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2009年1月のFMICS




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科学者たちの奇妙な日常

 この題名の単行本の筆者は日本大学文理学部の専任講師であるが、「a 女性科学者のスペース2」というブログを執筆されている。(著書についての記事)

 この本は、なかなか世に知られにくい科学者の生態を、女性である筆者の視点から克明に伝えている。

 筆者なりの研究の区分と研究室探しの一考察があり、科学を志す学生さんの参考になればという思いが随所にちりばめられていたので紹介したい。

 実験系は基本的に「研究室にいてください」ガテン系。実際に手を動かす実験系では、直接先輩や先生から教えを頂かないと分からないことがたーくさんあるのです。

 理論系は「一人でできるんなら、長時間学校にいることないよ」系。お師匠さんや先輩から教わらなくても、歴代の研究者の本や資料を基に考察し発見ができるという点で、20歳代のうちに大発見が多い分野ともいえます。

 調査系は基本的スタンスは理論系と同じと思いがちなのですが、実はお師匠さんとのつながりがとっても大事です。調査するにあたっては現場へ行ったり特定の分野の専門書を取り寄せたりが必要なのですが、その時にお師匠さんの顔があるかないかで研究の進展がまーったく変わるからです。一人前になるにも年齢も必要、といわれる系でもあります。


 「研究室を選ぶ」ファクターについてお話しさせていただきます・・ってこれ、普通に就職活動で企業を決めるのと一緒です。やっぱり学歴よ!=大企業がいいんだよね派、研究環境が整ったところがいい=ばりばりできる環境がよい派、この先生についていきたい!=この上司についていきたい派、家から近いんだもん=勤務先から決める派  〈中略〉  で、このポイントのうち、学歴以外は、実際に研究室に行かないと分かりません。勇気を持って先生方にアポイントを取りましょう。

 また、筆者は事務方の仕事について次のように記している。

 われわれ研究者。忘れてならないのは、事務の方に感謝する気持ち。なんだか往々にして、研究者は「事務は事務が仕事なんだから、もっと働いてくれ」みたいな気持ちになる人が多いようなんですが、事務仕事って結構大変なんですよ。某国立研究所の事務の人は、科学研究費申請書を組織全体で集めて段ボールに入れてお役所に持っていって、お役所の窓口でその申請書がハネられたら、その場で大慌てで書き直す、とか。その日のその時間にしか受け取ってもらえないから、決して郵送ですまされないわけですね。

 研究は絶対一人ではやっていませんし、ましてや研究者だけでもやっていません。事務の方への感謝の気持ちはどうぞお忘れなきよう、よろしくお願いいたします。

 大学では、事務方の仕事はバックヤードであり残念ながら脚光を浴びることはあまりないというのが事実である。だが、この筆者のような考え方をされる方はまだまだ少ない。事務屋が本領発揮する以外に方法はないようである。

(鳥居 聖)



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初夢に高い志を

 お正月の初夢は縁起のよいといわれている“一富士、二鷹、三茄子”が出てきますように祈ってお屠蘇を多めにいただきます。2日にはおぞうにを食べながら、箱根駅伝を見るのが楽しみです。初夢を見る前に大学にとって平成20年末に突然起きた麻生氏風にいう所のミゾウユウ(未曽有)の出来事を振り返ります。平成20年11月19日、K大学の資産運用で初めてデリバティブ取引の運用損が150億円を超えると朝日新聞に載り、全国の大学・短大のうち75法人がデリバティブ取引をしていることも付け加えられていました。

 一ヶ月後にはK大学の理事長が巨額の損失を出した経営責任を問われ解任されました。しかし、一方ではR大学(148億円の損失と報道された)等損失はまだ確定していない現段階では含み損、という言い訳をしている大学もあります。今後これらの大学は、心配な問題を抱えて運営してゆくのは間違いないことです。

 そして、一番ショックなニュースは、学生の内定取り消しでした。多くの企業が内定を一度は出しておきながら、取り消すというまるで子供の後出しジャンケンのような信じられない大「変」なことが起きたのでした。昨年は大学を取り巻く環境が急速に「変」化し、そのツケが学生に回ったのです。

