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2007年4月のFMICS

  • 国立大も志願倍率低下に危機感(鳥居 聖)

  • 大学の財産(河野 香織)

  •   FMICS4月例会 4月21日(土) 工学院大学:新宿

  •    YFN4月例会 4月26日(木) 同朋大学:名古屋

  •    FMICS・SD 4月19日(木) 工学院大学:新宿

  •  FMICS淵野辺SD 4月20日(金) 桜美林大学PFC:淵野辺

  • 会報 BIG EGG 発送 5月10日(木) 日能研ビル:恵比寿

  • 速報 4月のFMICS 5月19日(土) 工学院大学:新宿

  • FMICS SYMPOSIUM 7月7日(土)〜8日(日) 新宿&千駄ヶ谷
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国立大も志願倍率低下に危機感

 先月中旬、「志願倍率の低下が続く国立Y大は、『入試緊急対策本部』を設置し、受験生の確保策を本腰を入れて進めることを決めた。」との新聞報道があった。

 戦後、各県内に設置されていた旧制大学・専門学校・師範学校などが1つの国立大学に統合された。しかし入試に関しては、各学部で独自の取り組みが成されていたので、大学が一丸となってこのような打開策を取ることとなったのは法人化によるものと考えられる。

 ここで、同大学の状況が特異な状況かどうかを確認するため、同大学のある近隣の県の大学進学率の状況を平成18年度学校基本調査で調べてみた。

A県B県C県D県E県
県内高校卒業者数5,240人4,078人4,962人4,820人8,492人
大学進学率38.2%41.1%42.5%37.2%38.5%
県内大学入学者数3,245人1,985人2,640人2,445人7,557人
県内の高校出身者数1,753人920人927人1,151人1,673人
県内進学率33.5%22.6%18.7%23.9%19.7%
国立大学入学定員1,350人951人1,730人1,105人945人

 Y大学のあるC県の大学進学率は42.5%であり、近県の進学率よりも高い。しかしながら、県内大学への進学率は18.7%と5県の中で一番低い割合となっていた。つまり、他県にある大学に進学する者が多いことが明らかとなった。

 県内に適切な志望校がないのか、適切な志望校が無いと思っているのかは、この数字だけでは読みとれない。

 次にこの5県にある国立大学の受験者数を平成14年度から調べてみた。(文部科学省HPより)

H大I大A大Y大F大
H14年度5,135人3,630人2,934人7,302人3,506人
H15年度5,140人3,368人3,291人6,718人3,479人
H16年度4,279人3,416人3,357人5,507人3,523人
H17年度4,632人2,584人2,895人5,574人3,240人
H18年度3,888人2,889人2,656人5,475人2,659人

 確かに、Y大学はこの5年間で約2千人の受験生を減らしているが、他の4大学に比べて極端に悪い数字ではない。全国の私立大学の4割が入学定員割れを起こしている状況下では、入学定員の3倍も受験生を確保している現状を見ると、危機感という言葉は思惑先行という気がしている。

 しかしながら、地方国立大学の使命の一つは地域貢献であることは異論がないところである。

 受験倍率が高いことだけが最善ではないはずであり、いわゆるミスマッチが起きないことが最適であるべきであると考えている。

 したがって推薦入学の一形態として地域枠を拡充することは正に理にかなった施策であるが、取り入れている大学はまだ少ない状況である。

 地域社会と如何に共生していくのか、次期中期計画の策定は目の前に迫っている。

(鳥居 聖)



大学の財産

 入学式も無事終わり、学生たちが溢れてキャンパスに活気が戻ってきた。毎年清泉女子大学1年生の必修科目「共通基礎演習」のなかで行われるSHINGI式自己表現・評価トレーニングは、今年で3年目を迎える。教職員で運営し、上級生のサポーター(「小さなファシリテーター」と呼んでいる)が1年生のトレーニングの手助けをする。まさに教員、職員、学生が一緒になって創る授業だ。

