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2009年7月のFMICS



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教員採用試験について

 5月下旬から7月上旬までが教育実習期間のピークとなっており、学校現場での教育実習にたどり着くまでには、教職に関する科目、教科に関する科目、教免法施行規則66条の6に定める科目の修得が必要である。なお、現在は義務教育諸学校教諭の免許状を取得する場合には、社会福祉施設等において7日間の介護等体験が義務づけられている。

 そもそも我が国の教員養成は、戦前、師範学校や高等師範学校等の教員養成を目的とする専門の学校で行うことを基本としていたが、戦後、幅広い視野と高度の専門的知識・技能を兼ね備えた多様な人材を広く教育界に求めることを目的として、教員養成の教育は大学で行うこととした(「大学における教員養成」の原則)。また、国立・公立・私立のいずれの大学でも、教員免許状取得に必要な所要の単位に係る科目を開設し、学生に履修させることにより、制度上等しく教員養成に携わることができることとした(「開放制の教員養成」の原則)。

 さて、団塊世代の教員の大量退職に直面している東京都教育委員会が、地方の教育委員会と共通の採用試験を実施し、地方で不合格になった受験者の都の公立学校教員への採用を検討しているとの報道がなされた。

 都の公立学校の教員数は約6万人。50歳代が3分の1を占め、今後10年間に毎年2千人程度の退職者が出る見込みであるが、教員採用試験の競争率は年々低下を続けており、09年度採用の小学校教員では2.6倍であった。一方、地方の競争率は、少子化や過疎化などで10倍を超す団体も多い。

 共通試験は全国初の試みで、2011年度採用の試験からの導入を目指し、6月にも競争率の高い数県に協力を打診するという。さらに、都の教員として採用され一定の経験を積めば、その後無試験で地方の教員に採用される仕組みも検討しており、地方の教育委員会に協力を求めるという。

 先日、昨年度の本学の教職年報が配付され、各学生の教育実習報告が集録されていた。「今、教育に求められるもの」という題のレポートが目に留まった。「これ(掃除をサボる生徒を怒鳴りつけた。生徒たちは驚いたような顔をしてパッとこちらを見た。どうやら効果があったようだ。)で私は確信した。今、教育に必要なのは『厳しさ』だと。・・しっかりとした厳しい指導があってこそ、生徒たちは大人になっていくのだと、感じた。しかし実際、厳しさだけでは生徒たちは逃げていく。教師と生徒の信頼関係は大事だ。だから優しさだってもちろん必要である。しかし今は優しすぎるように見える。厳しさと優しさ、この二つのスパイスをうまく調合できるようになったとき、私は自分の理想とする教師になれる。その日が来るまで、今まただ、努力を重ねるしかない。」

 採用試験の成績上位者のみを採用するのか、それとも理想を追い求め努力を重ねる者を採用していくのか。「事件は会議室で起きてるんじゃない。現場で起きてるんだ!」という映画の台詞を思い出した。

(鳥居 聖)



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五感で引き出す母校愛

「あいずっぽのラーメンは安くて美味しいよね」 車で幸楽苑(ラーメン290円)の看板の前を通過したとき、福島県出身の友人がつぶやいた。あいずっぽ?ってなに?初めて聞く名称に私はすかさず反応した。

 幸楽苑は以前、福島県であいずっぽの名称で親しまれていたという。彼は高校時代のデートで、この店のラーメンを食べたという思い出話を楽しそうに話してくれました。一軒のラーメン屋さんが、ここまで人に親しまれていることに興味が湧きました。彼曰く今でも、福島県の人は幸楽苑と書いてある看板を見てもあいずっぽと呼んでいるといいます。お店の名前と味が人の記憶に深く刻まれ愛されているのです。

 さて、今年のFMICSシンポのテーマは「私たちは協創びとFMICS2009輝く“母校”を創る今パワーは全開」でした。キーワードは母校でしたから多くの参加者の方から、様々な母校への想いを聞けただけでも参加した意味がありました。特に印象に残ったのは1番バッターの解題担当の武井さんから、「母校は幼稚園から大学まで全てです」といわれたときに、私の母校へのイメージと違っていました。

 それまで私には、母校のイメージは高校から大学くらいまでしかなかったので、この一言で母校への想いがグングン広がった感がします。そして、参加者からの(株)リクルートやFMICSも母校だという考え方はFMICSならではのあったかさが伝わってくるものでした。

