過去のお知らせ一覧へ戻る


2007年5月のFMICS

  • カリキュラムについて考える(鳥居 聖)

  • 大学史と総索引(武田 秀司)

  •   FMICS5月例会 5月19日(土) 工学院大学:新宿

  •    YFN5月例会 5月22日(火) 同朋大学:名古屋

  •    FMICS・SD 5月24日(木) 工学院大学:新宿

  •  FMICS淵野辺SD 5月18日(金) 昭和音楽大学:新百合ヶ丘

  • 会報 BIG EGG 発送 6月7日(木) 日能研ビル:恵比寿

  • 速報 6月のFMICS 6月23日(土) 工学院大学:新宿

  • FMICS SYMPOSIUM 7月7日(土)〜8日(日) 新宿&千駄ヶ谷
      詳細は見出しをクリック




カリキュラムについて考える

 先月はじめ、極めてショッキングなニュースが報じられた。

 ゼミの宿題を提出しなかった学生達に対して、教員が「提出しなければ留年」などとメールを送信した。「留年すると分かっています。人生もやめます」と担当教員宛にメールを返信した学生は、後に自らの命を絶った。大変残念な結果となってしまった。

 カリキュラムは誰の物なのか、

 大学と学生との約束(契約)事項なのではないか、各科目を担当する教員との契約ではないはずである。しかしながら、卒業に必要な必修科目となると、単位の未修得の意味するところは即ち再履修ということにならざるを得ない。

 ずいぶん前になるが、平成3年3月に某大学においてある学部の卒業予定者は1124人であったのだが、そのうち留年者は257人となった。そのうち1科目だけの単位を落とした学生が148人。追試を含め3回も試験を受けて落ちたということであった。

 設置基準の大綱化以前のことであり、カリキュラムに自由度がいまほど無かった事は、想像に難くないが、ここまでの厳格な評価が行われていたことは驚くべき事実でもある。

 もちろん正規の手続きを経るため3月上旬、教授会で卒業判定会議が開かれ、留年者を決定した。その後、該当学生に留年通知が届いたのである。この措置に不服だった学生達は、学部長宅まで押しかけて説明を求める騒ぎとなったという。  大綱化以降、カリキュラム改革は未だに進行中であり、むしろ、学生に学びたい学問分野を選ばせるために、たくさんの授業科目を用意している傾向がここ数年強くなってきたように感じている。それは、ゆとり教育世代が大学に進学してきていることと無縁ではあるまい。

 先月16日に、平成17年度の大学における教育内容等の改革状況が取りまとめられ文部科学省から公表された。

 私立大では補習授業の実施について大幅に増加したが、学力別クラス分けは減少した。これを解すると、学力格差は少なくなったのではなく、むしろ学力の上位者が少なくなったと読むべきであろう。

 また、ボランティアに関する講義科目開設については、学生による授業評価の結果を改革に反映するための組織的な取り組みも大幅に増加した。

 厳格な成績評価の実施についての指標をGPA制度の導入状況で計っている面がある。米国ではGPA制度は一般的であり、学生に対する個別の履修指導は不可分である。しかし日本では、GPA制度導入大学の68%しか、この履修指導を実施していない。そして履修指導と言ってもいろいろな形態が在るのも事実であり、オフィスアワーの時間を明示している大学は少数派である。制度導入の旗振りを行うならば、制度枠組みを明確にした上で行うべきではないか。

(鳥居 聖)



大学史と総索引

 創立百年を迎えた大学の年史の多くは、通史編に加え詳細な資料編を作成するようになりました。 例えば、東京大学百年史は、「通史編」「資料編」「部局史」という構成で全10巻にも及ぶ大作です。 私学においても、総合大学が編纂した百年史は、この例によっています。

 この巻・編構成は、自治体史の編纂傾向の変化が影響していると考えられます。市町村史は、昭和50年代に、「通史編」「資料編」という構成が主流を占めるようになります。「資料」の重要さが認識されたことの表れだと思います。

 資料の重要さを認識していても、知りたいことを即座に簡便に引き出すことは容易なことではありません。「資料」は、事実をありのまま伝えるものですから、ただ編集方針に沿って並べてあるというのでは宝の持ち腐れです。

 制作側は、通常、利用・検索の便にまず目次を、次いで索引を用意します。また、編年順の事項(出来事)一覧として、「年表」が多く編まれています。

 大学史「資料編」にとって、目次は必須ですが、索引はどうでしょうか。

 大学史で、「索引」が用意されているのは、まず通史編のみと言っても過言ではないでしょう。資料編の索引は、ほとんど作成されていないと思います。また、作成したとしても、大量な資料を相手にして、人名索引があればましな方ではないでしょうか。「資料の活用」を考えるならば、甚だ不十分です。

 「過去に学び、良き将来を模索する」ためには、「資料」が十分に理解され活用されることが大事です。

 すなわち、「総索引」が是非とも必要ということです。

 構想を練り、方針を決めて項目選定するとすれば、それ相応の時間と労力を要します。

 索引の項目は、既定の方針や手法が定まっているわけではありません。当該大学史単位で、智恵を絞って方針や基準を決めることになります。

 魅力ある総索引の編集は、資料を引き立てきっと輝かせてくれることでしょう。「総索引」は、「年表」と組み合わせて利用することで、一層利便性が向上し、「資料編」活用に寄与すること大であること請け合いです。

 これからも大学史は、周年等折に触れて編纂がなされるはずです。各大学とも活用性に富んだ大学史を編纂されることを願っています。

(拓殖大学創立百年史編纂室 武田 秀司)



ご案内1 FMICS 5月例会(第540回例会)

