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12月28日(水)18時〜(美味しい中華料理つき!)
<早番は14時〜> 恵比寿・日能研ビル

2005年12月のFMICS

  • サービスラーニング(村上 梓)

  • ブランドは身近なところから(米川 充)

  •  FMICS 12月例会 12月10日(土) 工学院大学:新宿

  •    FMICS SD 12月21日(水) 工学院大学:新宿

  • FMICS 淵野辺SD 12月16日(金) 桜美林大学PFC:淵野辺

  • 速報 1月のFMICS 1月28日(土)〜29日(日)
                 工学院大学:新宿&中大葉山寮

  • 会員新刊著書紹介 池田憲彦『近代日本の大学人に見る世界認識』

  • 就職力アップ「SHINGI式自己表現・評価トレーニング」
    1月14日(土) 東京しごとセンター講堂:飯田橋

      渡辺 茂晃(日経就職ガイド編集長)、山本 恵子(NHK社会部記者) 他
      詳細は見出しをクリック


サービスラーニング

 私が今セメスターで受講しているクラスの一つに社会学のサービスラーニングというクラス(授業)がある。サービスラーニングとはボランティア活動が単位の取得のための条件や、クラスのポイント(授業内評価点)となるシステムである。このクラスは2〜3の単位数で一学期に60時間から90時間のボランティア活動が義務付けられている。

 学生はそれぞれ自分の得意分野や大学で学んだ知識や技術を生かせるボランティア施設を探すことから始まる。トレーニングの方法、スケジュールの管理など、すべてが学生自らボランティア先とコンタクトを取って進める。サービスラーニングの目的は、普段の学生生活では体験できないことを自らの手で行うことによって社会との接点を高めることにある。ボランティア先は、老人ホームや低所得の家の子供の家庭教師、動物保護団体などと幅広く、アメリカ特有のものとしては、ホームレスシェルター(支援団体)や諸外国からの移民をサポートするボランティア団体、アメリカンインディアンの保護施設、ドメスティックバイオレンス(家庭内暴力)を受けた女性のための保護施設などがある。

 大学で歯科衛生士の勉強をしているクラスメイトの一人は、ミネソタ州が運営する低所得者のための医療施設でトレーニングを兼ねて活動している。私はコンピューターアプリケーションのクラスで学んだ知識を生かし、ネイティブインディアンの子供のためのアフタースクールで図書館の管理プログラム作りと、3歳〜15歳までの日本人駐在員や日系の子供を対象にした日本語補習校のティーチングアシスタント、そしてホームレスのために帽子やブランケットを編むクラブに所属し一週間に合計8時間の活動を行っている。

 これらのクラス以外にもその専門に関連した施設での活動をも授業内容の要件としたものも多くある。コミュニケーションのクラスでは、英語が第一外国語でない学生と定期的に英語の会話の練習をするカンバセーションパートナー(会話相手)や環境学のクラスでは環境調査や環境保護団体での活動など、授業で得た知識をすぐに生かせる、または活動しながら学べる授業内容になっている。

 このようなボランティア活動などはアメリカの大学で学生生活の一環として一般的であり、奨学金や留学生の授業料の免除の条件として大学側から指定される場合も少なくない。活動の内容によっては、就職の際の履歴書に書けたり、仕事の経験として位置づけられる場合も多いので学生は積極的に参加するのである。

(村上 梓)



ブランドは身近なところから

 これまで、高等教育、あるいは大学という業界に関心を持つ一社会人としてこの欄に寄稿させて頂いていたが、この秋よりご縁を得て、高等教育機関そのものではないにしても少なくとも業界サイドの人間となることになった。

 こうなると、門外漢ゆえと自分に許していた外側からの視点に頼るわけにもいかず、かといっていきなり具体的事例に立脚した文章を書くことも能わず、筆を進めるのが格段に困難となったことに今更ながら気付かされた。

 ということで、安直に走るわけではないが、今回は最近読んだお勧めの図書を一点ご紹介したい。

『ガバガバ儲けるブランド経営』小出正三・著(サイビズ/2005)

 一見、いかにも書店のビジネス書のコーナーに平積みになっているような「軽いビジネス書」風のタイトルであり、大学のマネジメントとは最も縁遠い部類の書物に感じられる。(実際、私も母校の同窓会理事会でご一緒している方の著書でなければ読むことはなかったと思う。)

 だが、読む者に最低限のやわらか頭さえあれば、業界・職種を問わず、自分の仕事をよりよいものと変えてゆくヒントに満ちたなかなかの良書である。

 本書の最大の特徴は、「ブランド=(個別の商品・サービスではなく)ビジネスの幅そのもの」、「ブランディング=ブランドに対する品質管理と生産性アップ(TQCやカイゼン活動)」と定義しているところにある。