 夜プロも終わりかけの頃、もしかして母校を感じるときは何かが、同時に脳を刺激するのではないかと思いました。むしろ、五感で感じた記憶が、母校の思い出を引き出すのではないかと思うのです。参加した数人の人に母校への想いを聞くと、友人と校歌を歌ったことやよく行った古びた食堂やしょっぱいラーメン屋さんの話を母校と一緒に思い出すようでした。

 母校への想いを脳から一瞬で引き出す時に、当時の様々な体感が媒体となって記憶が蘇ってくるものではないかと思います。ということは、母校を意識するためには様々な“体感の場”が必要だということになりそれが思い出とともに母校への想いに重なってくるのではないでしょうか。改めて母校の話をしている人の顔を観察すると、みなさん楽しそうな笑顔で話してくれます。この様子を見て感じたことは、母校への想いは人が生きるための力の“糧”になっているということです。

 学生時代の友人とともに苦い恋愛経験や学生だからできたくだらない遊びなどを語ったり、他人に当時の思い出や母校自慢をできる人は幸せだと思います。きっと母校への想いが沢山あるほど人は自信がつくのではないでしょうか。そんな母校を創れる立場の我々の責任は重く、そして楽しい職場だと再認識しました。

(秋草 誠)



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FMICS7月例会  (第582回例会)

■「今どきの高校生はねぇぇぇ」と「今どきの大学生はねぇぇぇ」。高校と大学の連携について語るときに、生徒・学生さんたちのコトを知らないままに、あたかもお念仏のように唱えられてはいないでしょうか。このお念仏=色眼鏡をかけますと、生徒・学生さんたちの素晴らしい可能性を見ているつもりでも、見落とすことになるはずです。
 大学関係者にとっては、受験生としての生徒さんについては判ったつもりでいますが、こと可能性ある若者という面はなかなか見えていないはずです。一方、高校関係者にとっては、大学に送り出した生徒さんが、どのように学生さんになっていくのかについては、知りたくてもなかなか知りえないのではないでしょうか。

■はじめに、西さんと秋草さんから「今どきの生徒さん」についての話題を提供していただきます。そのお話を受けて、ご参加の大学の関係者の皆さまには、「生徒の“せ”」から「学生の“が”」に変わっていくサマを語って頂きます。
 ディスカッションは、可能性の塊の若者である生徒さんを自信ある学生さんとして如何に社会に送り出すか、高大連携、大学と高校の「協創」関係を如何につくるのかを考えます。

■パネラーの西さんからのメッセージです。

「自分のやりたい仕事」を考え、その仕事につながる勉強ができる学部・学科に進学しよう。多くの高校でそんな進路指導が行われているといいます。しかし、高校生がやりたい仕事をどこまで決められるものなのか、大学と仕事は直結していないのでは、と率直に違和感も感じます。実際、就職活動をはじめる大学3年生の多くが、自分の向いている仕事について悩むそうです。いったい、高校生はどこまで将来のことを考えて大学を選ぶ必要があるのでしょうか。大学は将来の学生になるかもしれない高校生に何ができるのでしょうか。
 もちろん、大学に進学しない高校生も多くいます。大学と同様、高校も驚くほど多様化しているので、「いまどきの高校生」を決め付けることにも慎重でありたいと思います。とはいえ、大学の教職員のお話をお聞きしていると、大学がかかえる教育上の課題が、高校のそれと連続していると感じることがしばしばあります。教育論議にありがちな、高校と大学と行政の責任の押し付け合いから一線を画して、高校と大学の連携のあり方について、皆さんの思いや意見をお聞きできれば、と思います。

●西さんのテーマ 「いまどき」の高校生とは? 〜取材者の視点から〜

  1. 高校生の日常〜学校による多様性
  2. 高校生の進路意識〜学部・学科が決まらない!?
  3. 高校生と社会と大学〜どうつなぐか

●秋草さんのテーマ 「高大接続の可能性」

  1. 東京・埼玉の高校入試制度改革
  2. 高校と大学の教育の違いとは
  3. 未知の高大接続

■夏休み前のお忙しいこととは存じますが、生徒さん・学生さんにも声を掛けていただきたくお願いいたします。ワイワイガヤガヤ大いにディスカッションをして、その後はおいしい屋台風中華料理と冷えたビールでの懇親会を予定しています。ふるって御参加ください。

【日時】 2009年7月18日(土) 午後4時30分〜7時
【会場】 東京文化短期大学 本部校舎
(東京メトロ丸ノ内線 東高円寺駅 徒歩6分)
【テーマ】 「生徒の“せ”」から「学生の“が”」へ
検証 いまどきの生徒さん・学生さんを考える
【発表者】 西 健太郎 (高校生新聞社編集部)

