過去のお知らせ一覧へ戻る


2006年9月のFMICS

  • 学校基本調査速報から考える(鳥居 聖)

  • 夢@図書館2006(山内 美智)

  •   FMICS9月例会 9月30日(土) 工学院大学:新宿

  •    FMICS・SD 9月21日(木) 工学院大学:新宿

  •  FMICS淵野辺SD 9月22日(金) 桜美林大学PFC:淵野辺

  • 会報 BIG EGG 発送 10月5日(木) 日能研ビル:恵比寿

  • 速報 10月のFMICS 10月21日(土) 工学院大学:新宿

  • 【ご案内】八王子セミナーハウス 第16回大学職員セミナー
     「激動の時代に輝く大学を創る」− 大学職員が担うべきこと−
     10月27日(金)〜28日(土) 詳細はこちら

  • 【会員著書案内】山本 眞一 編 詳細はこちら
     『SD(スタッフ・ディベロップメント)が支える強い大学づくり』



学校基本調査速報から考える

 8月中旬に平成18年学校基本調査速報が公表された。詳しく見てみよう。平成18年3月の高等学校卒業者数は117万2千人(前年より3万1千人減少)となっているが、大学(学部)・短期大学(本科)への入学志願者の比率(入学志願率)は57.4%(前年度比+1.5ポイント増)である。

 大学・短期大学進学者(過年度高卒者を含む)は52.3%(前年度比+0.8ポイント増)で4年連続して増加し過去最高となった。大学進学者(過年度高卒者を含む)だけでも45.5%(前年度比+1.3ポイント増)で3年連続して増加し過去最高となった。

 また、専門学校への進学者数を合計すると75.9%(前年度比△0.3ポイント減)となっている。

 なお、大学(学部)・短期大学(本科)の入学者数は69万4千人(前年度より9千人減少)となっている。このうち女子は33万人(前年度より3千人減少)となっているが、大学(学部)の入学者数は4千人増加(前年度比+1.5ポイント増)している。

 したがって、大学進学者数を押し上げているのは女子であることが分かったが、その動向は、全体像だけ見ていると見落としても全く気がつかない。

 また、平成18年3月の高等学校卒業者のうち都道府県別の大学等(大学学部、短期大学本科、通信教育部、別科、高等学校等専攻科)の進学率は、30%台−8、40%台−20、50%台−18、60%台−1 となっており、最大で27.7%の開きがある。さらに専修学校(専門課程)進学率を加えると、50%台−9、60%台−26、70%台−13 となっており、その差は21.2%に縮まる。因みに、高等学校卒業者の進学率だけで後者の率を上回っている都道府県は6ある。

 これだけ、都道府県により大学等への進学率に格差があるのに関係者以外に殆ど知られていない状況になっているのは何故なのであろうか。

 文部科学省は、国の責任により義務教育の結果の検証を行う観点から、全国的な子ども達の学力状況を把握する「全国学力・学習状況調査」を平成19年度から実施することになっている。しかし、高等学校は義務教育ではないので実施されない。

 1983(昭和58)年、レーガン政権のもとで、レポート「危機に立つ国家、A Nation at Risk」が刊行さた。その問題提起の一つに、大学入試委員会の進学適性テスト(SAT)の平均得点が、1963年から1980年まで一貫して低下していることが示されている。この時に見習うべきモデルとされたのが、日本の教育であった。当時、日本の中高生の学力は世界最高水準にあり、それに基づく高い技術力と労働者の質が、日本の経済的繁栄をもたらしていると見なされたので ある。

 少子化と進学率の向上という現状を正視する社会的状況を作り出す必要があるのではないか。

(鳥居 聖)



夢@図書館2006

「館内巡回で回ってみて学生の顔が見えた」
「自分が選んだ本を学生が手に取っていた」
「勉強やレポート書きだけじゃなく、癒しの場所になれたら」・・・

 去年夏の宿題で作った「夢@図書館」、今年版も課内メンバーの声が集まってきて、現在編集中です。

 きっかけは図書館館内に意見箱を設置したこと。どこの大学窓口でも頭を悩ましておられるであろう学生・教職員からの意見やクレーム、また直接間接に伝わってくる担当部署への悪評の類とは、図書館も無縁ではいられません。しかしその都度の対処に終わっており、問題を根本から解決してきたとは言いがたいものがあったのです。学内に先行例もあったことからついに昨年夏前、館内に意見箱を設置。すると、小さなことから大きなことまで、出てくるわ、出てくるわ。スタッフ一同覚悟?はしていたものの、相当ヘコみました。

