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2007年3月のFMICS

  • 時代の変遷(鳥居 聖)

  • 私の修士論文考(浅沼 雅行)

  • 関西FMICS3月例会 3月17日(土)〜18日(日) 大谷大学湖西キャンパス

  •    FMICS・SD 3月15日(木) 工学院大学:新宿

  •  FMICS淵野辺SD 3月20日(火) 桜美林大学PFC:淵野辺

  • 会報 BIG EGG 発送 4月5日(木) 日能研ビル:恵比寿

  • 速報 4月のFMICS 4月21日(土) 工学院大学:新宿




時代の変遷

 2月2日に文化庁から「敬語の指針(文化審議会答申)」が公表された。

 この答申のための分科会は6回、小委員会等は54回も審議が重ねられていた。

 従来3種類に分けられていた敬語を、謙譲語を謙譲語T、謙譲語U(丁重語)の2つに分け、丁寧語を丁寧語、美化語の2つに分け、5種類に分けようという内容であった。

 この指針の性格としては、「敬語が必要だと感じているけれど、現実の運用に際しては困難を感じている人たちが多い。敬語の基本的な考え方や具体的な使い方を示すもの」とされている。

 内容について掻い摘んで見てみたい。

 敬語とは、人が言葉を用いて自らの意志や感情を人に伝える際に、単にその内容を表現するだけでなく、相手や周囲の人と、自らとの人間関係・社会関係についての気持ちの在り方を表現するというものである。また、言葉を変えて言うならば、話し手あるいは書き手がその場の人間関係や状況をどのようにとらえているかを表現するものであると言うこともできる。

 留意しなければならないのは、敬語を用いれば、話し手が意図するか否かにかかわらず、その敬語の表現する人間関係が表現されることになり、逆に、敬語を用いなければ、用いたときとは異なる人間関係が表現されることになる。

 社会生活や人間関係の多様化が深まる日本社会において、人と人が言語コミュニケーションを円滑に行い、確かな人間関係を築いていくために、現在も、また将来にわたっても敬語の重要性は変わらないと認識することが必要である。

 敬語も固定的・絶対的なものとしてではなく、年齢の違い、経験等の違い、社会集団の中での立場の違いや階層などを起因とする使い分けが存在し、これらに基づいた様々な「上下」の関係が意識されるものであることを前提とした上で、人と人とが相互に尊重し合う人間関係を反映した相互的・相対的なものとして定着してきている。

 さて、敬語の使われ方について乱れが言われているが、言葉の乱れも相当なものであると感じているのは私だけではないであろう。

 「ら抜き言葉」、「全然+肯定形」、「半疑問イントネーション」、「〜じゃないですか」などは今や日常茶飯事で使われている。特に、若い世代では、それがあたかも正しい使われ方であると思われているに違いない。

 確かに、時代の変遷とともに言葉の使い方の変化、文法の「ゆれ」は致し方ないのかもしれない。だからといって誤用を正当化することはできないはずである。

 正しい使い方・やり方は知っているが、違う手段・方法を駆使した方が世間に受け入れやすくなるなら実施してみる価値は十分にあると考えられている。

 教育にしてもしかり、学問体系での学びをするのか、実務を通して学びをするのか。ゴールが同じであるならば、個性にあった学びでよいのではないか。

(鳥居 聖)



私の修士論文考

 お陰様で昨年9月に桜美林大学大学院を無事修了することができた。個人的なことで恐縮だが、これをネタに私の思いを書かせていただきたい。

 修士論文では、職員の自律的なキャリア形成を取り扱い、私立大学職員を今後どのようにプロフェショナル化するかを、組織戦略(主に人事戦略)とキャリア形成のための具体的なモデル作りという面から考えた内容になった。この論文に手をつけてみて、私が得たものは次のことだ。