 年末恒例行事となった日本漢字能力検定協会が公募する「今年の漢字」2008年は「変」でした。この「変」は短期間での首相交代や米国の大統領の政「変」、株価暴落、円高など世界的な金融情勢の「変」動、中国ギョーザ、事故米などの食の安全に対する意識の「変」化、ミャンマーのサイクロン被害やゲリラ豪雨に象徴される世界的な気候異「変」。それに若いスポーツ選手の台頭やノーベル賞の複数受賞など時代のいい「変」化を振り返り反省しながら、新たな変化に挑戦する気持ちを込めて「変」の字を前向きに見つめたいというのが選択の理由でした。

 この「変」から感じたことは、明らかに世界が身近になりグローバル化したんだということです。グローバル化とは、世界規模の経済システムが史上初めて形を現してきたことを表しているという。そのグローバル化に亀裂が生じたことを危惧した元米国務長官のヘンリー・キッシンジャー氏は、「グローバル化の前提は競争によって最も効率の高いものが生き残ることにある。つまり定義上、そこには勝者と敗者がいる。負け続けるものがいれば、彼らは身近な政治制度に救済を求める」といった。まさにこの言葉通り、日本の社会もグローバル化が急速に進み大学にも勝ち組と負け組みの明確な線引きが始まっているように感じます。そこで政治制度に救済を求めたいところだが、大学を取り巻く環境は競争的資金重視の方向性などをみると弱者救済とはいえない状況です。

 私の新年の夢は、学生がイキイキと出来る社会を大学が創ることです。いよいよ、より高いミッションを掲げて“まずははじめよう”

(秋草 誠)



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FMICS1月例会 (第574回例会)

●FMICSの新年1月は恒例の合宿例会です。新宿・工学院大学でのオリエンテーションは、いよいよ激烈を極める競争的環境下で活き残るためには、学生教員職員が英知を束ねて「集合天才」を目指さなければなりません。大学を「集合天才化」するために、大学の資産である学生さんがこぐ三輪車の両輪である教職員は何をすべきでしょうか。●「集合天才」が新しいことにチャレンジすることを「協創」といい、2009年の私たちは「協創人」になることを目指します。大学を元気元気元気にするためのクリエイト=アクションについて検証し、更なる展開を考えます。●葉山では参加者全員に「私の2009アクションプラン」を発表していただきます。高等教育問題研究会FMICSの創会30年を総括する「新100BOOK」の発刊のタイムスケジュールの確認もいたします。●恒例の打ち上げ&反省会は、海辺の素敵な喫茶店パティスリー ラ・マーレ・ド・チャヤ 葉山本店の美味しいコーヒーとケーキを頂きながら行います。●FMICSらしさを十二分に体感できる新春合宿例会は、通称「こたつ合宿例会」とも言われています。お仲間をお誘いの上ご参加下さい。昼、夜の部分参加も大歓迎です。

【日時】 2009年1月24日(土)〜25日(日)
          オリエンテーション  午後1時〜3時
          合宿FMICS  午後6時〜翌午前9時

【会場】
オリエンテーション 工学院大学新宿キャンパス 4階0471教室
合宿FMICS 中央大学葉山寮
神奈川県三浦郡葉山町堀内86

《交通》 JR・逗子駅京急・新逗子駅 → [逗12]海岸回り葉山行バス(約12分) →

鐙摺(あぶずり)停留所 → 徒歩(3分) → 中大葉山寮

*または、JR・逗子駅/京急・新逗子駅からタクシー(約10分)

【テーマ】 大学を元気元気元気にする「協創人」
       大学を集合天才化する 私のアクションプラン

【プログラム】
1月24日(土)
13:00

大学を集合天才化する 私のアクションプラン

15:00合宿FMICS 葉山会場へ移動
18:00夕食&懇親会
21:00点検 FMICS 2009 アクションプラン
22:00全員参加で「大学を集合天才化するためのアクションプラン」を考えます
1月25日(日)
2:00朝までフリートーク
8:00朝食
9:00総括
10:00打ち上げ&反省会 パティスリー ラ・マーレ・ド・チャヤ 葉山本店


【スピーカー】
大妻女子大学教育支援グループ宮本 英治
桜美林学園経理部長鳥居 聖
立教大学図書館塩野 博雄
大学新聞社記者小島 理絵
司会 横浜市立大学アドミッションズセンター出光 直樹


