過去のお知らせ一覧へ戻る


2010年3月のFMICS



見出しへ

規制緩和と私立大学の設置認可

 規制緩和の大号令の元に、改革の嵐が吹き始め、結果として教育機関である大学等の新増設の設置認可が、準則主義化に改められ、事前規制から事後チェックへと大きく舵を切ったのである。

 しかしながら、こと教育に関しては、その計画の実効性の担保が、必ずしも十分なものとは言い難い。なぜなら、教育の質を、教育の受け手である学生は大学入学前には判断できないからである。つまり、教育という商品を買い求めている保護者に対して、商品知識がないことを承知の上で、決して少額ではない価格で売りさばいていることになる。これは誠に保護者を愚弄していることになりはしないか。

 また、このような背景には、大学に進みたい、進ませたいという保護者・高校生の動向を踏まえ、この事象をビジネスチャンスと捉えている者・組織があるのではないか。

 さて過日、文部科学省は大学等の設置認可時等における設置計画の履行状況等調査の結果を公表したので詳しく見てみると、延べ183件に関して以下のような調査概要の記述があった。

 『当初の計画策定の甘さや、設置計画を着実に履行する必要性に対する認識不足などを背景に、履行状況が不十分である』

 『設置認可後から完成年度に至るまでの間における各種変更計画に係る手続に対する理解不足により、教員の新規採用又は担当科目の追加若しくは昇進の場合に大学設置・学校法人審議会の教員審査を受けていない』

 また、『専任教員について、大学以外に業務を持っている者が多く、教員全体の週当たり勤務日数の水準も低い。』『大学設置基準第12条において、専任教員は「専ら」大学における教育研究に従事するものとされている点に留意し、専任教員の役割・責任の在り方に関し、教育研究上の体制、管理運営への参画、勤務形態などの面の改善について速やかに取り組むこと。』との言及がある。

 このような不適切な事例となった背景には、『認可された各大学の設置計画は「各大学が社会に対して着実に実現していく構想を表したもの」であるということ』がまったく遵守・適切に対応されていないという結果に他ならないのであり、設置計画を履行しないことこそが、この問題の核心なのである。

 なお、文部科学大臣の学校廃止命令という権限が、改善勧告、変更命令、学部等の組織の廃止を命ずる措置を段階的に講じることができることとなったが、この権限を行使するにあたっては、あらかじめ、大学設置・学校法人審議会に諮問し、その意見を聴いて行わなければならない。という方法しか無いということも、この問題を先送りにさせているのではないか。

 したがって、事後チェックを実質的に機能させるためには、普通自動車の仮運転免許証のような法令を構築して、一定期限内に条件の達成がなければ失効させるシステムが必要となるのではないか。

(鳥居 聖)



見出しへ

自信の源流

 最近は、100社を超える採用試験に挑戦する学生さんもいると聞きます。30〜40社の採用試験を受けるのは、当たり前になってきています。学生さんの中には、多くの採用試験を受けても内定をいただけないので、自信喪失したという話しも聞こえてきます。

 この頃は、本来日本人が持っている優しさや思いやりの気遣いができる精神は、すっかりその価値をひそめ、自分さえよければいいんだと思っている人が多くなってきているように感じます。人と競い差をつけて、強者のみが生き残れるというアメリカ流の考えに、日本の社会が飲み込まれてしまっているようです。しかし、結果を出せる強者は限られています。結果が出せず負け組みといわれ、多くの人が自信喪失しているのが現状です。

 企業の採用担当の方から話を聞くと、とにかく学生の「個性が見えない」とあります。多くの学生から、どこかで仕入れた模範解答を繰り返し聞かされるというものでした。学生たちの模範解答のキーワード「海外、ボランティア、アルバイト、サークル等」を交えた話は、聞き飽きたといっていました。採用されるために、暗中模索して必死にかき集めた情報が、実は同じような話だということです。人と同じような答を用意した挙句、採用されなくて自信が無くなったと嘆く学生さんもいます。