 意見箱への意見・要望があって回答をしての繰り返しでしたが、そこに書かれていることは多少の誤解はあるにせよ、投書した人にとっては紛れもない事実。ことの重大さに打ちひしがれながらも、真摯に回答を続けるなかで、スタッフの意見も聞こうと思いつきました。出したテーマは至ってシンプルで、「あなたは、どんな図書館にしたいと思いますか」それが「夢@図書館」のスタートだったのです。

 昨年の個人レポートはどちらかといえば業務改善案が多く、「何々をしなければ」調の堅いものが散見されました。長い図書館の歴史の中でも(たぶん学内でも)そんなことを言い出すやつは初めてだし、そんなに言うなら取りあえず書いてみようかという雰囲気もなかったわけではありません。しかし、レポートを提出するだけでなく、それを課内に小冊子で公開したあたりからメンバーの雰囲気が変わってきた(ような気がする)のです。「言っちゃったし、何とかしなきゃ」とでもいうような。

 それから1年。実現した提案も、まだ宙ぶらりんの夢もあります。けれど、各人が口にした(この場合は文字にして表明した)ことで、自分の志向も、一緒に仕事をするメンバーの志向も、少し読み取れたのではないかと思います。口にすることはたやすいけれど、実行するのは難しい。けれど、やってみなきゃ、始まらない。たいへん初歩的な事例でお恥ずかしいのですが、100年以上の歴史と伝統を持つ本学図書館は、こうしてその歩みを新たにしたのだと思っています。

(山内 美智)



FMICS 9月例会  (第527回例会)

 「大学全入時代」が早まると言われています。いよいよ、国公私立大学のピンからキリまで全てのが生き馬の目を抜くようなバトルロイヤル的競争の渦中に放り込まれます。「大学倒産」という4文字が、こんなに早く、日常的なものになって、新聞紙上を賑わすとは想っても見ませんでした。

 これまでのように、限られたごく一部の専門家という名前の人たち(マネジメントのマも体感したことのない素人が専門家気取りをしているケースもすくなくありません)が大学経営を担うことでは、この激動の時代を乗り切ることはできなくなりました。大学は、持てる教育・経営資源を無駄なく最大限に活かすこと、すなわち組織を挙げた「総力戦」で勝つか負けるかの選択をしなければなりません。

 どんなにあなたが“WITHびと”を自認して学生さんのために頑張っても、その学生さん一人ひとりの経営的意味を数字で理解することができなければ“WITHびと”としては失格です。

 激動の時代の本物の職員は、自大学は勿論、競争相手の大学の開示された経営情報を読み切ることも必要になります。

 今月は、インターネット上に開示された会計情報の読み方、活かし方などについて、公認会計士のプロフェッショナルから指南してもらいます。数字に弱い方は勿論、プロを自認する方にもかなり効き目のある多くのヒントがあるものと期待さますす。なお、大学の数字を読むことのシリーズとして10月例会と併せてご参加されますことをお薦めいたします。

【日時】 2006年9月30日(土) 午後4時〜6時30分

【会場】  工学院大学新宿キャンパス 4階0477教室

  • 地下1階から高層棟エレベーターで2階まで上がり、さらに階段で4階まで上がってください。中扉を通り抜けて、一番手前のゼミ室が会場です。

【テーマ】 大学競争時代を活きるための原理原則を学ぶ
       検証 開示情報をいかに読みこなすか

【発表者】 公認会計士 高橋 真則

【参加費】 会員:1,000円 学生:500円 非会員:1,500円

【申込先】 高橋 真義(桜美林大学) mail@fmics.org



FMICS Staff Development 180

●FMICS Staff Development 略して 「SD」は、月例会とは別に、平日の夜に開催されているゼミナール型の勉強会です。超競争時代をしたたかに活き抜くためにも、大学人一人ひとりの努力をキリキリと束ねなければなりません。そんなことを具現化する場です

(1)メディアチェック
 あなたのアンテナが何かを感じた新聞・雑誌等の教育&経済トピックスを、切り抜いて持ちよりディスカッションします。トピックスは厳選して1件、A4縦判にコピー(10枚程度)して、氏名と簡単なMEMOを付してご持参ください。各自5分間程度のコメントをしていただきます。

