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2007年11月のFMICS




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大学改革と教授能力

 ドイツは日本とは違い、アビトゥーアを取った後ならば好きな大学の好きな学部に入学することができることになっている。ただし人気のある学部では定員制になっていて、何学期も待たされることもある。

 では、ドイツでは大学改革が行われているのだろうか。カール・ノイマン著の「大学教育の改革と教育学」の一節に、求められる「教授能力」、「教授方法」についての記述がある。

(1)講義を計画する力。
 各時間の講義や講義全体、専門領域のカリキュラム全体を、目標、内容、方法、教授者、学生、講義の条件を考慮して計画する能力。

(2)講義の方法上の能力。
 学生の必要や教材に応じて、教育の方法を柔軟に変化させる能力。

(3)助言を与えることの出来る能力。
 大学で勉学や履修科目の選択、研究の方法を支援することの出来る能力。

(4)厳密な意味における教授者として能力。
 職業上必要な能力を付けるためには、単に知識の集積だけでは不十分であり、職業上の必要性を考慮しなければならない。理論に導かれた実践のために、具体例に結びついた問題解決型で、しかも複数の専門分野を架橋するような講義が求められる。そのためには、学問構造と学びの構造を結びつけ、教授学として構成する力や、学習の段階に合わせて目標を設定する力が必要である。

(5)メディアを使用する能力。
 ハードウエアやソフトウエアを利用して学習プログラムを開発する能力、インターネットを使いネットワークを組織する能力など、様々なメディアを使いこなして教授する能力である。

(6)適正な試験をする能力。
 口述・筆記試験を適性に行い、評価する能力。

(7)評価能力。
 教授=学習過程に現れる様々な要素を分析し評価する能力。その結果に基づいて、スタッフや教育課程や組織を検討する能力。

(8)状況を総合的に判断する能力。
 研究と教育上の必要性さらには大学と社会の関係まで目を向け、その関係を分析し考察する能力。

 そしてさらに、日常の大学教育では、教授がうまくなされているかを、次の視点(抜粋)からも検討しなければならない。

  • 教育目標は明確化されているか。
  • 学生が興味を持つように仕向けられているか。
  • 教授者は専門分野のうち重要な部分を強調して分かりやすくすることができるか。
  • 学生が積極的に参加できるような教授法を用いているか。
  • 予習、復習をするように仕向けているか。
  • フィードバックを大切にしているか。
  • 個別指導を考えているか。
  • 面倒見がよいか。

 このように、ドイツでも大学改革は進行中である。さて、日本では大学院に続き、学部のFDも義務化となった。それも、大学が組織的に行うこととなったのである。従前行われていた授業評価アンケートや講演会だけでは不十分であるという認識を持ってFDが実施されることを期待したい。

(鳥居 聖)



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ジョニーが教えてくれた成功への道

“風に吹かれて豆腐屋ジョニー”“マサヒロ”“ジョニ男”これは全て豆腐の名前だ。

 男前豆腐店は、今までの豆腐の概念を変えたネーミングやパッケージデザイン、そして濃厚な味わいの豆腐で1日最大7万パックを全国で販売するほどに大ヒット中。

 男前豆腐店の成功は、もう限界と思われる業界でも、実は限界はないということを証明してくれた。限界を作っているのは関係者であり、限界を打ち破るのも関係者なのだ。まさに自ら限界の壁をつくってはいけないことを教えられた。

 現在の日本の中等教育は、別学では生徒確保が難しいから「もう限界だ」と共学に変更するという傾向がある。学校関係者は、共学にすればマーケットが広がるから生徒募集しやすくなるという。

 この流れは私立中学募集に顕著に現れている。10月9日に東京都私学部は来年度の都内私立中学の入試要項をまとめた。近年の私立中学人気を反映して、募集人員は5年連続で増加し、今年度より222人多い2万5649人となる。男子校は日本工大駒場修徳学園明治大付属明治の3校が共学となるため、3校減の35校(募集人員6611人)。女子校は村田学園小石川女子が新設されるが、東星学園が共学となり、桜華女学院が募集をやめるため、1校減の79校(同1万1390人)となる。共学校は昨年11月に認可された東京シューレ葛飾を含め5校増の65校となる。

 結局、少子化による生徒確保のための結果が共学という手段を選択したと言っても過言ではない。現状を鑑みるといままで男子校、女子高と呼ばれていた学校は本当にそれぞれ求められる教育をしていたのだろうか。手のひらを返したように共学化が進むさまは、何のための別学だったのだろうかという疑問が生じる。本来の別学の教育の意味を忘れてしまったとさえ感じる。