 高橋真義さんがプロデュースしてくださった今年のテーマは「挨拶」。「ありがとうボード」で演出する。「ありがとうボード」とは、首かけボード(大きな名札)の裏側に挨拶をした回数を毎日書き込むようにしたもののこと。おはよう、こんにちは、ありがとう・・・、「挨拶」とは基本的な自己表現、「ありがとうボード」は言葉の発信簿と捉えている。

 3月29日、満開の桜が咲き誇るお庭を眺めながら、学生サポーターたちと一緒に「ありがとうボード」を作成した。1年生全員分500枚。和気藹々、わいわいがやがや、それは楽しい時間だった。「がんばりました!」作業を終えた一人一人から満面の笑みがこぼれた。一緒に手を動かすことによって、サポーター同士、そして私たち職員との仲間意識が芽生え、連帯感が強まったように思う。

 ファシリテーター2年目、就職活動真っ只中の新4年生がこんなことを言った。「先生方、職員の方、私たち学生が一緒になって創り上げる授業。みんなも小さなファシリテーターを体感することによって、実は自分自身がたくさんのことを学べることを実感するはず。1年生からいっぱい元気をもらってね!」新2年生がそれに応える。「昨年の4月、入学直後で緊張していたんですけど、先輩がいてくれたおかげでトレーニングを楽しむことができました。恩を仇で返したくなかったので、今年小さなファシリテーターに応募したんです。」この授業を通して、確実に上級生と下級生の「つながり」が生まれている。

 「清泉女子大学の学生はさわやかな挨拶ができますね」という伝説を創り伝統にすることが大学の文化を創ることになる。学生たちは、挨拶を通じてコミュニケーションは決してむずかしくない、との自覚と自信を持つことができると確信している。さわやかな挨拶で地域を巻き込んで、品川・五反田の街を清泉の新しいキャンパスにしてしまう。「つながり」は地域へ広がっていく。

 学生は資産。この授業は上級生サポーターがいないと成り立たない。サポーターたちの笑顔は清泉女子大学の財産だ。この財産を束ねて大学を変える力にしていくのが私たち職員の使命である。いよいよ新学期が始まる。学生たちと共に「伝説」を創り上げていけることに心から感謝したい。

(清泉女子大学就職課 河野 香織)



ご案内1 FMICS 4月例会(第538回例会)

■高等教育問題研究会FMICSはこの3月14日で27年目のスタートを切りました。

 『FMICS100人BOOK』を読むシリーズ第1回目の4月例会は、高等教育問題研究会FMICSの前身である「まずはじめよう会」の時からのメンバーに登場いただきます。

 「まずじめよう会」創会当時の初発の原像である「少しでも大学を良くしたい」とい原点に立ち、27年前の当時の職員論と現在の職員論の違いを語っていただき、明日がますます見えにくくなる時代の大学職員、学問としての大学職員論を論じることではなく、可能性の塊の学生さんを支援する役割を堂々と担う行動的職員のあるべきカタチについて、皆さまとホンネで語り合うことといたします。特に、大学の明日を担う若手職員の皆さまのご参加を歓迎いたします。皆さまには、積極的に「一緒に行こう」という一言をお掛けくださいますようお願いいたします。今回の『FMICS100人BOOK』を読み込むことにあたっては、お叱りを受けることを承知の上で、この2月例会案内を原文のまま再掲させていただきます。

