2005年6月のFMICS
GPA(Grade Point Average)制度をはじめとする
日本型制度について(鳥居 聖)
変わらない?変えられない?変える?変わる?(高城 彩子)
FMICS6月例会 6月25日(土) 工学院大学:新宿
FMICS SD 6月22日(水) 工学院大学:新宿
FMICS 淵野辺SD 6月24日(金) 桜美林大学PFC:淵野辺
速報YFN7月例会 7月17日(日) 三渓園:横浜
FMICS SYMPOSIUM 7月30日(土)〜31日(日) 新宿&千駄ヶ谷
寺崎 昌男(立教学院本部調査役・東京大学名誉教授)
林 憲和(岐阜聖徳学園大学 総合企画課)
高木 幹夫(日能研代表)
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GPA(Grade Point Average)制度をはじめとする
日本型制度について
GPA制度については、文部科学省HPによると全国(H15年度)で163校が導入している。前年度と比べると3%の増加である。
その説明には、GPA制度とは、授業科目ごとの成績評価を5段階(A、B、C、D、E)で評価し、それぞれに対して、4・3・2・1・0 のようにグレード・ポイントを付与し、この単位あたりの平均を出して、その一定水準を卒業等の要件とする制度。とある。
このままでは、日本型GPA制度である。
なぜなら、米国で行われているGPA制度は、履修指導(academic planning)と必ずセットになっている。言い換えれば、履修指導の行われないGPA制度は、米国の大学には存在しないのである。Normandale Community College の例で説明すると、入学時セメスターでは、科目登録時に必ずカウンセラーのサインが必要である。また、GPAが一定水準以下の学生には、新たな科目登録をさせないのである。
しかし、日本の得意とするところは、私の見たところ、外見重視であり中身については今後検討することにしようである。つまり、見てくれが良ければ、処理済みと言うことらしい。
確かに何もしないよりは、一歩前進なのかもしれないが、よく考えると弊害が大きければ、もう少し考えて行動してみる事も必要ではないか。
先日の新聞報道によると、来年度から北大で導入するという。しかし、大学のコメントを見ても、新聞の解説記事を見ても、数値化のことしか出てこない。従前の優良可の加重平均に他ならないのであり、目新しいことは何一つもないのに、数値化だけでニュースになるのである。
なぜ、米国ではGPAの数値を大切にするのであろうか?
米国の出発は移入民による建国(独立)であり、多様な主義主張を背景に持つ人々が互いに尊重しあい、物事の規則を定める合理主義の国である。つまり、何事にも最低基準(ルール)を決めないと次に進めないのであり、日本のように、阿吽の呼吸は存在しないのである。
したがって、評価と数値化は非常に一般的なものであり、絶えず感心事なのである。
また、上位の学校に進学する際にも、このGPAの数値は大きく影響し、ものを言わせるのである。米国の場合、専門的な教育は大学院レベルで行われているという実態がある。効率の良い大学院教育が行われるためには、不完全な基礎知識・学部教育では困るという認識があるのであろう。
大学院に行きたいのならGPAは3.5は必須の条件らしい、もしそれ以下のポイントであれば希望する大学院には進学するのはかなりの困難がある。当然に、奨学金を得ようとしても、成績優秀者から選ばれていくのであるから確率は低くなるのである。
チャンスは平等にあるが、それを獲得するためには、本人の絶え間ない努力が根底にあることは言を待たない。
(鳥居 聖)
変わらない?変えられない?変える?変わる?