 アメリカでは1990年以降共学の学校が減少し、男女別学、特に女子校が飛躍的に増えてきている。具体的な数字では、30%以上も増えてきている。さらに、別学に対して、政府は2002年から補助金を余計に出すようになってきた。すでに世界の時代の潮流は別学に向いているということだ。現在の日本の中等教育はマーケティングの基本を忘れ、時代の流れにも逆行しているということになる。

 マーケティングの基本は焦点を絞り込むこと。活動の領域を絞れば絞るほど立場は強力になる。すべての人のすべての要望に応え弱みをさらすよりは、どこか特定のところで強みを発揮することが勝者となる。

 焦点を絞り込んだ強みであるはずの「別学」を自ら放棄し、安易に共学にするのではなく強みをより絞り込み、男子校・女子校に求められる教育のできる学校が勝者になるのはマーケティングの基本からも明らかだ。常にアメリカの後追いをしている日本もいずれはこのことに気づくのだろう。もう限界と思われがちな業界でも実は限界はないという教訓を活かし、独自の強みを絞りだし限界の壁を打ち破るチャレンジ精神をずっと持ち続けたい。

(秋草 誠)



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FMICS11月例会 (第550回例会)

●激動の時代、競争に勝ち残り、個性輝く大学を創るために、大学職員は何をしなければならないのでしょうか。変化に対応する事務処理能力は細分化・先鋭化に向かうものと思われますが、大学を取り巻く環境は変化に加えて拡散しはじめました。事務処理能力が第一義的に求められてきた時代は終わります。新しい時代を担う大学職員は、大学の資産であり資源である教員及び学生と“協どう”し、個性輝く元気な大学を創る役割を担わなければなりません。中でも、学生を支援することにあっては、教員とは異なる視座、大局的視野に立って教育サービスをプロデュースする力量が求められることになります。

●“東北から発信/個性輝く大学を創ろう”をスローガンに、大学職員がプロデュースする「大学職員サミットやまがたカレッジ2007」は、参加型シンポジウムです。

 第1日目のスローガンは、「大学の未来を語り合おう」です。まずは、オープニングトレーニングとして「小学校時代の輝いている自分紹介」をテーマに「自己表現・評価トレーニング」をしていただきます。続いて、山形大学学長に就任された結城学長の講演と参加者の皆さまからのリアクションペーパー(感想文)を基にした意見交換参加型のシンポジウムと続きます。

 懇親会は、「いも煮」を囲んで大学の明日を熱く語り合うことになります。そして、会場を山形大学「瑞樹荘」に移して、FMICSのお得意のオールナイト・ディスカッションへと雪崩れ込みます。

 第2日目のスローガンは、「大学を自慢する」です。大学の関係者と共に高校の教員や高校生、地域の皆さまにも参加していただきます。大学の新しい可能性を大学職員(教員・学生を巻き込んでいただくことを歓迎いたします)が自慢するコンテスト「わたしたちの大学をわたしが自慢します」がメインプログラムとなります。審査は参加者全員にお願いいたします。昼食は表彰式を兼ねたサンドイッチパーティーです。すてきなヒューマンネットワークがたくさん生まれることが期待されます。

●ワクワクドキドキの2日間、お仲間をお誘い合わせの上ご参加ください。また、「大学自慢コンテスト」へのエントリーもお待ちしております。

大学職員サミット やまがたカレッジ 2007 ポスター
ポスター(PDF)

11月10日(土)

大学職員がプロデュースする
個性輝く大学を創るアクションを束ねる
シンポジウム

  • 受付12:30 13:00〜21:00

  • 会場 山形大学・小白川キャンパス
       (教養教育1号館、厚生会館)

  • 参加募集人員 大学職員を中心に80名

  • 参加費1000円 懇親会費3000円

11月11日(日)

コンテスト
「わたしたちの大学をわたしが自慢します」

山形大学キャンパスツアー(希望者)

  • 受付9:30 10:00〜15:30

  • 会場 山形大学・小白川キャンパス
       (教養教育1号館)

  • 参加募集人数 80名

  • 参加費(昼食代)500円

●参加申込等詳細は、山形大学の公式サイトをご覧下さい。



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YFN11月例会(第551回例会)

 YFN・FMICS名古屋の恒例の秋の文化祭第2弾は、聖徳学園女子短期大学元教授で土岐市陶芸作家協会会長であった我らが松山祐利先生の回顧陶芸展と追善茶会を安藤氏を席主に、YFN人がスタッフとなり、繰り広げます。

 松山祐利先生は、個展をやらない、作品を売らない、取材を拒絶するという、芸術至上主義者でNHKや芸術新潮で秘境の野人と紹介された程の人であった。しかし、茶道文化や陶芸や原三渓などの地域文化を掘り起こすことを通して、大学が地域貢献しようと立ち上がった当時20代後半であった我ら若きFMICS人の素志を理解いただき、FMICSが生んだ聖徳茶会の会長を亡くなるまで20数年間務めていただきました。  