☆☆☆

■不易流行。1990年10月1日発行の『FMICS100人BOOK』は、タイトルを『高等教育ディスカッションガイド』と銘打っています。@高等教育にはいったいのような分野があって、Aその分野にはいったいどのような問題があり、Bそしてそこではどのような議論がなされているのか、などについて案内する「ディスカッションガイド」を創りたかったのです。目次は、各章にガイド」を創りたかったのです。目次は、各章に対して Chapter という用語を使わずに、 Fusion を用いています。すでに鬼籍に入られた佐藤朔先生、冨子勝久先生、高鳥正夫先生をはじめ著名な先生から現場の若手職員まで、職場やキャリアなどを異にする100人の執筆者が「異質の統合」「異質の融合」というチェーンでつながっています。●今でこそ、大学職員は、輝く個性ある大学を創るための重要な責務を担う存在ですが、当時はまだまだ二級市民としてしか認められていませんでした。高等教育問題研究会FMICSの原点である「まずはじめよう会」の初発の原像は「少しでも大学を良くしたいと願う人財を束ねよう」「大学職員文化を創ろう」という THINK BIG なものでした。活動を続けて10年が経ち、沸々と束ねられた想いが『FMICS100人BOOK』という本になりました。●目標の執筆者数を100人としたものの無謀ともいえるものでした。なかなか集まらずに弱気になる高橋に、吉川編集長は、「ここまで来たからには、絶対に100人を目指しましょう」と踏ん張ってくださいました。怖いもの知らず、若さの可能性は小さくありません。何と、自費出版でありながら版を重ねること(結果的には大赤字にはなりました)ができました。●いよいよ時代は急です。個性的であれとの大号令のもとに悪戦苦闘している時こそ、原点に立ち返ることが必要ではないでしょうか。私たちFMICS人が力を合わせて創り上げた『FMICS100人BOOK』を改めて読みこんでいくことは、時代が求めているものではないかとヒシヒシと感じています。会員の宮本英治さんからは、「100人ブックの読書会を始めるとのことですが、得てして過去に自らが編んだ本の読書会は、当時のパワーを上回る熱意を持って望まなければ乗り越えることは出来ません。そういうことを承知のうえで難しいテーマに臨む情熱に敬意を表します。私にも情熱を持って世に問えるビジョンを探しださなければなりません」とエールと決意表明を頂きました。●今月から月1回、我が国だけではなく広く世界にも眼を向け、高等教育の明日のために『FMICS100人BOOK』を手にして、ディスカッションの輪を広げていきたく、皆さまには、若手の職員の方にもお声をかけてご参加下さいますようお願いいたします。

【日程】  2007年4月21日(土) 午後4時〜午後7時

【会場】  工学院大学新宿キャンパス 4階 0477教室

  • エレベーターは、4階には止まりません。3階または5階で降りて、階段で上下してください。

【テーマ】 激動の時代の大学職員の原理原則を考える
       20年たっての大学職員論

【問題提起】
  獨協大学外国語教育研究所 吉田 千春
  日本私学振興・共済事業団 比留間 進
  NPO法人学校経理研究会 矢島 美知子
  <司会> 桜美林大学 高橋 真義

【参加費】 会員:1,000円 学生:500円 非会員:1,500円

【申込先】 高橋 真義(桜美林大学) mail2007(アットマーク)fmics.org



ご案内2 YFN 4月例会(539回例会)

●YFN・めやっとかめやなもFMICS名古屋の4月例会は、今、売り出し中の中京大学企画部長の鏡味徹也さんに登場いただきます。ワンタイムサービス。イギリスの大学の学生サービスの新しいカタチについての最新情報をお話しいただきます。学生さんのための“あったかサービス”構築のためには大いに参考になるものです。●この企画は1月、3月に予定していましたものです。業務上のご都合により調整がつきませんでしたが、今回は3度目の正直、ご期待ください。

【日時】 2007年4月26日(木)午後6時30分〜午後8時30分

【会場】  同朋大学稲葉地キャンパス DOプラザ閲蔵 2階多目的会議室

【テーマ】 活き活き世界の学生サービスは今
       検証 イギリスのワンタイムサービスを知る

【発表者】 中京大学企画部長 鏡味 徹也

【申込&問い合わせ先】 林 憲和 (岐阜聖徳学園大学 総合企画課 058-279-6710)
      nhayashi(アットマーク)ha.shotoku.ac.jp



