2004年10〜11月のFMICS
発送と例会の日程が変更になってます
- 高等教育のグランドデザインとロードマップ(鳥居 聖)
- 相思を相愛に (米川 充)
- FMICS10月例会 10月23日(土) 工学院大学:新宿
- YFN10月例会 11月6日(土) 名鉄犬山ホテル
- FMICS SD 10月はお休み
- 速報11月のFMICS 11月
13日(土)&14日(日) 6日(土)&7日(日) 信州大学:松本
高等教育のグランドデザインとロードマップ
9月6日の中教審大学分科会で平成27(2015)年〜平成32(2020)年頃までを想定した高等教育のグランドデザインとそこに至る5つの方向性(ロードマップ)が示された。以下概要をまとめてみた。
(1)ユニバーサル・アクセスの実現
誰もがいつでも学べる高等教育(ユニバーサル・アクセス)が実現し、競争的環境の中でのかく高等教育機関の個性・特色の明確化が重要となる。「高等教育計画の策定と各種規制」の時代から「将来像の提示と政策誘導」の時代へ移行する。各大学は緩やかに機能別に分化(世界的研究教育拠点、高度専門職業人育成、総合的教養教育、地域の生涯学習の拠点、地域貢献・産学官連携等)していくものと考えられる。
(2)高等教育の質の保証
事前・事後の評価の適切なバランスによる高等教育の質の保証が極めて重要となる。各高等教育機関が教育内容・方法や財務状況等に関する情報を開示し、説明責任を果たすことが期待されている。高等教育機関が経営困難となった場合に備え、在学生の就学機会の確保を最優先に対応策が検討されるべきである。
(3)世界最高水準の高等教育
学位の課程の考え方を再整理する必要がある。修士課程は、研究者養成、高度専門職業人養成、高度な学習需要への対応の3つの機能を担う体系的な教育課程が編成される。博士課程は、研究者、教育能力と研究能力を備えた大学教員を養成する体系的な教育課程が編成される。専門職学位課程は、法曹、MBA・MOT、公共政策、教員養成等の創設・拡充が期待され。各種の高度専門職業人が養成され、社会全体の流動化の向上と活性化に大きく貢献することが期待される。
(4)「21世紀型市民」の学習需要に応える質の高い高等教育
学士課程は、総合的教養教育型や専門教育完成型など、様々な個性特色を持ち、多様で質の高い教育を展開することが期待される。教育の充実のため、分野ごとのコア・カリキュラムが作成されることが望ましい。総合的教養教育型において学部3年修了による大学院進学を積極的に活用することが考えられる。
(5)競争的環境の中で国公私それぞれの特色ある発展
高等教育への財政的支援は、多様な機能に応じた形にシフトし、多元的できめ細やかなファンデング・システムを構築することが期待される。これにより、国公私それぞれの特色ある発展と緩やかな役割分担、適正な競争条件の確保が目指されるべきである。
(鳥居 聖)
相思を相愛に
「平成17年度半ばに本格開講予定!「三鷹ネットワーク大学(仮称)」プレ開講講座にご参加ください!」(広報みたか 2004年9月5日付)
宅配された市報を、いつものように何気なく眺めていると、一面にでかでかとこの見出し。
すわ何事と紙面を読みあさり、市のサイトを調べてみると、これまで地域の大学との個別の協力の下に行っていた事業(市民向け公開講座や産学連携のコーディネート、市の施策についての共同研究など)を、市内外の13の大学・研究機関の参加するネットワーク機構に集約し、統合的に展開していくということのようです。