課題解決のためのアプローチの仕方には二種類あるという。ひとつは、直接に課題の解決策を考える方法。そしてもうひとつは、自分の能力を高めることで課題を解決しようとする方法なのだそうだ。
産前産後休暇、育児休業を終えて、ほぼ一年ぶりに職場に復帰した。復帰しての最初の感想は「変わっていないなぁ」。新人に戻って右往左往することを覚悟していたのだが、すっかり拍子抜けしてしまった。
もちろん、一年程度でダイナミックな変化があることはあまりないだろう。しかし、組織の若干の変更や業務のネットワークシステムの入れ替えがあった割には、変化が感じられない。その理由を考えてみると、産休前に懸案事項として挙がっていた事柄が(すべてではないが)そのままになっていることに気がついた。ここで、「やっぱり相変わらず。うちの大学は変わらないんだ」と分かったような気になるのは楽だ。そういう人もたくさんいるのかもしれない。
でもわたしの周りはそういう人ばかりではない。折にふれ、これでは問題だ、こうした方がよい、という発信をしている人は多い。ただ、それでもなかなか変化してゆかないため、「これだけ言っても変化が無い。変えられないのだ」と無力感に陥っている人もいるようだ。「だからといって黙っているわけにはいかない。変えなければ。」と自分の力の及ぶ範囲で変えられることは変えてみている人もいる。そういう、問題を解決しよう、変えていこうという人がそれなりにいるのに、「変わっていない」感じがするくらい、変化はゆっくりしている。
実は、ここまでの「変えよう」という考え方が、最初に述べた問題解決へのアプローチ方法の前者、つまり課題の直接的な解決策を考える方法にあたる。その結果が「変わっていない」感じであるなら、第二の、後者のアプローチ方法を考えなければならない。課題を解決するために必要な能力とは何か、それを見極め、身につけ、「自分が変わる」のである。
何度言っても変わらないのであれば、自分がどうなれば聴く耳を持ってもらえるのか考える。そのためには、自分がどういう時に、どういう人の言うことなら真剣に受け入れることが出来るのか、自分を見つめる作業が必要になる。結構ハードな方法だ。しかし、非常に応用のきく方法でもあると考えられる。
自分の能力を高めるための努力、それ自体は、特にこれを読んでいる方々はみんな意識して行っていると思う。そのときに、「これを行うと具体的にどういう能力が身につくのか」「その能力を使って、どのような問題を解決できるか」という点について意識すると、変化を感じるまでの時間が、少し短くなるのではないかという気がする。
さてさて、ではわたしも「変わらないなぁ」から動き始めるとするか
(高城 彩子)
ご案内 FMICS 6月例会 (第504回例会)
6月のFMICSをご案内します。5月例会では、大学・短期大学と高校との教学面での連携について具体的なカタチを検証しました。今月は入り口の部分、全入をひかえて大きく変わらなければならないる学生募集募集戦略について考えます。
活発なディスカッションをしたいと思います。多数の方のご参加をお待ちしております。
発表をいただきます足立さんからコメントをいただきましたのでご紹介します。
2007年度に全入時代到来という文科省試算だが、大学間の人気格差は広がる一方で、実質的にはすでに全入時代が来ていると言っても過言ではありません。入試の詳細な分析と募集戦略の再構築が今、最も求められています。
入試分析のキーワードは「新課程と国立大学前期1本化」。そして募集戦略のキーワードは「高校の変化」が挙げられます。これらのキーワードをどう読み解くかが全入時代を生き昇るポイントとなります。
2005年度入試結果では、地域別、学部系統、偏差値帯別に見た志願者や合格者の動向等を述べます。また新課程入試となる2006年度入試動向では、国公立大学を中心に入試方式の変化を紹介しながら、それらが私立大学にどのような影響をもたらすかについて話をしたいと思います。
そして後半は高校の変化を整理しながら、そこで述べるとともに、みなさんと一緒に考えてまいりたいと思います。
【日時】 2005年6月25日(土) 午後4時〜7時
【会場】
工学院大学新宿キャンパス 4階 0471教室
- 地下1階から高層棟エレベーターで2階まで上がり、さらに階段で4階まで上がってください
