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2010年5月のFMICS



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諸会費代理徴収の倫理<後編>

 入学手続の際、入学金や施設設備費といった厳密な意味での学納金の他に納付を求めている「諸会費」。「諸会費は払わなくても良いですか?」と問い合わせを頂いた場合に、担当者としてなんと答え、説明すべきか。私の場合、以下のように答えるようにしています。

 確かに諸会費の納入は、学則等に定められた義務では無いため、払わないからといって入学手続を拒む事はありません。しかし、これらのお金は、学費と同じように学生生活の充実などに使う大切なお金であることをご理解下さい。

 学生会費は、部活の活動費や学園祭の運営費などに、後援会費は、学生課外活動全般の補助などに使われます。大学によっては、初めからこれらの費用を授業料などに含めて徴収し、大学の方で1元的に使い方を決めている場合もありますが、本学では学生会、後援会、同窓会などという形の団体が大学とは別個に組織され、それぞれのお金を予め分けて頂いた上で、各団体の代表者の方々が使い方を決めているのです。

 これらの団体は、大学の自治的なコミュニティーを形作るものとして、そもそも全ての学生・保護者・卒業生がメンバーであるという前提にたっていますので、例えば、学生会費を払っていないから、部活動に参加させないとか、学園祭に参加させないという制度設計にはなっていないのです。

 同じく大学内に組織されている生活協同組合では、出資金を払った加入者には加入者証を発行し、店舗での購入時に加入者証を提示すると代金が割引が受けられる、という区別を行っていますが、諸会費を頂くこれらの団体は、そもそも皆さんが等しくメンバーであるという前提にたっているものです。

 そういう点で諸会費の金額は、募集要項のみならず、大学案内などにおいても入学手続時に必要な金額に含めてお示し、納入をお願いしている事をご理解ください。

 初めは、“余計な費用を払わされる”と怪訝な顔をしていた方々でも、この様に説明すれば、大概はなるほどと納得し、気持ちよく払っていただけます。

 素っ気なく「任意です」とだけ説明し、理解を得られないまま払ってもらえなかったとしたらどうなるか。それは、払っていただいた方々がバカを見る、大学コミュニティーへの背信行為と言えましょう。意を尽くして説明すること。諸会費の代理徴収に限らず、大切な倫理と思います。

(出光 直樹)



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回り道で見つけるもの

 居眠りワースト1位!4月8日の読売・毎日新聞に面白い調査結果が載っていました。調査は日米中韓の4カ国の高校生計約6,200人を対象に「授業中にどんな態度をとるか」というものでした。特に面白い項目として、授業中に「いつもする」「ときどきする」態度として、「居眠り」を選んだ高校生は、日本が45.1%とワースト1位でした。ついで韓国(32.3%)、米国(20.8%)、中国(4.7%)の順となっていました。「積極的に発言する」のは米国(51.1%)、中国(46.2%)、韓国(16.3% )に対し、日本は14.3%にとどまっていました。

 また、日本の高校生は7割以上が教科書中心の授業を「好き」と答え、4カ国の高校生の中で最も「教科書好き」であることがわかりました。「教科書の内容をきちんと教え覚えさせる授業」を「好き」と答えたのは日本が71,4%と最多で、中国は64,9% 一方、韓国(39.6%)や米国(31,2%)では人気がありません。学校外での見学・体験を重視する授業については、中国が91,4%、米国は88,6%、韓国は77,7%が好きと回答。日本は64,6%で最低でした。

 日本の高校までの勉強は、教科書に書かれている答えを人より多く記憶することが頭のいい子だといわれてきました。まるで川に架かっている橋を端から端まで渡るようにラクをして最短距離を歩くことが、頭のいい子だと評価されてきたといえます。一方、外国では最短距離ではなく、いかに遠回りをして最長距離を見つけて汗をかけるか、という学びを重視してるといえます。

 

 痛くない注射針を作り、世界から高い評価を得ている一流の職人の岡野さんは、経験値から生まれた意味深い本『試練は乗り越えろ』を上梓しました。文中に「大学を出れば、やりたい仕事がやれる、なんていうほど現実は甘くない。では、やりたいことをするためにどうすればいいか?それは、ズバリやれる人になるしかない。人間には、利口な人間と頭のいい人間の二種類がいる。頭のいい人間は記憶力がいいから勉強はできるけど世渡りは不慣れなのが多い。利口なやつは世渡りが達者で、応用が利く。

 やりたいことを、やれる人になるには、頭のいい人になるより、利口な人になるのが手っ取り早い。頭のいい人は知識を使うが、利口な人は知恵を使う。知恵は知識よりも上なんだ。」と岡野さんからあたたかいエールを頂いた気がしました。 知恵は知識より上というのは、高校まで勉強が苦手だった学生さんも勇気付けられる言葉だと思います。岡野さんは、現代の若者が失いつつある知恵は、場数を踏んで体得するものだと教えてくれています。

 多くの日本人は知識で世渡りが上手くいくと考え、外国人は世渡りには体験によって得た知恵が必要だと考えているように思えます。大学は学生さんの学びの為に知識だけではなく、知恵を体得できる仕組み創りを考えてはいかがでしょうか。その企画を職員から、発信できたらいいですね。

(秋草 誠)



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FMICS 5月例会
(第594回例会)

●若き大学研究家の山内太地さんが、新潮社から『こんな大学で学びたい!日本全国773校探訪記』を上梓されました。

 

