過去のお知らせ一覧へ戻る2007年1月のFMICS
理事会の運営について考える平成19年度の開設予定大学等についての大学設置・学校法人審議会の答申が11月に行われた。大学設置基準の準則化に伴い、審査の透明性を図る観点から留意事項も併せて公表されている。 今回その中で注目すべき記述があった。 「決算に関する理事会及び評議員会の運営を適切に行うこと。」 今回の答申のあった49大学・短期大学のうち、この留意事項が付された大学・短期大学は24校に上った。つまり、2校に1校がこの留意事項を付されたのである。 近年この様な留意事項を付された大学は殆ど無かったはずである。何故このような留意事項が付されたのか。 その鍵を解くためには、改正された私立学校法を見てみる必要がある。 「第四十六条(評議員会に対する決算等の報告)理事長は、毎会計年度終了後二月以内に、決算及び事業の実績を評議員会に報告し、その意見を求めなければならない。」 附則には、「この新法第四十六条の規定は、平成16年4月1日以後に始まる会計年度に係る決算及び事業の実績について適用する。」とある。 つまり、決算における理事会、評議員会、監事監査報告書及び公認会計士監査報告書についての手続き関係は、次のように取り進める必要があるということである。 「監事監査報告書→理事会→評議会→財務関係書類の備付け→公認会計士の監査報告書」となる。 なお、予め各学校法人の寄附行為で、「あらかじめ、評議員会の意見を聞かなければならない。」と規定されている場合は、評議員会→理事会という手続きとなる。 改正された第四十六条については、「事業の実績」という文言が追加され言い回しを整えたのである。 では、何故このような時期に今更のような事が行われたのであろうか。 話の発端が、今回の大学設置・学校法人審議会の答申に先立ち、ある大学が大学の設置申請を取り下げた事にあるのは自明であろう。 新聞報道によると、理事会の議事録で退任した理事2人の名前があるなどしたため、文科省が「虚偽記載」と指摘したという。 大学設置・学校法人審議会は、当該法人から提出されている理事会議事録、評議員会議事録を精査した結果、問題有りと分かったので、改めて、各法人から提出された理事会議事録、評議員会議事録を点検し、更に私立学校法及び当該法人の寄附行為に則った法人運営がなされているかどうかを再度確認したことは間違いのないところであろう。 その結果、理事長は予算の場合とは異なり、理事会で議決した決算を評議会に報告し意見を求める事になっているが、実際には予算と同様の手続きを取っていたことが判明したのであった。だからこそ、今回のような留意事項と相成ったのである。 (鳥居 聖) 司法試験と法科大学院自民党の「法曹養成・法曹教育及び資格試験のあり方に関する小委員会」を傍聴し続けている。法曹養成制度のあり方と法科大学院制度の今後について、議員や関係省庁、関係団体の出席者が議論を展開し、司法制度調査会に対する提言を取りまとめようとしている。 委員会では法科大学院修了者の司法試験の結果に大学間で大きく差がある事が論点の一つとなった。一部の大学院で厳格な成績評価と終了認定が不十分であり、指導を徹底すべきとの指摘である。既習者の結果のみで判断をするのは早計だが、「成果の出せない教育機関は退場せよ」との発言が大勢を占めた。高等教育において競争で学校が淘汰されるべきとの論はもはや疑問の余地がない。 ある有名私大の総長と懇談をしていた際に、おもむろに「ところで、あなた方から見てうちの大学の強みと弱みは何ですか?」との質問を受けた。教育研究の両面で知られるその大学総長は話し続ける。「大学と言う組織は学部単位の合議制。学部間の思惑とか駆引きが優先して全学としてのイメージが掴みにくい。一般社会からの評価(強み)を把握する事が一つの成果であり、学校が一丸となって競合から勝ち抜ける近道だと思う。」 後日、中規模大学での職員との会話。総務部長が真剣な顔で「ここ数年で驚くほどに学生の質が落ちた。1回の試験で受験勉強もしない高校生が入学してきている。リメディアル教育といったレベルを超えている」と嘆く。教学系課長は「学生は論文提出でGoogleやYahooをキーワード検索。ヒットした文書を適当にカット&ペーストして出してくる。論文を頭から読み直すことすらしないから論文になっていないし、一貫した論理の展開などない。」出口の見えないトンネルで戸惑う。 大学間で抱える課題は千差万別。目指す目標も異なるが、厳格な成績評価と終了認定に耐えられる教育の質の維持は必須であろう。 そもそも学校経営が苦しくなろうとも学力レベルの達していない学生を大学に入れていること自体が間違えている。 「結果として司法試験に合格しなかった者でも法科大学院で学んだ事を社会で生かせるようにしていくべき」冒頭の小委員会提言で確認された。 (紀伊国屋書店:中馬 雅宏) FMICS 1月例会 (第534回例会)●大学淘汰の時代を活き抜くために、教員と学生の可能性を伸ばすためのプロデューサーとしての役割を担う新しい職員の登場がいよいよ求められています。学生さんは大学にとって資源であり、資産であるという新しい発想を徹底できない大学は、戦いの場から去ることになります。●今年の新春合宿例会のオリエンテーションは、FMICS 誕生27年目にして初めての企画となります。今、元気元気元気な女子大学をベンチマークします。そして、葉山では、「大学学生教員職員三輪車論」の確認と、学生サービスについての原理原則について考えます。平成19年度の FMICS のワクワクドキドキアクションプランもしっかりと練り上げます。「100人BOOK」を読み上げる新しいカタチのSDをスタートさせます。このSDの企画も考えます●合宿の反省会は、海辺の素敵な喫茶店(パティスリー ラ・マーレ・ド・チャヤ 葉山本店)の美味しいコーヒーとケーキで行います。● FMICS らしさを十二分に体感できる新春合宿例会は、通称「こたつ合宿例会」とも言われています。お仲間をお誘いの上ご参加下さい。昼、夜プロのみの部分参加も大歓迎いたします。 【日時】 2007年2月3日(土)〜4日(日)