 これを大学に置き換えれば、ブランドとは、単なる大学や学部のネーミングやロゴ、あるいはパンフレット上に書かれた内容だけで表されるものではなく、それを構成する教員・職員の組織体制や能力、モチベーション、さらには理念まで含めた総体ということになる。そして、ブランディングとは、教員と職員の協働による学生(学生をプロダクトと見た場合には社会)の満足度向上の継続的なサイクル作りといえる。

 つまり、表層的なものと考えがちなブランドは実は極めて全体に係るものであり、伝統や多額の費用を前提としてしまいがちなブランディングも本当は地道な取り組みに基づくミッション・パッション・アクションの拡大再生産だということを本書は説いているのである。

 また、他にも、「(ブランドの)価値を主張するのは、ブランドではなく、持ち主となるお客様」、「ブランドで競争する相手は、競合他社ではなく、「お客様の満足水準」」というように、多くの示唆に富む言葉に出会うことができる。後者などは、「差別化」という言葉を安易に多用してしまうことへの戒めであり、自分の土俵をきちんと規定することの重要さを教えてくれる。

 無論、いきなり大学や企業全体のブランドをどうこうすることは困難である。だが、少なくとも個人の力の及ぶ範囲で、部署や個別のサービスのブランド化を図っていくことは可能であろう。私自身も、新しい環境の下で取り組みを怠らぬよう心がけていきたいと考えている次第である。

(学校経理研究会 米川 充)



FMICS12月例会 (第513回例会)

 大競争時代を活き抜くためには何をすべきか。この頃の“競争的資金獲得競争”を見ていると、 大学の主人公である学生のことをそっちのけにして、生き残るための経営資源までをも投入し、決して強者ではない大学が渾身の力を振り絞って勝負をしている事例を見受けます。  実は、競争的環境は強者のフィールドにほかなりません。アウトソーシング、外部人材の積極的受け入れによって競争的資金を獲得しても後が続かなければ、多くの積み上げられた努力は水泡に 帰すことになります。 母校を沈没させないため に、大学関係者、特にいよいよその存在が問われている大学職員は何をすべきかを、皆さまと一緒に考えます。  ご参考までに、この10月15日の真義ブログ「日経考えるヒント」からの転載です。毎日アップしています。

■最澄が天台宗を開いて来年で1200年。大津市の比叡山延暦寺で14日夜、天台宗の声明と、キリスト教のプラハ・グレゴリ聖歌隊(チェコ)のジョイントコンサートが開かれた。
 声明はお経に独特の節を付けて唱える仏教声楽で、天台声明はその代表格とされる。プラハ聖歌隊は10ー11世紀の楽譜史料に基づきグレゴリオ聖歌などの演奏活動を行っている。
 根本中堂内のステージに僧侶8人と聖歌隊のメンバー8人が向かい合い、午後7時にスタート。声明と聖歌が一つになるように響かせ、約200人の観客を魅了した。
 「窓」2005.11.15日経新聞朝刊39面社会

★仏さまとキリスト様のジョイントコンサート。昔だったら考えられないこと。
 大学倒産、建学のミッションが違うと大学はジョイントできないと思いがちですが、そんなことはないのかもしれないなぁぁぁとこのごろは思います。圧倒的に救済・吸収する側が大きければマネジメント的には可能かもしれません。ただ問題は学生の教育水準に多くの格差がある場合はどうするのか。大学倒産を考えるとき、改めて大学の主人公は学生さんなんだなぁぁぁと想います。職員の皆さん、もっと学生さんにあったかくしてくださいね!!!

 なお、9月例会でご紹介いたしました池田憲彦先生の著書『近代日本の大学人にみる世界認識』(自由社)が、この10月に上梓されました。(詳細後述) 今月の懇親会はお祝いも兼ねることといたします。

【日時】 2005年12月10日(土) 午後4時〜6時30分

【会場】  工学院大学新宿キャンパス 4階 0471教室

  • エレベーターは、4階には止まりません。3階または5階で降りて、階段で上下してください。

【テーマ】 大競争時代を活き抜くためのアクション
       検証 母校沈没回避のためにすべきこと

【問題提起】 桜美林大学 大学院教授 高橋 真義

【参加費】 会員:1,000円 学生:500円 非会員:1,500円
       <懇親会:5,000円程度 *収入等による減額あり

【申込先】 高橋 真義(桜美林大学) shingi@obirin.ac.jp



FMICS Staff Development 171

●FMICS Staff Development 略して 「SD」は、月例会とは別に、原則として第3週の水曜の夜に開催されているゼミナール型の勉強会です。超競争時代をしたたかに活き抜くためにも、大学人一人ひとりの努力をキリキリと束ねなければなりません。そんなことを具現化する場です

(1)メディアチェック
 あなたのアンテナが何かを感じた新聞・雑誌等の教育&経済トピックスを、切り抜いて持ちよりディスカッションします。トピックスは厳選して1件、A4縦判にコピー(10枚程度)して、氏名と簡単なMEMOを付してご持参ください。各自5分間程度のコメントをしていただきます。