 それじゃ、学生さんの何を見るのでしょうかと質問すると、答えは、部屋に入ってきたときに感じる“前向きな気”のようなものだといっていました。長年、採用担当をしていると、それが見えるらしいです。

 それを聞いてから、私が就職活動している学生さんに贈る言葉は、「一緒に仕事をしたいと思われる人になれ」です。この人となら、「一緒に仕事が出来るか」と考えながら人に接してみると、誰にでも理解できるはずです。

 わかりやすく一言で説明すると、「ハイ、ニコ、ポン」です。ハイという、気持ちよい返事が大切です。うつむき加減で嫌々返事をすると、相手は不快になります。目線を上げてニコと笑顔で、ハイです。ポンは、すぐに行動に移せるタイプのことです。こんな人に仕事は集中しますが、忙しいはずなのに、平気な顔で仕事をこなす人たちがいることを理解してもらいたいものです。

 とにかく、学生さんたちに言いたいことは、「自分を信じること」です。子供のとき、自転車を乗るために練習したことを思い出してください。自転車に乗れるまで練習するから乗れるようになったでしょ。最初はなかなか乗れないけれど、どこかで“出来る”と自分を信じたから、乗れるようになったはずです。飛行機だって船だって、最初は誰もが鉄が空を飛んだり、海に浮かんだりできないと思っていたはずです。その中で、自分を信じて創った人々がいた。結局、自信とは自分を信じる度合いだと思います。

 自信がないなんていわないで、「ハイ、ニコ、ポン」を続けましょう。

(秋草 誠)



見出しへ

関西FMICS 3月例会
FMICS FORUM IN KYOTO
(第592回例会)

●3月恒例の関西FMICS。今年も琵琶湖畔で、ワイワイガヤガヤと夜を明かします。●15年前に刊行された「私立大学のマネジメント」にはとリあげられなかった「学生支援」「FD」「地域連携」という概念が、昨春の新版では、大学の基礎と言われるほどになりました。●大学をみれば教育の質保証や3つのポリシーなど、大学に改革を迫る力は増し、定員割れ問題に事業仕分けと、大学経営改革もまた焦眉の急となりました。●混乱する中でも忘れてはならないのは「原理原則」。●それは、学生の"が"であり、学問の"が"、そして、数々のFMICSワードです。●3月のFMICSでは、学生と学問をつなぐ現場にスポットをあて、「が」の力を検証します。   

【日時】 2010年3月27日(土)〜28日(日)
【会場】 大谷大学 湖西キャンパス・セミナーハウス
滋賀県大津市雄琴3丁目33−3  電話:077-578-6600

大きな地図で見る

JR京都駅にて湖西線<普通>に乗車、おごと温泉駅(旧:雄琴駅)下車 徒歩7分。
湖西線は京都駅 12:56発、13:11発に乗車すると便利です。

【テーマ】 学生と学問をつなぐ現場力を検証する
学生の「が」
学問の「が」
【プログラム】
13:30受付開始
14:00第1部開会
司会 山内 美智 (大谷大学 図書・博物館課)
14:15Presentation 1
オリエンテーション:「が」のこころ
 滝川 義弘 (大谷大学 教育研究支援部)
15:15Presentation 2
雑感 学生の『が』、学問の『が』
 塩野 博雄 (立教大学 経済学部図書館)
16:15休憩
16:30Presentation 3
“学問の力”は科学技術と人間の生きる力のネットワーク!!
 志垣 陽 (立命館大学 総合理工学院)
17:30Discussion
18:15第1部総括
 由良 徹 (光華女子学園 法人事務局長)
18:45第1部閉会
19:00懇親会
21:00第2部 All Night FMICS
【全員発表】×5分
 元気と勇気とあったかさの自己表現
24:00Discussion
26:00All Night FMICS終了
31:00起床&朝食
32:30総括
34:00FMICS FORUM in KYOTO 終了 解散
【参加費】 FORUM:2000円 懇親会:5000円 オールナイト:4000円
【お願い】 オールナイトFMICS恒例の全員発表(5分間程度)のテーマは自由です。レジュメ(A4用紙1枚)を用意して参加してください。
【申込先】 滝川 義弘 (大谷大学 教育研究支援部 075-411-8458)
tacky(アットマーク)sec.otani.ac.jp


