製作などの精密加工は『超精密』と言った方がいいほど高度な技能が求められ、非正規社員ではこなせない。…製造業に要求される技術水準は一段と高まっており、一級の技能を持つ人材を十分に確保できるかがポイントになる」(御手洗冨士夫キヤノン社長、同紙8月20日)と、人材戦略を明言する。 120万人時代は次の北京五輪の頃から始まる。人材育成競技で世界に日の丸を掲げられるために、五輪をめざすアスリートたちをベンチマークしながら、FMICS人は変革を続けられる力=「変え力」を養おうではないか。4年後の感動を創るのは他ならぬ皆さん自身である。 (坂田 範夫)
大学・短期大学進学率は49.9%先般、文部科学省から平成16年度の大学・短期大学への進学率(速報)が発表された。過年度高卒者を含む進学率は49.9%、現役生の進学率は45.3%、いずれも過去最高の数値となった。また、専門学校への進学者数を合計すると73%を越える計算となっている。 詳しく見てみよう。平成16年3月の高等学校卒業者数は123万5千人(前年より4万6千人減少)となっているが、大学(学部)・短期大学(本科)への入学志願者の比率(入学志願率)は55.7%であり前年度と同率になっており、入学志願率の上昇は今後は望めない状況となった。 また、進学率が48、49%と足留まって6年も経過したが、男子は初めて5割を越えて51.1%となった。しかし、大学(学部)・短期大学(本科)の入学者数は70万5千人(前年度より1万3千人減少)となっており、このうち女子は24万3千人(前年度より4千人減少)となっている。 マーチン・トロウは、進学率が50%を超えると、高等教育はユニバーサル・アクセス型に移行すると提言していたが、昨今、さまざまな学習形態を学生が選択する時代になると、マス型高等教育とユニバーサル・アクセス型高等教育との相違を明確化することは困難になってくると改訂している。 平成18年度からは、新学習指導要領による学生が入学してくる。ますます学生の多様化は避けては通れないことであり、それを受入る大学・短期大学では混乱・動揺が生じないことを望みたいが、学生確保が困難になっている大学・短期大学では、果たしてどうなるのか。文部科学省の試算では、高等教育の全体規模の試算では平成19年度に収容力100%(全入)となっている。非常に厳しいと言わざるを得ないのではないか。 一方、大学入試試験の出題教科・科目はどうなっているのか見てみよう。(独)大学入試センターでは平成18年度センター試験の出題教科・科目を既に公表している。6教科9科目は変更がないものの、新に「英語」にリスニングが課せられた。今月26日に高校2年生5万人を対象にリスニング試行テストが行われることとなっている。 このリスニング試験の実施については、当初は高等学校を利用して実施する案も考えられたが、再生機械(ICレコーダー)の低コスト化、大学がリスニング試験について責任を持って実施するなどの観点から、大学で実施することとなった。 時代の流れ(少子化)を食い止めることは出来ない。時代の流れに逆らってまでも、食らいついていくのか、時代の流れに任せて生きていくのか。大学は未曾有の試練の時代の真っ直中にある。 (鳥居 聖) ご案内1 FMICS 9月例会 (第486回例会)あの神戸・淡路大震災からはや9年がたちました。果たしてあの時の教訓はリスクマネジメントとして、大学に活かされているのでしょうか。「災害にそなえて/阪神・淡路大震災をむだにしないために」 FMICS REORT の連載を終えられた、青木加奈子さんに紙面では語り尽くせなかったことを語って頂きます。 青木さんからいただきましたコメントをご紹介いたします。 職場で仕事をしているとき、いま大きな地震が起きたとしたらという視点で、席のまわりや頭上をながめたことはありますか? 今、世界中で想いもかけない事件がたくさんおこっています。ひとたびコトが起こってしまってから臍を噛んでも後の祭り。大学の明日を守るためにも“リスクマネジメント”についてのあなたの認識を新たにしていただきたいものです。 【日時】 2004年9月25日(土) 午後2時30分〜6時 【会場】 工学院大学新宿キャンパス 4階 0471教室
【テーマ】 今 リスクマネジメントを考える
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高エネルギー加速器研究機構 管理局総務部学術情報課 管理局財務部契約課 |
昨間 勲 立田 光 |
■2003年度冬の桜美林大学大学院公開講座で、「個性が輝く大学を創るためには教職員は協同、さらには融合していく必要がある」のではないかと問題提起しました。講師のみなさまには、この難しいテーマを見事についてそれぞれの立場から論じていただきました。本書はそのときの講義内容をベースに原稿にまとめて頂きました。
執筆者は、教員+職員+学生です。FMICS人ならば知らない人はいないの職員のお2人が執筆者であることは、まさにこれからの大学があるべきカタチとしての融合に向かう緒についたことといえましょう。
学生15名は、真義ゼミの受講生の皆さんです。大学アドミニストレーションを多面的に考えるための参考図書25冊の紹介をお願いしました。
B5版86頁の冊子ですが、大学職員としての教(育職)員と(事務)職員の融合がいかにあるべきかを大学マネジメントという視点から論じた論集は、わが国では初めてのものではないかと自負しています。
大学の明日を何とかしたいと願う皆さまには、是非ともお手元に置いて頂きたいと思います。
■ご希望の方には、1部1000円でお分けいたします。桜美林大学新宿キャンパス 03-5304-5381 まで直接お申し込み下さい。印刷部数は多くありませんのでお申込みはお早めに!
■桜美林シナジー目次
巻頭言 桜美林大学大学院教授 竹前 文夫
特集:大学アドミニストレーション
≪テーマ≫ 大学経営の原点を考える−教員と職員−
◇大学教師の役割を考える
大学経営の原点の一つ
立教学院総長室調査役/東京大学・桜美林大学名誉教授 寺崎 昌男
◇大学経営の原点を支える人の養成を考える
職員のキャリアアップのための大学院教育
桜美林大学大学院教授 馬越 徹
◇大学経営の原点を支える職員
大学運営における事務職員の役割
信州大学留学生センター教授 高石 道明
◇大学経営の原点を支える職員のアクション
@大学職員の戦闘力試論 「協同」から「融合」へ
大谷大学教育研究支援課長 滝川 義弘
A教職協働をすすめるための職員のアクションを考える
中央大学経理研究所事務室長 横田 利久
◇大学経営の原点を考える 大学倒産回避のための原理原則
桜美林大学大学院助教授 高橋 真義
◇補遺:ブックガイド/「大学アドミニストレーションを考えるための25冊」