【テーマ】 高校の変化に対応 大学全入時代を生き昇る募集戦略を考える
05年度入試結果と06年度以降の入試の展望
【発表者】 進研アド『Between』編集長 足立 寛
【参加費】 会員:1,000円 学生:500円 非会員:1,500円
【申込先】 桜美林大学 高橋 真義 shingi@obirin.ac.jp
FMICS SD 165
●FMICS Staff Development 略して 「SD」は、月例会とは別に、原則として第3週の水曜の夜に開催されているゼミナール型の勉強会です。超競争時代をしたたかに活き抜くためにも、大学人一人ひとりの努力を束ねる場です。
(1)メディアチェック
あなたのアンテナが何かを感じた新聞・雑誌等の教育&経済トピックスを、切り抜いて持ちよりディスカッションします。トピックスは厳選して1件、A4縦判にコピー(10枚程度)して、氏名と簡単なMEMOを付してご持参ください。各自5分間程度のコメントをしていただきます。
(2)テーマを定めた継続的な勉強会
いよいよ2004年4月から国立大学法人が誕生しました。予想を遙かに超える状況変化にいかに対処すべきか。ミクロな視点ではなく、大所高所からの意見交換をする場にしたいと思います。
【日時】 2005年6月22日(水) 午後6時30分〜8時30分
【会場】
工学院大学新宿キャンパス 高層棟27階 2710ゼミ室
*教室変更もありますのでご注意ください。
【テーマ】 激変する時代を強かに活きる
大学の危機回避を考える −18−
【参加費】 会員:500円 学生:300円 非会員:1000円
【申込先】 出光 直樹(桜美林大学) idemitsu@obirin.ac.jp
ご案内 淵野辺SD 3
●FMICS の新しい企画が始まりました。ゼミナール型勉強会「SD」を、首都圏西部地区でも開催します。会場はJR横浜線・淵野辺駅北口直結の桜美林大学PFC(プラネット淵野辺キャンパス)です。日程は原則として第4金曜日を予定しています。皆様のご参加をお待ちしています。
(1)メディアチェック
あなたのアンテナが何かを感じた新聞・雑誌・資料等のトピックスを、切り抜いて持ちよりディスカッションします。10枚程度コピー(原則A4版)してご持参ください。
(2)『Between』誌の講読
会員の足立さんが編集長を務める高等教育情報誌『Between』(進研アド発行)をメインテキストにして、高等教育をめぐる問題を勉強します。
今月は6月1日発行のNo.214号の中から、気になった記事を1つ取り上げてコメントしてください。
【日時】 2005年6月24日(金) 午後6時20分〜8時20分
その後は、6月24日、7月15日、8月26日を予定。
【会場】 桜美林大学PFC 4階P404教室
【申込先】 出光 直樹(桜美林大学) idemitsu@obirin.ac.jp
速報 YFN 7月例会
学園おこし、町おこしのためにFMICS有志で始めた聖徳茶会の町おこし編=柳津町・岐阜聖徳学園大学連携による岐阜出身の偉大なる文化人・財界人の原三渓顕彰講座を横浜三渓園を尋ねて行います。参加者は、岐阜県・柳津町・岐阜聖徳大学・早稲田大学・三渓園関係者が多数集まります。
■岐阜県羽島郡柳津出身の郷土の偉人 原 三渓翁 顕彰講座
■日時 2005年7月17日(日) 午前11時〜午後4時
石井三渓園園長による歓迎挨拶・廣瀬町長による挨拶・村上前副総長による早稲田大学と三渓翁との繋がりの説明・資料館見学・川幡参事による三渓園・内園・外園の特別見学説明会(1時半〜4時)
■会場 横浜・三渓園
■参加費 現地集合解散者は参観料のみ
昼食 2コース選択制
- 隣花苑コース(園の隣 翁の娘さんの旧居で、現在翁の孫が経営・鎌倉時代の神官の屋敷、翁オリジナルの三渓ソバもあり、6000円程)
- 待春軒コース(園内の茶店 翁オリジナルの三渓ソバもあり、1000円程)
■申し込み・問い合わせ先
岐阜聖徳学園大学 エクステンションセンター事務室 林 憲和
電話&FAX 058-279-6760 g-sec@ha.shotoku.ac.jp
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