見出しへ

FMICS Staff Development 221

■FMICS Staff Development 略して 「SD」は、月例会とは別に、平日の夜に開催されているゼミナール型の勉強会です。■あなたのアンテナが何かを感じた新聞・雑誌等の教育&経済トピックスを、切り抜いて持ちよりディスカッションします。トピックスは厳選して1件、A4縦判にコピー(10枚程度)して、氏名と簡単なメモを付記してご持参ください。各自5分間程度のコメントをしていただきます。■第二部として高等教育問題研究会・FMICSの30周年に向けてFMICS人にFMICSの「温故知新」を20分間程度で語って頂きます。

【日時】 2010年3月19日(金) 午後6時30分〜8時30分+懇親会
【会場】 桜美林大学 四ツ谷キャンパス 3階301教室
(JR・東京メトロ 四ツ谷駅 徒歩3分)
【参加費】 会員500円  非会員1000円  学生(会員・非会員問わず)300円
【申込先】 米田 敬子 mail2010(アットマーク)fmics.org
*お名前、ご所属等をお知らせ下さい。参加費は当日会場でお支払い下さい。
*当日の飛び入りも歓迎ですが、参加者数を把握するため、なるべく事前の連絡をお願いします。


見出しへ

FMICS あざみ野 SD 11

●ゼミナール型勉強会「SD」の首都圏西部地域での集いです。●前回の2月10日(火)の参加者数は13名。学生さん、中堅教職員、大学のトップ・アドミニストレーター経験者まで、多士済々の方々が参加しています。●この勉強会の原理は極めてシンプルです。参加者が何か1品、ネタを持ち寄り、みんなで議論します。●ネタは、気になった新聞・雑誌記事、業務関連の資料、進めている仕事のアイデア、就活エントリーシートの原稿などなど、何でも構いません。ちょっとした事でも、他人の目に触れることにより思いがけない発見があるものです。初めて参加される方は、単に自己紹介だけでもOKです。●資料(コピー)は13部程度お持ちください。

【日時】 2010年3月19日(金) 午後7時〜8時50分+懇親会
*その後は4月 23日 9日(金)、5月21日(金)の予定です。
【会場】 横浜市山内地区センター 1階 会議室1
(東急田園都市線・横浜市営地下鉄 あざみ野駅 徒歩3分)
【参加費】 100円(会員・非会員問わず)
【申込先】 出光 直樹 (横浜市立大学) naoki(アットマーク)idemitsu.info
http://n-idemitsu.269g.net/category/212623.html
*お名前、ご所属等をお知らせ下さい。参加費は当日会場でお支払い下さい。
*当日の飛び入りも歓迎ですが、参加者数を把握するため、なるべく事前の連絡をお願いします。


見出しへ

会報 『BIG EGG』 4月号 発送作業

●FMICSの運営は、会員のボランティア作業によって支えられています。毎月の会報の発送作業も、その大切な活動の1つです。早い人はお昼過ぎから作業を開始し、夕方になると職場から一人また一人とメンバーが駆けつけます。

●ワイワイガヤガヤと近況報告を兼ねての楽しい時間は、美味しい中華料理屋での食事会へと引きつがれ、例会などのアイデアの多くが、この瞬間に生まれます。例会とは一味違ったFMICSの活動に、皆さまのご参加をお待ちしております。

【日時】 2010年4月2日(金) 午後6時〜9時+食事会
【会場】 日能研 恵比寿ビル

●初めて参加される方は、 mail2010(アットマーク)fmics.org (高橋真義)までご一報ください。当日の連絡先等詳細をお知らせいたします。



見出しへ

速報 4月のFMICS

【テーマ】 大学職員の自律的キャリア形成 -1-
社会人大学院の活用を検証する
【日時】 2010年4月17日(土) 午後4時〜6時30分
【会場】 桜美林大学 四ツ谷キャンパス (予定)