(2)テーマを定めた継続的な勉強会
 池田憲彦さんの新刊『近代日本の大学人に見る世界認識』(自由社 \3,600)をテキストにします。

【日時】 2005年12月21日(水) 午後6時30分〜8時30分

【会場】  工学院大学新宿キャンパス 高層棟27階 2710ゼミ室

【テーマ】 近代日本の大学人に見る世界認識 −1−

【参加費】 会員:500円 学生:300円 非会員:1000円

【申込先】 出光 直樹(横浜市立大学) idemitsu@yokohama-cu.ac.jp



淵野辺 Staff Development 9

●FMICSの新しい企画・ゼミナール型勉強会「SD」の首都圏西部地区版は若手を中心に盛り上がっています。皆さまのご参加をお待ちしています。

(1)メディアチェック
  あなたのアンテナが何かを感じた新聞・雑誌・資料等のトピックスを、切り抜いて持ちよりディスカッションします。10枚程度コピー(原則A4版)してご持参ください。

(2)『Between』誌の講読
 会員の足立さんが編集長を務める高等教育情報誌『Between』(進研アド発行)をメインテキストにして、高等教育をめぐる問題を勉強します。
 12〜1月は、12月1日発行のNo.217号の中から、気になった記事をディスカッションします。

【日時】 2005年12月16日(金) 午後6時30分〜8時30分+懇親会

【会場】 桜美林大学PFC 5階 P501 P506教室

【申込先】 出光 直樹(横浜市立大学) idemitsu@yokohama-cu.ac.jp



速報 新年1月のFMICS

●1月は恒例の合宿例会です。新宿・工学院大学でのオリエンテーション。そして、大学を元気元気元気にするための伝説創りをテーマに、SHINGI式による参加者全員発表をいたします。●プログラムは変更される場合がありますので、詳細は、FMICS BIG EGG 1月号にて確認下さい。

【日時】 2006年1月28日(土)〜29日(日)
          オリエンテーション  午後1時〜3時
          合宿FMICS   午後6時〜翌午前9時

【会場】  工学院大学新宿キャンパス  & 中央大学葉山寮(神奈川県葉山町)

【テーマ】(仮題)大学を変える主人公はあなた
         私たちがしなければならない原理原則を考える

【申込先】 坂田 範夫 kintoki(アットマーク)tamajs.chuo-u.ac.jp までなるべくお早めにお申し込み下さい。



★会員新刊著書紹介★

クリックすると拡大画像が見られます

池田 憲彦 『近代日本の大学人に見る世界認識』

自由社 2005年10月20日発行

<本文465ページ、資料・年表12ページ>

定価(本体3,600円+税) ISBN 4-915237-42-7

紀伊國屋書店BookWebで購入(店頭在庫表示も)

<目次>

序に代えて/一九四五年における世界認識の転換

序章 台湾協会学校・初代校長 桂太郎の他者認識
  ――「我能く彼を知ると共に、彼亦我を知る」

一章 後藤新平のエスニック観
  ――「比良目の目を鯛の目にすることはできんよ」

二章 新渡戸稲造・国際開発とその教育の先駆者
  ――「東西文化の天職的発達と融和を望む」

三章 地域・地球事情の啓蒙家 満川龜太郎の時代認識
 ――「民族生活の科学的根基を鞏固ならしむる」

四章 自然体の伝道者・青嵐永田秀次郎
  ――「世界は人間の為に造られたるものでは無い」

五章 永雄策郎・近代日本の植民政策家
  ――「肉眼の育成を無視して心眼の育成はあり得ない」

終章 満州移住・大蔵公望の経綸と宇垣一成
  ――「この形勢は外国に関係ない間はどうでも良いが」

総括 離脱と継承に見られる錯誤

後記に代えて/文装的武備としての二一世紀日本の私学を考える

 『Big Egg 10月号』掲載の「9月例会報告」にも紹介しましたが、池田憲彦さん(前拓殖大学創立百年史編集室主幹)の著書が刊行されました。

 池田さんには、8年前にFMICS・SDにて数回にわたり拓殖大学史を主題にご報告をいただきました。その後、同大学百年史の編纂事業の折々にまとめ発表した諸稿から、表題に沿って再集録したのが本著です。

 記述の仕方は資料をたんねんに扱い実証性に富んでいます。でも、そこから引き出される見方はかなり刺激的です。先生の問題意識と接近方法を見極めないと、現在の思潮では誤った印象を受けるかもしれませんが、問題意識のおおよそは、Webサイト内の "FMICS REPORT" にも公開されていますので、あわせてご参照ください。

【優待販売】
 期間限定にて割引価格(3,000円)で頒布したします。12月例会(終了後の懇親会は出版祝を兼ねます)や FMICS・SD の際にご購入いただけます。