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2009年6月のFMICS



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読書についての一考察

 過日、新刊本の案内パンフを見ていたら目に留まった表題があり、それは『大学新入生に薦める101冊の本(新判)』という名の本であった。

 米国では101といえば、基礎・基本という意味があり、いろんなものに使われている。例えば、ENGLISH 101といえば大学での英語初級クラスのことを指している。

 また私の頭の中では、NHKで放映されたステージ101や101匹わんちゃんに使われた数字として記憶されている。

 早速入手して、はじめにを読み始めた。

「現代社会では、高度に専門的な技術や知識が要求され、これに応えて大学教育や大学院教育が行われています。しかし、そうした高度な専門性を現実の社会に役立てていくには、それを使いこなす人間味溢れた理解力や洞察力、そして判断力が必要です。このような力こそが現代に求められている教養でしょう。具体的には、さまざまな国や地域の文化と伝統を尊重し、知の多様性と普遍性を理解する能力。書物偏重ではなく、知の現場性、身体性に根ざした探求心。未来を創造するために、多様な専門知識を活用できる知の編集能力。これらの力こそが、現代教養の源泉なのです。本書は、このような力を育てる手がかりとなる本かどうかという基準として選んだ「101冊の本」について、それぞれの解説や必要な情報を加えた読書案内です。」

 ところで、本当に社会に応えるような教育が大学で行われているのでしょうか? 社会人基礎力(経産省)や学士力(文科省)を求められている現状では、本当にそれがすべての大学で行われているとは言い難いのではないかと考えています。

 さて、溝上慎一著『大学生の学び・入門』では、「本を読もう!」と積極的に奨励している。その理由として、自分の知りたいと思うこと、興味のあることに何らかのかたちで応えてくれる。読書は本を読もうとする、あるいは読み続けようとする個人の意志と努力を相当必要とし、人はその意志と努力を具現化するための理由を見出さねばならないからである。この理由こそが大学での勉強と密接に関連している。と述べている。

 そのためには、本を読むルールを作るべきである。そして、自分の興味、関心が生じた・疑問に思った・検索で引っかかった本は入手すべきである。その本を図書館で借りるのではなく、なるべくお金をおしまず身銭を切って買った方がいい。さらに、週に一度曜日を決めて必ず大きな書店に行くべきである。

 このルール作りが出来ると、本がどんどん増えていくのであるが「積ん読」は重要である。ただし、部屋中に本の山を積むのではなく、背表紙のタイトルや著者名が見えるようにする・本を書棚に並べることが重要だと考えている。

 私もこの例示に習い、書棚の前に幾つも山積みとなっている本は、せめて背表紙が眺められるように並べ替えることとしたい。

(鳥居 聖)



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いない いない・・・

 今春、ミツバチの減少が農業にとって重大な問題だという報道がありました。日本では、「いないない病」ともいうハチ群崩壊症候群(CCD)が世界中でおこり、大量のミツバチが行方不明になっているそうです。名古屋大学の門脇辰彦准教授は、みつばち減少の原因を「寄生ダニや農薬、ハウス栽培のストレスに、ウイルスなどへの感染が重なって大量死につながるのではないか」と生きるための環境が変化したことを挙げています。このニュースではじめて知ったのですが、ミツバチは受粉作業を人間よりも効率よくしてくれるため、農家にとっては重要な存在だったということです。 ミツバチで思い出したたとえ話ですが、ヨーロッパで一年中多くの花が咲く国があり、その国で養蜂を営むと多くの蜂蜜が取れると考えた人がいました。1年目は思惑通りに沢山の蜂蜜が取れ大喜びでした。しかし、ミツバチは蜜を蓄えるために働いているので、2年目になると花がいつでも咲いていることに気づき蜜を集めなくなってしまったという落ちです。

 現状を鑑みると今の子ども達は、欲しいものは手に入れる機会が多く年中花が咲いているミツバチのような状況だといえるのではないでしょうか。私が子どもの頃は、冷房もカラーテレビもありませんでした。当然、テレビゲームもありません。夏はどこの家でも網戸か蚊帳を吊り、部屋の隅には蚊取り線香がありました。それでも不自由だと感じた子どもは、少なかったと思います。「百ます計算」の蔭山英男さんは、「子どもたちに期待を寄せすぎた結果、受験学力がものをいう社会になり、テストの点数を気にする保護者が増えた。」といっています。

