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12月1日(水) 6時〜 <早番は2時〜> 恵比寿・日能研ビル

2004年11〜12月のFMICS

  • 「外国大学の日本校」「我が国の大学の海外校」
      − 中教審答申から −  (鳥居 聖)
  • 涙の会見が意味したもの(金田 淳一)
  •  FMICS11月例会 11月6日(土)&7日(日) 松本
  •    FMICS SD 11月24日(水)
  • 速報12月のFMICS 12月11日(土) 工学院大学:新宿


「外国大学の日本校」「我が国の大学の海外校」
− 中教審答申から −

 高等教育のサービス貿易問題については、佐藤禎一氏の論考が『IDE』の2002年7月号にある。また、大森不二雄氏(熊本大学教授)や塚原修一氏(国立教育政策研究所高等教育研究部総括研究官)も『アルカディア学報』にこの件に関し執筆されている。

 文部科学省では、国際的な大学の質保証に関する調査研究協力者会議が今年3月までに7回開催され、審議のまとめが報告されている。

 これを受けて、我が国の大学の国際展開及び外国の大学の日本校等に係る取扱いについては、大学設置基準、自己点検評価及び第三者評価による継続的な質保証制度の基本を踏まえた上で、現行制度やその運用についての一部見直の検討が行われた。

 さる9月30日の中教審の審議内容は以下のとおりである。

 高等教育の国境を越えた展開に対応し得るためには、学習機会の国際化の観点から、いわゆる外国大学日本校のうち外国の学校教育制度において外国大学と位置付けられているものについて、我が国の大学との接続を可能にするとともに、我が国の大学の国際展開の観点から、我が国の大学が外国において行っている教育活動のうち設置基準を満たす者について、学部、学科等として位置付けることを可能とする制度を整備する必要がある。

 外国大学の日本校のうち、当該外国の大学等の課程と当該外国の学校教育制度において位置付けられた教育施設であって、文部科学大臣が指定するものに関して、(1)これらの教育施設の課程を修了した者に、個々の課程の種類に応じて、大学院への入学資格、短期大学専攻科、大学院の後期博士課程への入学資格をそれぞれ認めること。(2)これらの教育施設の課程に在学した者は、個々の課程の種類に応じて、我が国の大学、大学院、短期大学に転学することができること。(3)これらの教育施設のうち短期大学の課程を有するものとして当該外国の学校教育制度において位置付けられたものを修了した者は大学への編入学することができること。(4)これらの教育施設の課程における授業科目を履修して修得した単位について、個々の課程の種類に応じて、我が国の大学、大学院、短期大学との単位互換ができること。

 この改正は、公布日から施行するものとする。 我が国の大学が、外国において教育活動を行う場合、設置基準等を満たしたものについて、学部、学科等の組織と位置付けることができることとし、そのために必要な規定を整備する必要がある。(1)大学、短期大学、大学院は、外国に、学部、学科等の組織を設けることができることとすること。(2)外国に設ける学部、学科等の組織に係る収容定員を明示すること。(3)学部、学科その他の組織を我が国から外国に移転するときは、その旨を文部科学大臣に届けでなければならないこと。

 この改正は、平成17年4月1日から施行するものとすること。

(鳥居 聖)



涙の会見が意味したもの

 本年4月15日の新聞に「野沢正平氏センチュリー証券社長に就任」との記事がささやかに載った。野沢正平氏の名を聞いたことのない人も「山一證券最後の社長」と言えば覚えているだろう。1997年11月24日、山一證券は経営破綻による自主廃業を発表。この時の記者会見で「社員は悪くありません」と号泣し、頭を下げる姿が今でも目に浮かぶ。野沢氏は3カ月前に社長に就任したばかりだった。当時私の受けた印象は大の大人が泣くなんてとやや冷めて見ていたように思う。その野沢氏へのイメージが一新されたのは今から2年前、NHKテレビ「人間ドキュメント」で野沢氏の記者会見以降の姿が放映されてからである。山一證券は1998年3月31日までに全支店を閉鎖し、全社員を解雇。その時の事を野沢氏は以下のように語っている。

 『私は社長として、約7,700人の社員の解雇予告通知書に印鑑を押し続けました。自分が愛した会社が無くなってしまう寂しさ、お客様にお掛けしたご迷惑、そしてグループ企業を合わせると1万人を超える社員を失業させ、その家族を含めて3万人もの人たちを路頭に迷わせる状況になってしまった責任−それは私が生涯背負い続けていくものだと思っています』

 山一證券は1996年6月に東京地裁から破産宣告を受け、野沢氏は社長を退任した。その後ITベンチャー企業の会長に就任し、精力的に営業を続けた。かたわらかつての部下たちの再就職探しに奔走した。その様子をカメラは克明に捉えていた。野沢氏はこのようにも発言している。『何も悪いことをしていないのに首を切られた社員たちに私は「新天地で頑張って欲しい。何かあったら相談に来なさい」と言い続けました。これまで私が履歴書を持参して再就職をさせた元社員は150人ほど。私自身が、あのときの辛さを、流した涙を決して忘れることはできないから、もう7年近く経ったからという理由で支援の要請を断ることはできません』

