近年、高齢者等に対し、個別の契約ごとに与信を行う個別クレジットを利用した訪問販売などによる被害が深刻化し、中でも、執拗な勧誘を断り切れないまま、大量の購入契約を結ばされる事例や、これらの悪質な勧誘販売行為を助長するクレジット会社の不適正与信あるいは過剰与信の事例が目立っている。また、インターネット通信販売などの新しい分野においては、返品を巡ってのトラブルや、不当請求の手段となる迷惑広告メールの問題、クレジットカード情報の漏えいなど、多くの消費者被害が発生している。
こうした状況に対処するため、規制の抜け穴の解消、訪問販売規制、クレジット規制、インターネット取引等の規制の強化などを内容とする「特定商取引に関する法律及び割賦販売法の一部を改正する法律案」が閣議決定され、第169回通常国会に提出され、平成20年6月11日に成立公布された。
次いで、特定商取引に関する法律及び割賦販売法の一部を改正する法律の施行期日を定める政令で平成21年12月1日から施行された。
販売業者等が金融機関の提携ローンの信用保証を行う「ローン提携販売」であって、カード等を用いないもの、すなわち現行法でいう「個品方式のローン提携販売」については、今回の改正で「ローン提携販売」ではなく「個別信用購入あっせん」に該当するとの位置づけが明確にされている。
さて、今回の法改正で、学校と金融機関との学資ローンにおいて、以下のことが明確となった。
大手金融機関であれば、自行の子会社であるカード会社に信販会社のような役割を担わせ、グループ内で「割賦販売法上の提携ローン」のスキームを構築する方法が選択できるのである。
しかしながら、中小金融機関のうち自行の子会社にカード会社が無い金融機関にとっては、この選択肢は無いのである。
つまり、新たに提携する信販会社を模索するか自行に子会社のカード会社を設立するかということになるが、法改正は待ってくれないのである。
また、今回の法改正は、消費者被害に対応するために、規制の抜け穴を解消することにも力点が置かれているが、学校への授業料支払いのための金銭消費貸借契約について、消費者の保護に支障を生じない場合に指定されなかったことは、中小金融機関へのいじめであり、とうてい納得できるものではないと言わざるを得ない。
(鳥居 聖)
「リーマンショック」「派遣切り」、100年に一度の未曾有の不景気と言われたのは昨年のことです。あれから、すでに約1年が過ぎ去ろうとしています。100年に一度のはずが、景気は回復する兆しも見えぬまま、今年もまたまた「円高」「ドル安」の上に「ドバイ・ショック」が襲ってきました。一体全体どうすればいいのか、誰も答えを出せないまま、時間だけが過ぎているような気がします。
思わず「何からぁあ 何まで真っ暗闇よぉおお?? 右を向いても左をみても? 」懐かしい鶴田浩二さんの歌「傷だらけの人生」の一節を思い出しました。
振り返ると、このところ聞きなれた“聖域”は、2006年9月からの小泉純一郎政権のスローガンである「聖域なき構造改革」から始まりました。当時、多くの国民は小泉フィバー熱に罹っていたといっても過言ではないでしょう。
その後、鳩山首相の所信表明では、国民のため「友愛」を基本ベースに脱官僚を訴え、「聖域なき見直し」の事業仕分け効果は1,6兆円でした。なんとなく平等感が漂う政権に期待は高まっている気がします。
しかし、「聖域」をキーワードにした一連の流れは、どうも「地獄への道は、善意の敷石で敷き詰められている」という言葉に表れているような気がしてなりません。結果的に社会のツケは、学生に回されているのではないでしょうか。
11月20日の新聞に「大学生の内定率62.5%」という記事が載っていました。「10月1日、現在で前年同期比に比べ7.4ポイント低下したことが、文部科学、厚生労働両省の調査で分かった。内定率は2000年前後の「就職氷河期」並みの状況となった。短大生は29%で最低、下げ幅も10.4ポイントと最大」だった。学生さんのコメントに、「40社以上受けても内定が出ない」と嘆いていました。
未曾有の不景気は、企業の体力を想像以上に悪化させ、正社員の雇用すら抑制する事態が学生を直撃したということになります。