  1. 書くことが自由になった。

     この裏巻頭でも何回か書かせてもらったが、元来あまり書くことが得意な方ではない。どちらかといえばかなり直感的な人間だった。今は書くことがほんとうに楽になった。

  2. 世界が広がった。

     論文を書くことは、自分に正確にそして深く考えて書くことが求められた。このため、深く調べることが必要で、それはとても自分の世界を広げてくれた。

  3. 自分が一体何をしたいのかが分かった。

     何度も思考する過程で、自分の興味、疑問、そして寺崎先生がいう「怒り」の部分が、自分の中で本当に掴めてきた。

  4. 今後の課題が見えた。

     できた論文はほんの50ページほどのものだ。しかし、何度も読み返し、多くの人から感想を伺うと、なんとも自分の足りないものが明らかになってきた。ベースとなる経営学等の本(組織行動論,人的資源管理,組織戦略論、キャリア論、心理学、大学史など)の精読、論文内容の経営学からみた再構築、英文シャーナルの読みこなし、仮説から検証を起こすための統計手法の把握などやらなければならないことが山積みとなった。

 書き終わってみると、自分のキャリア・デザインのために、今が大いに根を張る時期に来ていることを強く感じている。

 キャリア・デザインは、節目々々に真剣に取り組むものだという理論を金井壽宏氏(「働くひとのためのキャリア・デザイン」PHP新書)が書いている。だとすれば、私にとっては修士論文の作成がとてもいいキャリア・デザインのきっかけになったように感じる。また、不思議なことに論文修了と同時に中高事務室の管理職になったことが「業務視野の拡大」という大きなプレゼントを私にあたえてくれた。

 大学院修了後、いろんな方と相談をしているうちに、ある方のはからいで博士課程(ドクター)への道が見えてきた。今はそのための準備を行っている。そして、5年後にFMICSと出会って10年経ったときには、とても深いもの(根)を体に刻み込みもっと自由に働き、若いこれからの後輩達に職員としての新たな道(モデル)を提供できるよう、どっしりとした歩みを行おうと心に決めている。

(成蹊中学高等学校事務室 浅沼 雅行)



ご案内1 関西FMICS3月例会
FMICS FORUM IN KYOTO
(第536回例会)

●FMICSの3月は、恒例の関西FORUMです。今年もFORUMの会場は琵琶湖畔です。最初から最後までオールナイトFMICS仕立てでお贈りします。●18歳人口が減少すれば、経営戦略の潮目も変わる。GP、イニシアティヴ、グローバルCOEと、大学を競争に駆り立てる要因は増えるばかりです。「優勝劣敗」という言葉があるが、現実は「勝優敗劣」と言うべき、ハイテンションな状況にもなってきました。●かつては、企業に批判的だった大学人も、「倣え」とばかりに、合理化、人減らし、組織改革や人事制度改革にも取り組むようになりました。●この変化は、大学に明るい未来をもたらすのか、それとも異なる未来に誘うのだろうか。●改革にせよ、新しい価値の創出にせよ、つくり出すのは「人」、そして「組織」だ。たたかう人、たたかう組織を育て上げるために、あつい汗をかき、血を流すチャレンジ人を検証する。それが関西FORUMのテーマです。●そして、大学職員論と大学組織論の主語に「私」を置くFMICS流で、ワイワイガヤガヤと検証していきます。そう、今回のFORUMは、参加者ひとりひとりの汗と血も検証したい。あなたの元気と勇気はどんなものですか。あったかさを自己表現してください。「人育て」ならぬ「人育ち」を検証しよう。●オールナイトFMICSは、恒例の全員発表(10分以内)です。そして、限定2名の20分プレゼンも恒例です。●琵琶湖の春は、ワイワイガヤガヤFORUMからスタートします。ぜひご参加下さい。

【日程】  2007年3月17日(土)〜18日(日)

【会場】 大谷大学 湖西キャンパス・セミナーハウス
     滋賀県大津市雄琴3丁目33−3  電話:077-578-6600

    《 交通案内 》
     JR京都駅にて湖西線<普通>に乗車、雄琴駅下車 徒歩10分。または、雄琴駅から江若バス 仰木の里線(内廻り)に乗車「大谷大学グラウンド前」下車すぐ。
     湖西線は京都発13:26発、13:41発に乗車すると便利です。

【テーマ】 21世紀の大学のカタチ
        たたかう人=組織を育てる

【プログラム】
14:00受付開始
14:30第1部開会
    司会 滝川 義弘(大谷大学 教育研究支援部)
14:50Presentation 1
    福岡 正蔵さん (京都精華大学広報部長)
15:50Presentation 2
    片桐 美津子さん (株式会社ダイモス 代表取締役)
17:00Presentation 3
    足立 寛さん (立教大学大学教育開発・支援センター調査役・中央大学客員教授)
18:10Discussion
18:40第1部総括
    志垣 陽(立命館 教育文化事業部次長)
18:50第1部閉会
19:00懇親会
21:00第2部 All Night FMICS
    【全員発表】元気と勇気とあったかさの自己表現
24:00Discussion
26:00All Night FMICS終了
31:00起床&朝食
32:30総括
34:00FMICS FORUM in KYOTO 終了 解散