(2)テーマを定めた継続的な勉強会
 2005年12月より、池田憲彦さんの新刊 『近代日本の大学人に見る世界認識』 (自由社 \3,600)をテキストにしています。

【日時】 2006年9月21日(木) 午後6時30分〜8時30分
        その後は、10月26日(木)の予定です。

【会場】  工学院大学新宿キャンパス 高層棟27階 2710ゼミ室

【テーマ】 近代日本の大学人に見る世界認識 −10−

【参加費】 会員:500円 学生:300円 非会員:1000円

【申込先】 高橋 真義(桜美林大学) mail@fmics.org



FMICS 淵野辺 Staff Development 18

●ゼミナール型勉強会「SD」の首都圏西部地区版。若手を中心に盛り上がっています。この勉強会の原理は極めてシンプルです。参加者が何か1品、ネタを持ち寄り、みんなで議論します。●ネタは、新聞・雑誌記事、業務関連の資料、進めている仕事のアイデア・企画等々、何でも構いません。ちょっとしたものでも思いがけない発見があるものです。●資料は8部程度お持ちください。

【日時】 2006年9月22日(金) 午後7時〜8時30分+懇親会

【会場】 桜美林大学PFC 3階 P303教室

【申込先】 鳥居 聖(桜美林大学) pfc-sd@fmics.org



10月の会報『BIG EGG』発送作業

●FMICSの運営は、会員のボランティア作業によって支えられています。毎月の会報の発送作業も、その大切な活動の1つです。早い人はお昼過ぎから作業を開始し、夕方になると職場から一人また一人とメンバーが駆けつけます。

●ワイワイガヤガヤと近況報告を兼ねての楽しい時間は、美味しい中華料理屋での食事会へと引きつがれ、例会などのアイデアの多くが、ここで生まれます。例会とは一味違ったFMICSの活動に、皆さまのご協力をお待ちしております。

【日時】 2006年10月5日(木) 午後3時〜6時〜9時+食事会

【会場】 日能研 恵比寿ビル

初めて参加される方は、 mail@fmics.org までご一報ください。当日の連絡先等詳細をお知らせいたします。


速報 10月のFMICS

 大学倒産時代を迎え何が起こるかと言えば、大学会計原則が大きく企業会計原則に近づく事だと思います。社会的な見地からすれば大学倒産の及ぼす影響は非常に大きい。特に独立行政法人化した国立大学の地方校がひとつでも倒産するとそれが何故予知できなかったかが問題になります。子供を大学に通わせている親から見れば、上場会社の株式に投資をしている事と気分は変わらないと思います。投資するときに開示されている情報すなわちディスクロージャーがポイントになります。その観点からすると大学の情報発信は非常に悪いと言えます。まずはつぶれた原因となる財務問題がクローズアップされるのは必然でしょう。結局放漫経営はすなわち放漫会計の付けでありそれを許す会計原則の問題に帰着するからです。大学教授や大学経営者の給与も当然業績に依存するようになるでしょう。

 次に問題なのは、真の意味での大学のIR活動がまるでなされていない事です。入学試験時期だけであり、日ごろの活動がなされていないように見えます。すべての大学が東大や早稲田になれるものではないし、インターネットの力を借りれば日本に居ながら海外大学に入学する事も可能になりました。市場が成熟して崩壊した80年代後半の経済状態が今の大学を取り巻く環境に近いように思います。現代を見る目が大学人に最も必要な事ではないでしょうか。人が居なければ採ってくることが出来ますし、海外の大学で上場している大学に財務問題のプロを派遣して学ばせる事も必要です。なにが必要で何が不要かという取捨選択が大学経営陣に決定的に欠けているように思います。慶応がやるからうちもやるでは現代は生き残れません。大学におけるニッチを探してそれを地方でいかに実践するかと考えれば、地域との関係を新たに築くしかありません。大学教授は地元の企業経営者と親しく付き合っているのでしょうか

【日時】 2006年10月21日(土) 午後4時〜6時30分

【会場】  工学院大学新宿キャンパス (予定)

【テーマ】 大学競争時代を活きるための原理原則を学ぶ
       企業倒産と大学倒産 その違いを検証する
       アナリスト・社会人・企業人の眼から
       投資としての教育を読む

【発表者】 プロテック代表取締役社長 勝丸 幹也

《参考サイト》