【参加費】
オリエンテーション: 会員1,000円 / 学生(会員・非会員問わず)500円 / 非会員1,500円
合宿FMICS: 懇親会&宿泊12,000円 / 懇親会のみ日帰り6,000円

【参加条件】
 フルタイムの合宿FMICS参加者には、@大学を集合天才化するためのアクションプランをA4一枚程度にまとめて15部ご持参ください。A自己申告時間10分間以内でアッピールしていただきますのでご用意をしておいて下さい。B800字程度で MY FMICS を書いて頂きます。C点検「FMICS2009アクションプラン」では、今年一年間の活動企画・ワクワクドキドキプログラムを考えてください。

【申込先】
 坂田 範夫 kintoki(アットマーク)tamajs.chuo-u.ac.jp までお申し込み下さい。
 合宿参加希望者は、申込をお急ぎ下さい。



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YFN1月例会(第573回例会)

●YFN・めやっとかめやなもFMICS名古屋の新春1月合宿例会のゲストには、花園大学前学長西村慧信禅師をお迎え致します。恒例の参加者全員には、大学を元気元気元気にする「協創人」として「大学を集合天才化するためのアクションプラン」を発表して頂きます。●翌朝は朝の座禅とお茶もたっぷり楽しんで頂きます。お仲間をお誘い合わせの上、ご参加ください。●プログラムの詳細につきましては、林憲和までお問い合わせください。

【日時】  2009年1月10日(土)午前11時〜11日(日)午後4時

【会場】  伊奈波神社 裁松寺 のやま亭 道三温泉 つるや
      オールナイトYNF:浄土院 岐阜市東駒爪町 058-264-0389

【テーマ】 大学を元気元気元気にする「協創人」
         大学を集合天才化する 私のアクションプラン

【発表者】 花園大学前学長 西村 慧信 禅師
        参加者全員発表

【申込&問い合わせ先】
 林 憲和 (岐阜聖徳学園大学) nhayashi(アットマーク)ha.shotoku.ac.jp



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FMICS Staff Development 207

■FMICS Staff Development 略して 「SD」は、月例会とは別に、平日の夜に開催されているゼミナール型の勉強会です。■あなたのアンテナが何かを感じた新聞・雑誌等の教育&経済トピックスを、切り抜いて持ちよりディスカッションします。トピックスは厳選して1件、A4縦判にコピー(10枚程度)して、氏名と簡単なMEMOを付してご持参ください。各自5分間程度のコメントをしていただきます。■なお初めての方は、自己紹介のみで構いません。

【日時】 2009年1月30日(金) 午後6時30分〜8時30分

【会場】  工学院大学新宿キャンパス 高層棟27階 教員応接室

【参加費】 会員500円  非会員1000円  学生(会員・非会員問わず)300円

【申込先】 米田 敬子(桜美林大学) mail2009(アットマーク)fmics.org



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会報 『BIG EGG』 2月号 発送作業

●FMICSの運営は、会員のボランティア作業によって支えられています。毎月の会報の発送作業も、その大切な活動の1つです。早い人はお昼過ぎから作業を開始し、夕方になると職場から一人また一人とメンバーが駆けつけます。

●ワイワイガヤガヤと近況報告を兼ねての楽しい時間は、美味しい中華料理屋での食事会へと引きつがれ、例会などのアイデアの多くが、この瞬間に生まれます。例会とは一味違ったFMICSの活動に、皆さまのご参加をお待ちしております。

【日時】 2009年2月4日(水) 午後6時〜9時+食事会

【会場】 日能研 恵比寿ビル

初めて参加される方は、 mail2009(アットマーク)fmics.org (高橋真義)までご一報ください。当日の連絡先等詳細をお知らせいたします。


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速報 2月のFMICS

 一瞬にして風向きが変わりました。人類が体感したことのない程の経済不況が来ると言われている中でのこれからの就職戦線をいかに戦うか。企業は先の就職氷河期の轍を踏まないように有能な人材の確保はするとも言われています。皆さまと、学生さんを人財化するための智恵を束ねます。

【日時】 2009年2月14日(土)

【会場】  工学院大学新宿キャンパス(予定)