秋草 誠 (秋草学園高等学校業務部長)

【司会】 高橋 真義 (桜美林大学 大学アドミニストレーション研究科教授)
【参加費】 会員1000円  非会員1500円  学生(会員・非会員問わず)500円
【申込先】 高橋 真義 (桜美林大学) mail2009(アットマーク)fmics.org
*お名前、ご所属等をお知らせ下さい。参加費は当日会場でお支払い下さい。
*当日の飛び入りも歓迎ですが、参加者数を把握するため、なるべく事前の連絡をお願いします。


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FMICS Staff Development 213

■FMICS Staff Development 略して 「SD」は、月例会とは別に、平日の夜に開催されているゼミナール型の勉強会です。■あなたのアンテナが何かを感じた新聞・雑誌等の教育&経済トピックスを、切り抜いて持ちよりディスカッションします。トピックスは厳選して1件、A4縦判にコピー(10枚程度)して、氏名と簡単なMEMOを付してご持参ください。各自5分間程度のコメントをしていただきます。■第二部として高等教育問題研究会FMICS30周年に向けてFMICS人にFMICSの「温故知新」を20分間程度で語って頂きます。更なる続きは、懇親会の席上で大いに語って頂きます。プロデュースは米田さんが担当します。ご期待ください。

【日時】 2009年7月28日(火) 午後6時30分〜8時30分+懇親会
【会場】 桜美林大学 四ツ谷キャンパス 3階301教室
(JR・東京メトロ 四ツ谷駅 徒歩3分)
【参加費】 会員500円  非会員1000円  学生(会員・非会員問わず)300円
【申込先】 米田 敬子 (日本私学経営活性化協会) mail2009(アットマーク)fmics.org
*お名前、ご所属等をお知らせ下さい。参加費は当日会場でお支払い下さい。
*当日の飛び入りも歓迎ですが、参加者数を把握するため、なるべく事前の連絡をお願いします。


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FMICS あざみ野 SD 4

●ゼミナール型勉強会「SD」の首都圏西部地域での集いです。●前回の6月13日(土)は、こぢんまりと6名の参加者数でした。●この勉強会の原理は極めてシンプルです。参加者が何か1品、ネタを持ち寄り、みんなで議論します。●ネタは、気になった新聞・雑誌記事、業務関連の資料、進めている仕事のアイデア、就活エントリーシートの原稿などなど、何でも構いません。ちょっとした事でも、他人の目に触れることにより思いがけない発見があるものです。初めて参加される方は、単に自己紹介だけでもOKです。●資料(コピー)は10部お持ちください。

【日時】 2009年7月24日(金) 午後6時30分〜8時50分+懇親会
*次回は 8月15日(土) 9月4日(金)の予定です。
【会場】 横浜市山内地区センター 1階 会議室1
(東急田園都市線・横浜市営地下鉄 あざみ野駅 徒歩3分)
【参加費】 100円(会員・非会員問わず)
【申込先】 出光 直樹 (横浜市立大学) naoki(アットマーク)idemitsu.info
http://n-idemitsu.269g.net/category/212623.html
*お名前、ご所属等をお知らせ下さい。参加費は当日会場でお支払い下さい。
*当日の飛び入りも歓迎ですが、参加者数を把握するため、なるべく事前の連絡をお願いします。


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会報 『BIG EGG』 8月号 発送作業

●FMICSの運営は、会員のボランティア作業によって支えられています。毎月の会報の発送作業も、その大切な活動の1つです。早い人はお昼過ぎから作業を開始し、夕方になると職場から一人また一人とメンバーが駆けつけます。

●ワイワイガヤガヤと近況報告を兼ねての楽しい時間は、美味しい中華料理屋での食事会へと引きつがれ、例会などのアイデアの多くが、この瞬間に生まれます。例会とは一味違ったFMICSの活動に、皆さまのご参加をお待ちしております。

【日時】 2009年8月5日(水) 午後6時〜9時+食事会
【会場】 日能研 恵比寿ビル

●初めて参加される方は、 mail2009(アットマーク)fmics.org (高橋真義)までご一報ください。当日の連絡先等詳細をお知らせいたします。



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速報 8月のFMICS

【日時】 2009年8月22日(土) 午後4時〜6時30分
【テーマ】 大学職員の学びとFMICSの30年