 最近の大学はテストのための教育の終着駅と化し、学ぶことの本来の目的を見失い汗をかけなくなった学生がキャンパスに溢れているのではないかと感じています。苦労することなく、何でもそろうような空間の中を飛び回っている2年目のミツバチのような状態です。

 この状態を打破するためには、学生の要望に簡単に応えることではなく、1年目のミツバチが蜜を集めるような環境を学生に与えることだと思います。まずは、身体から汗を出し、その後に頭から汗を搾り出させられる環境づくりが理想の大学です。

 いまどきの学生がどうのこうのというよりも、働いている環境を学生のために変えられる職員が力を発揮しないと、学生の“いないいない”キャンパスだけが残りかねません。

(秋草 誠)



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FMICS Staff Development 212

■FMICS Staff Development 略して 「SD」は、月例会とは別に、平日の夜に開催されているゼミナール型の勉強会です。■あなたのアンテナが何かを感じた新聞・雑誌等の教育&経済トピックスを、切り抜いて持ちよりディスカッションします。トピックスは厳選して1件、A4縦判にコピー(10枚程度)して、氏名と簡単なMEMOを付してご持参ください。各自5分間程度のコメントをしていただきます。

【日時】 2009年6月19日(金) 午後6時30分〜8時30分+懇親会
【会場】 桜美林大学 四ツ谷キャンパス 3階301教室 
【参加費】 会員500円  非会員1000円  学生(会員・非会員問わず)300円
【申込先】 米田 敬子 (日本私学経営活性化協会) mail2009(アットマーク)fmics.org
*お名前、ご所属等をお知らせ下さい。参加費は当日会場でお支払い下さい。
*当日の飛び入りも歓迎ですが、参加者数を把握するため、なるべく事前の連絡をお願いします。


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FMICS あざみ野 SD 3

●ゼミナール型勉強会「SD」の首都圏西部地域での集いです。●前回は初参加の方3名、懇親会からの方1名を含めて11名の方にご参加を頂きました。●この勉強会の原理は極めてシンプルです。参加者が何か1品、ネタを持ち寄り、みんなで議論します。●ネタは、気になった新聞・雑誌記事、業務関連の資料、進めている仕事のアイデア、就活エントリーシートの原稿などなど、何でも構いません。ちょっとした事でも、他人の目に触れることにより思いがけない発見があるものです。初めて参加される方は、単に自己紹介だけでもOKです。●資料(コピー)は12部お持ちください。

【日時】 2009年6月13日(土) 午後6時30分〜8時50分+懇親会
*次回は7月 31日(金) 24日(金)の予定です。
【会場】 横浜市山内地区センター 1階 会議室1
(東急田園都市線・横浜市営地下鉄 あざみ野駅 徒歩3分)
【参加費】 100円(会員・非会員問わず)
【申込先】 出光 直樹 (横浜市立大学) naoki(アットマーク)idemitsu.info
*お名前、ご所属等をお知らせ下さい。参加費は当日会場でお支払い下さい。
*当日の飛び入りも歓迎ですが、参加者数を把握するため、なるべく事前の連絡をお願いします。


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会報 『BIG EGG』 7月号 発送作業

●FMICSの運営は、会員のボランティア作業によって支えられています。毎月の会報の発送作業も、その大切な活動の1つです。早い人はお昼過ぎから作業を開始し、夕方になると職場から一人また一人とメンバーが駆けつけます。

●ワイワイガヤガヤと近況報告を兼ねての楽しい時間は、美味しい中華料理屋での食事会へと引きつがれ、例会などのアイデアの多くが、この瞬間に生まれます。例会とは一味違ったFMICSの活動に、皆さまのご参加をお待ちしております。

【日時】 2009年7月8日(水) 午後6時〜9時+食事会
【会場】 日能研 恵比寿ビル

●初めて参加される方は、 mail2009(アットマーク)fmics.org (高橋真義)までご一報ください。当日の連絡先等詳細をお知らせいたします。



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速報 7月のFMICS

【日時】 2009年7月18日(土) 午後4時30分〜7時
【会場】 東京文化短期大学 本部校舎
(東京メトロ丸ノ内線 東高円寺駅 徒歩6分)
【テーマ】 検証 いまどきの学生さんを考える