FMICS Staff Development 187

■FMICS Staff Development 略して 「SD」は、月例会とは別に、平日の夜に開催されているゼミナール型の勉強会です。

■あなたのアンテナが何かを感じた新聞・雑誌等の教育&経済トピックスを、切り抜いて持ちよりディスカッションします。トピックスは厳選して1件、A4縦判にコピー(10枚程度)して、氏名と簡単なMEMOを付してご持参ください。各自5分間程度のコメントをしていただきます。

【日時】 2007年4月19日(木) 午後6時30分〜8時30分

【会場】  工学院大学新宿キャンパス 高層棟27階 応接室(2743号室)

【テーマ】 近代日本の大学人に見る世界認識 −17−

【参加費】 会員:500円 学生:300円 非会員:1000円

【申込先】 高橋 真義(桜美林大学) mail2007(アットマーク)fmics.org



FMICS 淵野辺 Staff Development 25

●ゼミナール型勉強会「SD」の首都圏西部地区版。若手を中心に盛り上がっています。この勉強会の原理は極めてシンプルです。参加者が何か1品、ネタを持ち寄り、みんなで議論します。●ネタは、新聞・雑誌記事、業務関連の資料、進めている仕事のアイデア・企画等々、何でも構いません。ちょっとした事でも、他人の目に触れることにより思いがけない発見があるものです。初めて参加される方は、単に自己紹介だけでもOKです。●資料は8部程度お持ちください。

【日時】 2007年4月20日(金) 午後7時〜8時30分+懇親会
      *5月は18日(金)の予定。

【会場】 桜美林大学PFC 3階 P303教室

【申込先】 pfc-sd2007(アットマーク)fmics.org (鳥居@桜美林学園 & 出光@横浜市立大学)



会報『BIG EGG』5月号 発送作業

●FMICSの運営は、会員のボランティア作業によって支えられています。毎月の会報の発送作業も、その大切な活動の1つです。早い人はお昼過ぎから作業を開始し、夕方になると職場から一人また一人とメンバーが駆けつけます。

●ワイワイガヤガヤと近況報告を兼ねての楽しい時間は、美味しい中華料理屋での食事会へと引きつがれ、例会などのアイデアの多くが、この瞬間に生まれます。例会とは一味違ったFMICSの活動に、皆さまのご参加をお待ちしております。

【日時】 2007年5月10日(木) 午後6時〜9時+食事会

【会場】 日能研 恵比寿ビル

初めて参加される方は、 mail2007(アットマーク)fmics.org (高橋真義)までご一報ください。当日の連絡先等詳細をお知らせいたします。


速報 5月のFMICS

 今では多くの大学が当たり前のように、オープンキャンパスを行っています。我が国では、いつ頃からこの受験生・父兄と相対で大学が情報を発信するカタチのオープンキャンパスは行われたのでしょうか。オープンキャンパスに参加した受験生は、ほぼ8割に近い割合で「この大学に進学したい」と感じると言われています。そして、「この大学に進学したくない」と感じた受験生は、その最大の理由として、学生・教職員の態度・説明の悪さを上げています。如何にして受験生は集客するか。如何にして個性溢れる大学であるかを自己表現したらよいのか。オープンキャンパスの歴史を検証し、高校生対象の調査結果も交えながら、新しい時代のオープンキャンパス戦略の構築の必要性について皆さまと一緒に考えます。発表者は、オープンキャンパスを語らせればこの人ありと言われる小島理絵さんです。皆さまには、お若い職員をお誘い合わせの上ご参加をお願いいたします。

【日時】 2007年5月19日(土) 午後4時〜6時30分

【会場】  工学院大学新宿キャンパス(予定)

【テーマ】 激動の時代の大学の自己表現のカタチを考える
       オープンキャンパスの昨日今日明日を検証する

【発表者】 ライセンスアカデミー 小島 理絵