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2006年5月のFMICS
大学院教育振興施策要綱について考える平成18年3月30日に この要綱 が策定された。具体の内容として、 (1)大学院教育の組織的展開の強化
(2)国際的な通用性・大学院教育の質の確保の向上
(3)国際競争力のある卓越した教育研究拠点の形成
が掲げられている。 実施期間は平成18年度から平成22年度の5カ年である。 これらは昨年9月5日の 中教審答申(新時代の大学院教育) や 第3期科学技術基本計画 (平成18年3月28日閣議決定)の中に記述がある。 大学院を取り巻く社会状況は大きく変革しており、大学院への進学率の上昇や多様な履歴を持つ学生の増加、知的基盤社会の到来で大学院の重要性が飛躍的に増大し、科学技術創造立国の実現のため人材養成が急務となっていること。 更に、徒弟制的な教育には限界があり、大学院教育の組織的な展開の強化、国際的な通用性や信頼性の向上が必要だということに言及している。 それを踏まえた上で、大学院教育の改革の方向性と早急に取り組むべき重点施策が明示されており、体型的で集中的な施策展開を図ることが目的となっている。 端的に言い換えれば、大学院の現行制度を見直すということである。また、大綱化以降に大学設置基準に新たに導入された制度は当然に大学院設置基準に取り込まれることは自明でもある。 また、視点を変えていうなら、諸外国の大学院と同等に世界に伍していくためには、同じスタンダードが求められている。しかし、現状の実態を見てみると残念ながらそのような態勢はほとんど皆無である。海外から改革の揺さぶりをかけられているといっても過言ではない。 したがって、多くの大学院(博士課程)では、課程制大学院の趣旨に沿ってカリキュラムを再構築する必要が出てこよう。 なお、努力した大学院には競争的資金の配分が行われることは、前例を思慮すれば当然であろう。 (鳥居 聖) なお書生論な視点「ものづくりを担う製造業こそが日本経済の強さの源泉である。これは多くのひとがうなずく定説のひとつだ。だが、小峰氏は異を唱える。理由のうち主なものを二つ。@ひとが生きるのに欠かせない需要はモノにもサービスにもある、A非製造業は生産性が低いが、人びとの要求がある以上は成長に貢献するか否かにかかわらずサービスを提供するのが経済の務めだ−−」(日本経済新聞2006年5月7日朝刊「この一冊」)。 同紙大林尚編集委員による小峰隆夫法政大教授(元経企庁エコノミスト)『日本経済の構造変動』(岩波書店)の紹介文の冒頭である。大林委員は小峰説を「その思いを『経済はひとのためにあり、経済のためにひとがいるのではない』というメッセージに乗せて伝えようとする」と読み解く。 「大学は学生のためにあり、大学のために学生がいるのではない」と読み替えてみると、ドラッカーの非営利組織の目的と符合する。曰く「非営利機関は、人間変革機関である。その『製品』は、治療した患者、学ぶ子供、自尊心をもった成人となる若い男女、すなわち、変革された人間そのものである」と説き、「非営利機関は、人と社会の変革を目的としている。・・・非営利機関に対する最終的な評価は、使命の表現の美しさではなく、行動の適切さによるべき」と断じる。一方、企業の目的について、この経営学の泰斗は「顧客の創造」の一点とした。 これまでの大学はかつての製造業のように生産者発想に立ち、大学(=役員・教職員)都合で振る舞っていた。これは「大学のための学生がいる」ことに他ならない。多くの大学はまだこれに立脚しているように見受けられる。冷戦崩壊と情報革命という世界史的変化とほぼ時を同じくして、日本の大学は少子化の逆風に立ち向かっている。これは「大学は学生のためにある」姿に変える好機となりつつある。しかし、市場主義(学生確保)に傾くあまり、人間変革とは筋の異なる分野での学生サービスのみを充実させたり、また、顧客創造への皮相的対応のような学生募集サービスを行う大学も見られる。まさに学生迎合の発想である。 こうした2つの流れに対するいわば第3の立脚点として、FMICS は「学生同志時代」という「感字」を提示した。“大競争時代”、まして威信と資金の両面で国大法の下風に立つ私大には、ドラッカーのいう非営利機関と企業の両方の目的を見据えなければ、先達から託された大学の未来を後進につなぐことは到底不可能である。 ステークホルダーの人間変革と、さまざまな場面での社会変革の実現による永続的な顧客創造をどのように定着させるのか。学位授与権・免税特権・国庫補助の三大権を社会から付託された役割に真正面から立ち向かい、学生の人間変革を徹底させた大学だけが「活きのぼる」ことができる。 (坂田 範夫) FMICS 5月例会 (第521回例会)発表者の足立さんからのメッセージです。 ■企業の広報活動(ブランド経営)と比較しながら「大学のブランド力をどう向上させるか」ということについて、一般的な話をさせていただき、その中で、企業人から大学人になって感じたことについて2,3の事例をご紹介します。 ■現代は、「品質”パリティ(同等)”の時代」と言われ、機能面で見た品質は、企業間格差はほとんどありません。そこで、どの企業も「いかに顧客の期待以上のクオリティを持った製品を出せるか(感動させられるか)」が勝負となっています。一流といわれる企業は、創業者精神や基本理念を継承しながら、絶えず変革を促すことを止めません。 ■創業者精神は建学の精神にあたり、企業の基本理念は、大学のミッションにあたります。私たち大学人に最も欠けているのは、「自大学のブランド力向上は自分たちが担う」という当事者意識ではないでしょうか? 【日時】 2006年5月27日(土) 午後4時〜7時 【会場】 工学院大学新宿キャンパス 4階0477教室
【テーマ】 −企業人から大学人になって見えること−
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