 今では多くの大学が当たり前のように、オープンキャンパスを行っています。我が国では、いつ頃からこの受験生・父兄と相対で大学が情報を発信するカタチのオープンキャンパスは行われたのでしょうか。オープンキャンパスに参加した受験生は、ほぼ8割に近い割合で「この大学に進学したい」と感じると言われています。そして、「この大学に進学したくない」と感じた受験生は、その最大の理由として、学生・教職員の態度・説明の悪さを上げています。如何にして受験生は集客するか。如何にして個性溢れる大学であるかを自己表現したらよいのか。オープンキャンパスの歴史を検証し、高校生対象の調査結果も交えながら、新しい時代のオープンキャンパス戦略の構築の必要性について皆さまと一緒に考えます。発表者は、オープンキャンパスを語らせればこの人ありと言われる小島理絵さんです。皆さまには、お若い職員をお誘い合わせの上ご参加をお願いいたします。

【日程】  2007年5月19日(土) 午後4時〜午後7時

【会場】  工学院大学新宿キャンパス 4階 0477教室

  • エレベーターは、4階には止まりません。3階または5階で降りて、階段で上下してください。

【テーマ】 激動の時代の大学の自己表現のカタチを考える
        オープンキャンパスの昨日今日明日を検証する

【発表者】 ライセンスアカデミー 小島 理絵

【参加費】 会員:1,000円 学生:500円 非会員:1,500円

【申込先】 高橋 真義(桜美林大学) mail2007(アットマーク)fmics.org



ご案内2 YFN 5月例会(541回例会)

●YFN・めやっとかめやなもFMICS名古屋の5月例会は、FMICS名古屋創立メンバーで、同朋学園の事務局次長・厚生部長等の要職を務められ、今春退職されました加藤和彦さんが登場されます。現在は、学園本部事務主幹として、事務局長付で特命の様々な経営課題に取り組んでおられます。氏の事務職員人生を振り返りつつ、熱き大学職員論を語っていただきます。

【日時】 2007年5月22日(火)午後6時30分〜午後8時30分

【会場】  同朋大学稲葉地キャンパス DOプラザ閲蔵 2階多目的会議室

【テーマ】 活き活き大学人が語る
       わたしの大学職員論

【発表者】 同朋学園本部事務主幹 加藤 和彦

【申込&問い合わせ先】 林 憲和 (岐阜聖徳学園大学 総合企画課 058-279-6710)
      nhayashi(アットマーク)ha.shotoku.ac.jp



FMICS Staff Development 188

■FMICS Staff Development 略して 「SD」は、月例会とは別に、平日の夜に開催されているゼミナール型の勉強会です。

■あなたのアンテナが何かを感じた新聞・雑誌等の教育&経済トピックスを、切り抜いて持ちよりディスカッションします。トピックスは厳選して1件、A4縦判にコピー(10枚程度)して、氏名と簡単なMEMOを付してご持参ください。各自5分間程度のコメントをしていただきます。

【日時】 2007年5月24日(木) 午後6時30分〜8時30分

【会場】  工学院大学新宿キャンパス 高層棟27階 応接室(2743号室)

【テーマ】 近代日本の大学人に見る世界認識 −18−

【参加費】 会員:500円 学生:300円 非会員:1000円

【申込先】 高橋 真義(桜美林大学) mail2007(アットマーク)fmics.org



FMICS 淵野辺 Staff Development 26

●今月は、昭和音楽大学の新百合ヶ丘校舎(本年4月に厚木より移転)にて開催いたします。通常のプログラムを変更し、新校舎の見学会をメインにします。

【日時】 2007年5月18日(金) 午後7時〜8時(校内見学)+懇親会

【会場】 昭和音楽大学 新百合ヶ丘校舎
      *午後6時50分、正面入口の事務局前に集合。
      *6月は22日(金)に開催予定。

【申込先】 出光 直樹(横浜市立大学) pfc-sd2007(アットマーク)fmics.org



会報『BIG EGG』6月号 発送作業

●FMICSの運営は、会員のボランティア作業によって支えられています。毎月の会報の発送作業も、その大切な活動の1つです。早い人はお昼過ぎから作業を開始し、夕方になると職場から一人また一人とメンバーが駆けつけます。

●ワイワイガヤガヤと近況報告を兼ねての楽しい時間は、美味しい中華料理屋での食事会へと引きつがれ、例会などのアイデアの多くが、この瞬間に生まれます。例会とは一味違ったFMICSの活動に、皆さまのご参加をお待ちしております。

【日時】 2007年6月7日(木) 午後6時〜9時+食事会

【会場】 日能研 恵比寿ビル

初めて参加される方は、 mail2007(アットマーク)fmics.org (高橋真義)までご一報ください。当日の連絡先等詳細をお知らせいたします。


速報 6月のFMICS

●6月のFMICSは七夕シンポジウムの前哨戦です。“だいがくすきなんだびと”に、大学職員の可能性と魅力を大いに語っていただきます。いかに大学が元気元気元気になるために、実はそれはたくさんの職員が活躍しているのか等々・・・●大学職員になりたぁぁぁいと就職活動中の学生さんは勿論、大学関係者の皆さまにも、大学職員の生の声を聞くチャンスは、ありそうであまり多くはありません。●皆さまには、お若い職員をお誘い合わせの上ご参加をお願いいたします。

【日時】 2007年6月23日(土) 午後4時〜6時30分

【会場】  工学院大学新宿キャンパス(予定)

【テーマ】 激動の時代に輝く大学を創る
       大学職員の可能性と魅力を語る

【発表者】 目白学園中学・高等学校事務課長 鈴木 匠