【参加費】 FORUM:2000円 懇親会:5000円 オールナイト:4000円

【お願い】
 オールナイトFMICSで20分間のプレゼンテーションのほか、恒例の全員発表(10分間程度)を行います。テーマは自由。レジュメ(A4用紙1枚)を用意して参加してください。

【申し込み・お問い合わせ】
   滝川 義弘(大谷大学 教育研究支援部 075-411-8458)
   tacky(アットマーク)sec.otani.ac.jp



FMICS Staff Development 186

■FMICS Staff Development 略して 「SD」は、月例会とは別に、平日の夜に開催されているゼミナール型の勉強会です。

■あなたのアンテナが何かを感じた新聞・雑誌等の教育&経済トピックスを、切り抜いて持ちよりディスカッションします。トピックスは厳選して1件、A4縦判にコピー(10枚程度)して、氏名と簡単なMEMOを付してご持参ください。各自5分間程度のコメントをしていただきます。

【日時】 2007年3月15日(木) 午後6時30分〜8時30分

【会場】  工学院大学新宿キャンパス 高層棟27階 応接室(2743号室) 2710号室

【テーマ】 近代日本の大学人に見る世界認識 −16−

【参加費】 会員:500円 学生:300円 非会員:1000円

【申込先】 高橋 真義(桜美林大学) mail2007(アットマーク)fmics.org



FMICS 淵野辺 Staff Development 24

●ゼミナール型勉強会「SD」の首都圏西部地区版。若手を中心に盛り上がっています。この勉強会の原理は極めてシンプルです。参加者が何か1品、ネタを持ち寄り、みんなで議論します。●ネタは、新聞・雑誌記事、業務関連の資料、進めている仕事のアイデア・企画等々、何でも構いません。ちょっとした事でも、他人の目に触れることにより思いがけない発見があるものです。初めて参加される方は、単に自己紹介だけでもOKです。●資料は8部程度お持ちください。

【日時】 2007年3月20日(火) 午後7時〜8時30分+懇親会
      *今月は火曜日となります。以後、4月20日(金)、5月18日(金)の予定。

【会場】 桜美林大学PFC 3階 P303教室

【申込先】 pfc-sd2007(アットマーク)fmics.org (鳥居@桜美林学園 & 出光@横浜市立大学)



会報『BIG EGG』4月号 発送作業

●FMICSの運営は、会員のボランティア作業によって支えられています。毎月の会報の発送作業も、その大切な活動の1つです。早い人はお昼過ぎから作業を開始し、夕方になると職場から一人また一人とメンバーが駆けつけます。

●ワイワイガヤガヤと近況報告を兼ねての楽しい時間は、美味しい中華料理屋での食事会へと引きつがれ、例会などのアイデアの多くが、この瞬間に生まれます。例会とは一味違ったFMICSの活動に、皆さまのご参加をお待ちしております。

【日時】 2007年4月5日(木) 午後6時〜9時+食事会

【会場】 日能研 恵比寿ビル

初めて参加される方は、 mail2007(アットマーク)fmics.org (高橋真義)までご一報ください。当日の連絡先等詳細をお知らせいたします。


速報 4月のFMICS

『FMICS100人BOOK』を読むシリーズ第1回目の4月例会は、FMICSが「まずはじめよう会」という名前の時からのメンバーに、当時の職員論と現在の職員論の違いを語っていただき、時代に流されない職員の原理原則を検証いたします。若手職員をお誘い合わせください。

【日時】 2007年4月21日(土) 午後4時〜6時30分

【会場】  工学院大学新宿キャンパス(予定)

【テーマ】 激動の時代の大学職員の原理原則を考える
       20年たっての大学職員論

【発表者】獨協大学外国語教育研究所吉田 千春
日本私学振興・共済事業団比留間 進
NPO法人 学校経理研究会矢島 美知子