現状は、不完全な情報、混沌とした環境、見えない選択肢、人間の不合理さ・・・。まるで出口の見えない地獄への暗闇にいるような気がします。この混沌とした暗闇の社会で「生き抜くためどうするか」のヒントを日能研代表の高木幹夫さんからいただきました。これからは「想定できる問題を予習できていた時代はすでに終わり、未知へ向かって自ら歩ける準備をして、チャレンジできる子供たちを育てたい」というものです。
この言葉からもわかるように、未知へ向かう学生さんだけではなく、我々、教職員が学生と共に「自らの意思で歩き出せる教育」を創り出す努力を怠らないということです。今まで偏差値で判断していた単純な評価軸ではなく、相手の座標軸や時間軸を理解し、互いを理解し自分は何のために生きているのか「考えられる人創り」教育が、人を育て、人を呼び、知恵やモノを集め、地域を活性化させ、この暗闇を抜け出す礎になるのではないでしょうか。
(秋草 誠)
■2009年4月、5月に、5校の大学が募集停止を相次いで発表しました。
■こんな声を聞きました。「皆さん頑張ってきましたが、その皆さんの危機感を一つにすることが出来ませんでした」「募集停止を発表した当初は学内もかなり混乱しましたが、落ち着いてきました。前向きに頑張っています。この皆さんの頑張りを3年前に束ねることが出来ていれば、こんなことにはならなかったかも知れないと残念でなりません」と。
■大学は淘汰の時代に入ったと言われています。とはいえ、売り手市場は30年近くも続いて来ました。多くの大学は、まだ何とかなると思っているのではないでしょうか。時代は急です。私立大学・短期大学が明日に向かって活き活きと元気元気元気であるために、今こそ「建学の精神」を現代に如何に活かすべきか、原理原則に立ち返ることが必要ではないでしょうか。
■12月例会のスピーカーは、我が国の短期大学マネジメントのリーダーである新渡戸文化学園学園長の森本晴生さんです。建学の精神を明日に活かすための学園名と学校名変更についてのミッション・パッション・アクションを語って頂きます。
●月例会終了後には、懇親会を予定しています。
【日時】 | 2009年12月12日(土) 午後4時〜6時30分 |
【会場】 | 東京文化短期大学 本部校舎 (東京メトロ丸ノ内線 東高円寺駅 徒歩6分) |
【テーマ】 | 大学淘汰の時代の法人名・校名変更 検証 建学の精神を明日に活かすための変革 |
【発表者】 | 新渡戸文化学園 学園長 森本 晴生 |
【参加費】 | 会員1000円 非会員1500円 学生(会員・非会員問わず)500円 |
【申込先】 | 米田 敬子 (日本私学経営活性化協会) mail2009@fmics.org *お名前、ご所属等をお知らせ下さい。参加費は当日会場でお支払い下さい。 *当日の飛び入りも歓迎ですが、参加者数を把握するため、なるべく事前の連絡をお願いします。 |
■FMICS Staff Development 略して 「SD」は、月例会とは別に、平日の夜に開催されているゼミナール型の勉強会です。■あなたのアンテナが何かを感じた新聞・雑誌等の教育&経済トピックスを、切り抜いて持ちよりディスカッションします。トピックスは厳選して1件、A4縦判にコピー(10枚程度)して、氏名と簡単なMEMOを付してご持参ください。各自5分間程度のコメントをしていただきます。■第二部として高等教育問題研究会FMICS30周年に向けてFMICS人にFMICSの「温故知新」を20分間程度で語って頂きます。更なる続きは、懇親会の席上で大いに語って頂きます。プロデュースは米田さんが担当します。ご期待ください。
【日時】 | 2009年12月18日(金) 午後6時30分〜8時30分+懇親会 |
【会場】 |
桜美林大学 四ツ谷キャンパス 3階301教室 (JR・東京メトロ 四ツ谷駅 徒歩3分) |
【参加費】 | 会員500円 非会員1000円 学生(会員・非会員問わず)300円 |