【テーマ】 元気元気元気な大学のアクションプラン
【プログラム】
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2月3日(土) | |
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13:00 |
「元気元気元気な女子大学の明日を語る」 お茶の水女子大学 荒井 聡子清泉女子大学 河野 香織 東京家政大学 仲谷 ちはる 日本女子大学 比留間 千秋 司会 文教大学 米田 敬子 |
15:00 | 合宿FMICS葉山会場へ移動 |
18:00 | 夕食&懇親会 |
21:00 | 点検 FMICS 2007 アクションプラン |
22:00 | 全員参加で、新しい学生を活かすための学生サービスを考えます |
2月4日(日) | |
2:00 | 朝までフリートーク |
8:00 | 朝食 |
9:00 | 総括 |
10:00 | 優雅な反省会 パティスリー ラ・マーレ・ド・チャヤ 葉山本店 |
オリエンテーション: | 会員1,000円 / 学生500円 / 非会員1,500円 |
合宿FMICS: | 懇親会&宿泊10,000円 / 懇親会のみ日帰り6,000円 |
【参加条件】
フルタイムの合宿FMICS参加者には、@学生のための学生サービスのカタチのアイデアをA4判一枚程度にまとめて15部ご持参ください。A自己申告時間10分間以内でアッピールしていただきますのでご用意をしておいて下さい。B800字程度で“MY FMICS”(感想文)を書いて頂きます。あわただしくて申し訳ありませんが、提出期限は2月6日(月)といたします。C点検「FMICS 2007 アクションプラン」では、今年一年間の活動企画・ワクワクドキドキプログラムを考えていただきます。
【申込先】 1月29日(月)までに、坂田 範夫 kintoki(アットマーク)tamajs.chuo-u.ac.jp までお申し込み下さい。
*例会中の連絡先: 090-4715-4607 高橋 真義
●YFN・めやっとかめやなもFMICS名古屋の新春1月例会は、今、売り出し中の中京大学企画部長の鏡味徹也さんに登場いただきます。イギリスの大学の学生サービスについてのホットな情報は大いに参考になります。●例会は1月中旬を予定していますが、日程調整中です。日時・会場につきましては、林までご確認ください。決定次第ご案内いたします
【日時】 2007年1月?日(?)
【会場】 ?
【発表者】 中京大学企画部長 鏡味 徹也
【申込&問い合わせ先】 高等教育問題研究会名古屋支部事務局
林 憲和 (岐阜聖徳学園大学 総合企画課 058-279-6710)
nhayashi(アットマーク)ha.shotoku.ac.jp
■FMICS Staff Development 略して 「SD」は、月例会とは別に、平日の水曜の夜に開催されているゼミナール型の勉強会です。
■あなたのアンテナが何かを感じた新聞・雑誌等の教育&経済トピックスを、切り抜いて持ちよりディスカッションします。トピックスは厳選して1件、A4縦判にコピー(10枚程度)して、氏名と簡単なMEMOを付してご持参ください。各自5分間程度のコメントをしていただきます。
【日時】 2007年1月18日(木) 午後6時30分〜8時30分
【会場】 工学院大学新宿キャンパス 高層棟27階 応接室(2743号室)
【参加費】 会員:500円 学生:300円 非会員:1000円
【申込先】 高橋 真義(桜美林大学) mail2007(アットマーク)fmics.org
●ゼミナール型勉強会「SD」の首都圏西部地区版。若手を中心に盛り上がっています。この勉強会の原理は極めてシンプルです。参加者が何か1品、ネタを持ち寄り、みんなで議論します。●ネタは、新聞・雑誌記事、業務関連の資料、進めている仕事のアイデア・企画等々、何でも構いません。ちょっとしたものでも思いがけない発見があるものです。●資料は8部程度お持ちください。
【日時】 2007年1月26日(金) 午後7時〜8時30分+懇親会
*その後は、2月16日(金)、3月20日(火)を予定
【会場】 桜美林大学PFC 3階 P303教室
【申込先】 pfc-sd2007(アットマーク)fmics.org (鳥居@桜美林学園 & 出光@横浜市立大学)
●FMICSの運営は、会員のボランティア作業によって支えられています。毎月の会報の発送作業も、その大切な活動の1つです。早い人はお昼過ぎから作業を開始し、夕方になると職場から一人また一人とメンバーが駆けつけます。
●ワイワイガヤガヤと近況報告を兼ねての楽しい時間は、美味しい中華料理屋での食事会へと引きつがれ、例会などのアイデアの多くが、この瞬間に生まれます。例会とは一味違ったFMICSの活動に、皆さまのご参加をお待ちしております。
【日時】 2007年2月8日(木) 午後6時〜9時+食事会
【会場】 日能研 恵比寿ビル
初めて参加される方は、 mail2007(アットマーク)fmics.org (高橋真義)までご一報ください。当日の連絡先等詳細をお知らせいたします。
【日時】 2006年2月17日(土)
●1990年にFIMCSが総力を挙げて世の中に問うた『100人BOOK』は、今、読んでも新しいのです。これから毎月、読みこなしていきます。