 清成忠男法政大学総長はさる10月19日の日経新聞夕刊「あすへの話題」で野沢氏の涙の会見について以下のように述べている。『野沢さんの涙は、社員に対して責任を感じることによる涙であった。・・・涙は外向けには決してスマートであるとはいえない。むしろ、野沢さんの、内からの責任感の表れだ』

 実は野沢氏は法政大学のOBである。上述の発言は『雑誌 法政10月号』から引用した。氏は経済学部出身で現在は経済学部同窓会会長として、寄付金獲得など母校のために尽くされている。今こそ胸を張って断言する。野沢さんは本学OBの誇りであり、宝であると。

(法政大学 金田 淳一)


ご案内 FMICS 11月例会 (第490回例会)

●11月は、昨年に続いて、FMICSと桜美林大学真義ゼミと信州大学、松本大学職員とのジョイントによる合宿例会です。●変貌する高等教育機関の新しいミッションとしての社会貢献・地域貢献について語り合います。問題点の深化は、定番の「SHINGI式自己表現・評価トレーニング」によってワイワイガヤガヤ行います。このような地域間交流はFMICSならではのプログラムです。深まる秋の信州、多くの皆さまのご参加をお待ちいたします。●参加費は1万円+αを予定しています。

【日時】 2004年11月6日(土)&7日(日)

【会場】 信州浅間温泉:香蘭荘 & 松本大学

【テーマ】 「SHINGI式自己表現・評価トレーニング」
       変貌する大学・新しいミッションを考える

【プログラム】
6日(土)
10:00新宿・出発
14:30会場(浅間温泉・香蘭荘)集合
15:00SHINGI式・自己紹介
17:00たっぷりのんびりホット温泉浴
18:00名物豆腐料理に舌鼓 
20:00今こそ求められる伝説を創る職員とは
桜美林大学大学教育研究所 高橋 真義
21:00ディスカッション
23:00懇親会は地酒も出ます
7日(日)
8:00朝食 松本大学へ移動
9:00桜美林大学・法政大学 佐藤 琢磨
信州大学繊維学部 中村 信一
松本大学 <人選中>
SHING式・ディスカッション
松本大学キャンパスツアー
14:50松本・出発


FMICS SD 158

●FMICS Staff Development 略して 「SD」は、月例会とは別に、原則として第3週の水曜の夜に開催されているゼミナール型の勉強会です。超競争時代をしたたかに活き抜くためにも、大学人一人ひとりの努力を束ねる場です。

(1)メディアチェック 
 あなたのアンテナが何かを感じた新聞・雑誌等の教育&経済トピックスを、切り抜いて持ちよりディスカッションします。トピックスは厳選して1件、A4縦判にコピー(15枚程度)して、氏名と簡単なメモを付してご持参ください。各自5分間程度のコメントをしていただきます。

(2)テーマを定めた継続的な勉強会
 いよいよ2004年4月から国立大学法人が誕生しました。私たちの予想を遙かに超える状況変化にいかに対処すべきか。大学の危機回避について、ミクロな視点ではなく、大所高所からの意見交換をする場、それがSDです。皆さま、ぜひご参加下さい。

【日時】 2004年11月24日(水) 午後6時30分〜8時30分

【会場】  工学院大学新宿キャンパス 高層棟27階 2710ゼミ室

*教室変更もあり得ますのでご注意ください。

【テーマ】 激変する時代を強かに活きる
       大学の危機回避を考える −11−

【参加費】 会員:500円 学生:300円 非会員:700円

【申込先】 出光 直樹(桜美林大学) idemitsu@obirin.ac.jp



速報 12月のFMICS

●12月のFMICSは、大学職員力を養成する参加者全員型トレーニングです。●競争的環境を生き抜けという大号令に、あなたは原理原則忘れた砂上の楼閣の主人公になっていませんか。今こそ地道な努力のネットワークを自ら創っていく能力が求められているときはありません。皆さんとともに、FMICS的「さわやかな自信のある職員」を養成するために、KJ法による問題点のカード出しと「SHINGI式自己表現・評価トレーニング」による問題点の深化を組み合わせたトレーニングをしたします。皆さまには、お若い方をお誘い合わせの上ご参加ください。●例会終了後は、ワイワイガヤガヤの忘年会を予定しています。当日のテーマなど詳細は、FMICS BIG EGG12月号、高等教育問題研究会のホームページにご案内いたします。

【日時】 2004年12月11日(土) 午後2時30分〜6時

【会場】 工学院大学新宿キャンパス

【テーマ】 みんなで考える職員力養成講座
      あなたはさわやかな自信のある職員ですか

【ファシリテーター】 桜美林大学大学教育研究所 高橋 真義