【申込先】 | 米田 敬子 mail2009(アットマーク)fmics.org *お名前、ご所属等をお知らせ下さい。参加費は当日会場でお支払い下さい。 *当日の飛び入りも歓迎ですが、参加者数を把握するため、なるべく事前の連絡をお願いします。 |
●ゼミナール型勉強会「SD」の首都圏西部地域での集いです。●前回の11月27日(金)は、6名の参加者数でした。●この勉強会の原理は極めてシンプルです。参加者が何か1品、ネタを持ち寄り、みんなで議論します。●ネタは、気になった新聞・雑誌記事、業務関連の資料、進めている仕事のアイデア、就活エントリーシートの原稿などなど、何でも構いません。ちょっとした事でも、他人の目に触れることにより思いがけない発見があるものです。初めて参加される方は、単に自己紹介だけでもOKです。●資料(コピー)は9部程度お持ちください。
★今月は国連大学本部が会場となりますので、ご注意ください。
【日時】 | 2009年12月18日(金) 午後7時30分〜9時30分+懇親会 *その次は1月22日(金)に、あざみ野で開催予定です。 |
【会場】 |
国連大学本部 (表参道駅徒歩5分・渋谷駅徒歩8分) *セキュリティーの都合上、午後7時30分に1階入口前に集合してください。 |
【参加費】 | 100円(会員・非会員問わず) |
【申込先】 | 出光 直樹 (横浜市立大学) naoki(アットマーク)idemitsu.info http://n-idemitsu.269g.net/category/212623.html *お名前、ご所属等をお知らせ下さい。参加費は当日会場でお支払い下さい。 *会場使用の都合上、事前の連絡をお願いします。 |
●FMICSの運営は、会員のボランティア作業によって支えられています。毎月の会報の発送作業も、その大切な活動の1つです。早い人はお昼過ぎから作業を開始し、夕方になると職場から一人また一人とメンバーが駆けつけます。
●ワイワイガヤガヤと近況報告を兼ねての楽しい時間は、美味しい中華料理屋での食事会へと引きつがれ、例会などのアイデアの多くが、この瞬間に生まれます。例会とは一味違ったFMICSの活動に、皆さまのご参加をお待ちしております。
【日時】 | 2009年12月28日(月) 午後3時〜7時+食事会 |
【会場】 | 日能研 恵比寿ビル |
●初めて参加される方は、 mail2009@fmics.org (高橋真義)までご一報ください。当日の連絡先等詳細をお知らせいたします。
●FMICSの新年1月は恒例の合宿例会です。大学が激烈を極める競争的環境下で活き残るためには、学生教員職員の持てる可能性をしっかりと束ねなければなりません。更には、大学の主役で資産である学生さんをいかにして元気元気元気にするか。そのためにも職員に求められる教育力は、これまでにも増して大きくなります。
●オリエンテーションでは、コール佐藤さんに歌と音楽による世代間コミュニケーションについて語っていただきます。葉山では参加者全員に元気元気元気に「私の2010アクションプラン」を発表していただきます。
●恒例の打ち上げ&反省会は、海辺の素敵な喫茶店(パティスリー・ラ・マーレ・ド・チャヤ 葉山本店)の美味しいコーヒーとケーキを頂きながら行います。
●FMICSらしさを十二分に体感できる新春合宿例会は、通称「こたつ合宿例会」とも言われています。お仲間をお誘いの上ご参加下さい。昼、夜の部分参加も大歓迎です。
【日時】 | 2010年1月9日(土)〜10日(日)
<昼の部>オリエンテーション 午後1時〜3時 <夜の部>合宿FMICS 午後6時〜翌午前9時 |
【会場】 | <昼の部>
桜美林大学 四ツ谷キャンパス (四ツ谷駅から徒歩3分)
<夜の部> 中央大学葉山寮 神奈川県三浦郡葉山町堀内86 《交通》
JR・逗子駅 → 京急・新逗子駅 → [逗12]海岸回り葉山行バス(約12分) → |
【テーマ】 | (仮題)大学の可能性を束ねる
検証 学生教員職員を集合天才化する |
【申込先】 | 第一次締め切り 12月25日(金)
坂田範夫(中央大学)までお申し込み下さい。
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