そういえば、先日結果が公表された「現代的教育ニーズ取組支援プログラム」でも、「地域活性化への貢献」のテーマでの選定が36件と群を抜いていました。国立大学の法人化による地方国立大のミッション確立の要請、市町村合併による自治体の能力拡充の必要性など、大学・地域双方の様々な要因が重なってか、いよいよ産学に続いて、地学連携がトレンドの中心になってきたようです。
たまたま目にした故郷の地方紙でも、知事と地元国立大の新学長が「地域貢献」について意見交換の記事。大学サイトの新学長就任のメッセージにも以下のような抱負が語られていました。
「さらに研究の成果を一層社会貢献に生かし、特に地域において存在感のある大学をめざします。今後は総合大学としての力を発揮して、地域が抱える課題や可能性にしっかりと焦点を合わせ、連携する分野の拡大とその内容の充実に努め、自治体や住民、さらに企業等から頼りにされる大学をめざします。」(http://www.ibaraki.ac.jpより)
「地学連携」、「大学の地域貢献」、一市民の立場からすれば大歓迎。趣旨には大いに賛同です。
でも、地域で活動している者の感覚からすれば、「地域の大学」になるために必要なことって、貢献や連携といった肩肘張ったことではなく、もっととても簡単なことのような気がします。
地域づくりや国際交流といった言葉に惹かれてNGO・NPO志向の若者が集まってくるのは東京だけの特権。ほとんどの地域では、そういった分野に留まらず、福祉ボランティアから御輿の担ぎ手に至るまで、若いパワーは本当に希少な資源です。地域の人々と学生との出会いを断片的なものにしないよう、ちょっと演出を加えてあげれば、大掛かりな事業の成果をはるかに超える信頼と親しみを地域から獲得していくことができます。
賀詞交換会で学長と交流するお歴々に評価されるのももちろん大切です。でも、それ以上に、地域のごくごく普通のおじちゃん、おばちゃんに、「私たちのまちの大学」って言われることのほうが素敵なことだと思いませんか?
(米川 充)
ご案内1 FMICS 10月例会 (第488回例会)
●LEAP(文部科学省が実施している事務官を海外の大学に派遣する研修プログラムの略称)によってアメリカの大学でインターンをされた経験を、筑波の高エネルギー加速器研究機構の昨間さん、立田さんにお話しいただきます。司会は昨年10月例会に登場頂きました同機構の織田さんです。●予備知識に相当するお話し、そして、お二人がインターン先で経験されたことを紹介していただきます。講演のようなスタイルではなく、参加者と和やかにキャッチボールをしながらの進行。は、織田さんお願い致します。●アメリカの大学の事務のあり方についてのホットなお話は、わが国の高等教育界に一石を投じるものとなることを確信します。皆さまには奮ってご参加下さい。
【日時】 2004年10月23日(土) 午後2時30分〜6時
【会場】
工学院大学新宿キャンパス 4階 0471教室
- 地下1階から高層用エレベーターで2階まで上がり、さらに階段で4階まで昇ってください。中扉がありますがそこを通り抜けて、一番手前右のゼミ室が会場です。
【テーマ】 米国大学見聞録
アメリカの大学でのインターン経験を語る
【スピーカー】
高エネルギー加速器研究機構
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管理局総務部学術情報課
管理局財務部契約課
国際企画課長
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昨間 勲
立田 光
織田 雄一
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【プログラム】
はじめに LEAPとはなにか
- 日米の大学事情比較
- “文部科学省”がない!