 ここに師の1周忌を機にFMICS名古屋人やファンや支援者と共に、松山祐利先生の回顧陶芸展と追善茶会を行います。

 皆さま、お誘い合わせのうえご参加下さい。

【日時】 2007年11月23日(金) 11時30分〜17時

【会場】
       回顧展: 美濃焼伝統産業会館
       追善茶会: 康学舎(13時〜15時)

【テーマ】 岐阜聖徳学園大学
      オープンハウス IN カラフルタウン

【共催校】 附属幼稚園・附属小学校・附属中高等学校・清翔高等学校・聖徳自動車学園



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FMICS Staff Development 194

■FMICS Staff Development 略して 「SD」は、月例会とは別に、平日の夜に開催されているゼミナール型の勉強会です。

■あなたのアンテナが何かを感じた新聞・雑誌等の教育&経済トピックスを、切り抜いて持ちよりディスカッションします。トピックスは厳選して1件、A4縦判にコピー(10枚程度)して、氏名と簡単なMEMOを付してご持参ください。各自5分間程度のコメントをしていただきます。

【日時】 2007年11月22日(木) 午後6時30分〜8時30分
     *その次は、12月20日(木)の予定。

【会場】  工学院大学新宿キャンパス 高層棟27階 2710ゼミ室

【テーマ】 近代日本の大学人に見る世界認識 −25−

【参加費】 会員:500円 学生:300円 非会員:1000円

【申込先】 米田 敬子(文教大学) mail2007(アットマーク)fmics.org



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FMICS 淵野辺 Staff Development 32

●ゼミナール型勉強会「SD」の首都圏西部地区版。若手を中心に盛り上がっています。この勉強会の原理は極めてシンプルです。参加者が何か1品、ネタを持ち寄り、みんなで議論します。●ネタは、新聞・雑誌記事、業務関連の資料、進めている仕事のアイデア・企画等々、何でも構いません。ちょっとした事でも、他人の目に触れることにより思いがけない発見があるものです。初めて参加される方は、単に自己紹介だけでもOKです。●資料は8部程度お持ちください。

【日時】 2007年11月16日(金) 午後7時〜9時+懇親会
     *その次は、12月7日(金)に国連大学本部で開催予定。

【会場】 桜美林大学PFC 3階 P303教室

【参加費】 無料

【申込先】 pfc-sd2007(アットマーク)fmics.org (鳥居@桜美林学園 & 出光@横浜市立大学)



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会報『BIG EGG』12月号 発送作業

●FMICSの運営は、会員のボランティア作業によって支えられています。毎月の会報の発送作業も、その大切な活動の1つです。早い人はお昼過ぎから作業を開始し、夕方になると職場から一人また一人とメンバーが駆けつけます。

●ワイワイガヤガヤと近況報告を兼ねての楽しい時間は、美味しい中華料理屋での食事会へと引きつがれ、例会などのアイデアの多くが、この瞬間に生まれます。例会とは一味違ったFMICSの活動に、皆さまのご参加をお待ちしております。

【日時】 2007年12月6日(木) 午後6時〜9時+食事会

【会場】 日能研 恵比寿ビル

初めて参加される方は、 mail2007(アットマーク)fmics.org (高橋真義)までご一報ください。当日の連絡先等詳細をお知らせいたします。


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速報 12月のFMICS

●企業が人を漁りはじめたと言われています。とはいえ、いまだに内定が貰えない学生もいます。 これまでとは違った新しい就活について、現役の学生さんとその応援団の皆さんにそれぞれの就活のカタチを大いに語っていただきます。●学生さんの発表者4名を募集します。皆さまのお近くの学生さんに声をお掛け下さい。

【日時】 2007年12月22日(土) 午後4時〜午後6時30分

【会場】  工学院大学新宿キャンパス

【テーマ】 大学競争時代を活きるための原理原則を学ぶ
      検証 現役学生が語る今風の就活事情

【コメンテーター】 日経ナビ編集長 兼 日経就職ガイド編集長 渡辺 茂晃



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速報 新年1月のFMICS

●新年1月の例会&葉山合宿の日程が決まりました。例年より早い日程での実施となり、申込締切は年内12月20日頃を予定しています。詳細は、12月の更新でご確認願います。

【日時】 2008年1月12日(土)13:00 〜 13日(日)10:00

【会場】 日能研 恵比寿ビル & 中央大学葉山寮

【テーマ】 大競争時代 今 私たちは大学をプロデュースする