- 州立大学と私立大学
- 教員は自分の評価に非常に敏感−教育・研究
- 事務局の地位
- 米国の大学にとっての留学生とは
- 留学生“ビジネス”
- 米国からの派遣学生の確保に必死
- インターン先の業務や経験の紹介(昨間)
- 派遣先 University of North Carolina at Charlotte
Office of International Programs
Intercultural Outreach Programs
- “異文化間の交流拡大”他国の特定のグループ向けに数週間程度の研修プログラムを企画・実施する事業に特化したオフィス
- インターン先の業務や経験の紹介(立田)
- 派遣先 Indiana University, Bloomington
Leo R. Dowling International Center
- 留学生や外国人研究者とその家族が円滑に米国滞在生活を送れるよう、社会的・文化的側面からサポートするオフィス。イベント企画、生活情報提供、メンタル面のケア、米国人学生との交流機会の提供等、多種多様のプログラムを運営する。
【参加費】 会員:1,000円 学生:500円 非会員:1,500円
【申込先】 桜美林大学 高橋 真義
shingi@obirin.ac.jp
ご案内2 YFN10月例会 (第489回例会)
この度、中央大学五葉会75周年・東京都立大学・名古屋大学禅の会5周年を記念し、早稲田大学禅の会・岐阜聖徳学園大学茶道部・正眼短期大学の協力のもとに実行委員会を組織し、有楽流宗家の織田宗澄家元席をはじめとする茶席3席と、縁の深い先生方の講演会や香席による如庵記念茶会を国宝の茶室と重要文化財の茶室を持つ、愛知県犬山市の名鉄犬山ホテル内の如庵を貸し切り、開催する運びとなりました。
名古屋大学光明会・東京都立大学禅の会・中央大学五葉会は、原三渓ゆかりの茶室 水琴亭の茶会・YFN秋の文化祭に必ずと言っていいほど東京から駆けつけ応援してくれたものです。
FMICSをはじめ多くの愛好家の皆様にご参加いただきたくご案内申し上げます。
【日時】 2004年11月6日(土) 10時30分〜16時
【会場】 犬山市 名鉄犬山ホテル
【テーマ】 YFN秋の文化祭 如庵記念茶会
【内容】
- 茶席(3席) 国宝如庵(展観)・旧正伝院書院(有楽流宗家)・弘庵・元庵
- 香席(2席午前・午後) ホテル内和室「幸楽」
中央大学名誉教授 神保 博行・中央大学白香会
- 点心(11時〜13時) ホテル内「聚洛の間」
- 講演(13時〜14時30分) ホテル内「聚洛の間」
有楽流宗家16世 織田 宗澄 先生
国立民族学博物館教授 熊倉 功夫 先生
【会費】 1万円
【主催】 如庵記念茶会実行委員会
名古屋大学光明会・東京都立大学禅の会・中央大学五葉会・早稲田大学禅の会・岐阜聖徳学園大学茶道部・正眼短期大学・FMICS名古屋・柳ヶ瀬学生村
【申込&問い合わせ先】 林 憲和 nhayashi@ha.shotoku.ac.jp
代表者氏名と住所・電話番号と参加合計人数を記入の上お申し込みください。(締切10月中旬)
FMICS SD 158
●FMICS Staff Development 略して 「SD」は、月例会とは別に、原則として第3週の水曜の夜に開催されているゼミナール型の勉強会です。超競争時代をしたたかに活き抜くためにも、大学人一人ひとりの努力を束ねる場です。
(1)メディアチェック
あなたのアンテナが何かを感じた新聞・雑誌等の教育&経済トピックスを、切り抜いて持ちよりディスカッションします。トピックスは厳選して1件、A4縦判にコピー(15枚程度)して、氏名と簡単なメモを付してご持参ください。各自5分間程度のコメントをしていただきます。
(2)テーマを定めた継続的な勉強会
いよいよ2004年4月から国立大学法人が誕生しました。私たちの予想を遙かに超える状況変化にいかに対処すべきか。大学の危機回避について、ミクロな視点ではなく、大所高所からの意見交換をする場、それがSDです。皆さま、ぜひご参加下さい。
【日時】 2004年11月吉日 午後6時30分〜8時30分
*都合により10月はお休みさせて頂きます
【会場】
工学院大学新宿キャンパス 高層棟27階 2710ゼミ室
*教室変更もあり得ますのでご注意ください。
【テーマ】 激変する時代を強かに活きる
大学の危機回避を考える −11−
【参加費】 会員:500円 学生:300円 非会員:700円
【申込先】 出光 直樹(桜美林大学) idemitsu@obirin.ac.jp
速報 11月のFMICS
●11月のFMICS月例会は11月6日−7日の信州合宿FMICSです。信州大学、松本大学、高橋真義ゼミ(桜美林大学)とFMICSがジョイントします。社会貢献・地域貢献というミッションが問われる大学。国立大学と私立大学関係者が合宿をしていろいろと語り合う企画はFMICSならのものです。
●参加申込締切は予約の関係から10月25日までにお願いいたします。詳細は22日にアップします。
【日時】 2004年11月 13日(土)&14日(日) 6日(土)&7日(日)
【会場】 信州大学・松本キャンパス
【テーマ】 「SHINGI式自己表現・評価トレーニング」
変貌する大学・新しいミッションを考える
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