*新潮社のサイトからも購入・立ち読みが可能です。

 日本国内のすべての大学に実際に行ってみる。それが「大学マニア」である。その数773。東大では核融合の実験室を見学、早稲田と慶応のキャンパスや学園祭はどれぐらい違うのか、日大の全キャンパスに行ってみるなど、大学見学の冒険の旅の数々。こうして見えてきたのは、大学の優劣を偏差値で決め付けるのではなく、それぞれの大学に、そしてそれぞれの人に価値があるということだった……。旧帝大から新設校まで、未知のキャンパスを訪ねて全国行脚。大学業界の最新事情が丸わかり。高校生や親御さんはもちろん、教育関係者、企業の人事担当者も必読の書。

 本書は、山内さんが13年をかけて、日本国内のすべての4年制大学を訪問し、優れた教育、研究などに取り組んでいる大学を、偏差値に関係なく紹介したものです。700以上の大学をコメントで紹介しているほか、特に注目する大学は取材写真入りでくわしく案内しています。

第1章 大学めぐり事始め
 なぜ私は全国大学めぐりをはじめたのか。大学マニア誕生秘話。

第2章 さすが! 伝統校の実力
 東大、東北大、東工大、熊本大など、伝統校、名門校を見学。偏差値が高いから偉いのではなく、伝統に培われた研究・教育、そしてキャンパスに大注目。

第3章 教育熱心! 環境良好!
 今どきの大学はとても教育熱心だ。面倒見の良い大学、良き師との出会いがある大学など、ユニークな大学を多数紹介。

第4章 がんばれ地方大学! 47都道府県イッキ語り。
 入魂の71ページ!北海道から沖縄まで、本当に全部紹介しています。

第5章 不況に負けない! 「就職力」が磨ける大学
 工業大、栄養大、美術大など、スペシャリスト養成の大学をリポート。

第6章 大学マニアは見た! びっくりキャンパス大集合!
 あまりに危険な大学を匿名で紹介。

 「大学マニア」を自称する山内さんには、本書には書かれていない大学のエピソードを大いに語って頂きます。

 お話の後の質疑応答をより実りあるものにしたく、山内さんのお話の前に、ご参加の皆さまには;

  1. 『こんな大学で学びたい!』を読んで印象に残った箇所やフレーズ
  2. この例会で、聞いてみたいことや議論してみたいこと
 を書いて頂くことといたします。

 お仲間、関係の皆さまにもお声を掛けられましてご参加下さい。

 なお、山内さんは、『時間と学費をムダにしない大学選び2011』 (光文社)も4月19日に上梓されています。『こんな大学で学びたい!』と併せてお目通し下さい。

【日時】 2010年5月15日(土) 午後4時〜7時
【会場】 桜美林大学 四ツ谷キャンパス 地下ホール
(JR・東京メトロ 四ツ谷駅 徒歩3分)
【テーマ】 『こんな大学で学びたい!日本全国773校探訪記』
日本の大学の 今 真の実力校はこれだ
【発表者】 山内 太地 (ライター・大学研究家)
http://tyamauch.exblog.jp/13247117/
【参加費】 会員1,000円  非会員1,500円  学生(会員・非会員問わず)500円
【申込先】 米田 敬子 mail2010(アットマーク)fmics.org
*お名前、ご所属等をお知らせ下さい。参加費は当日会場でお支払い下さい。
*当日の飛び入りも歓迎ですが、参加者数を把握するため、なるべく事前の連絡をお願いします。


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FMICS Staff Development 223

■FMICS Staff Development 略して 「SD」は、月例会とは別に、平日の夜に開催されているゼミナール型の勉強会です。■あなたのアンテナが何かを感じた新聞・雑誌等の教育&経済トピックスを、切り抜いて持ちよりディスカッションします。トピックスは厳選して1件、A4縦判にコピー(10枚程度)して、氏名と簡単なメモを付記してご持参ください。各自5分間程度のコメントをしていただきます。■第二部として高等教育問題研究会・FMICSの30周年に向けてFMICS人にFMICSの「温故知新」を20分間程度で語って頂きます。

【日時】 2010年5月28日(金) 午後6時30分〜8時30分+懇親会
【会場】 桜美林大学 四ツ谷キャンパス 3階301教室
(JR・東京メトロ 四ツ谷駅 徒歩3分)
【参加費】 会員500円  非会員1000円  学生(会員・非会員問わず)300円
【申込先】 米田 敬子 mail2010(アットマーク)fmics.org
*お名前、ご所属等をお知らせ下さい。参加費は当日会場でお支払い下さい。
*当日の飛び入りも歓迎ですが、参加者数を把握するため、なるべく事前の連絡をお願いします。


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FMICS あざみ野 SD 13

●ゼミナール型勉強会「SD」の首都圏西部地域での集いです。●前回4月9日(金)の参加者数は、懇親会から合流された方を含めて12名。就活生のエントリーシート原稿や、とある大学の新採用職員研修(3か月間も!)の内容などで、盛り上がりました。●この勉強会の原理は極めてシンプルです。参加者が何か1品、ネタを持ち寄り、みんなで議論します。●ネタは、気になった新聞・雑誌記事、業務関連の資料、進めている仕事のアイデア、就活エントリーシートの原稿などなど、何でも構いません。ちょっとした事でも、他人の目に触れることにより思いがけない発見があるものです。初めて参加される方は、単に自己紹介だけでもOKです。●資料(コピー)は12部程度お持ちください。

【日時】 2010年5月21日(金) 午後7時〜8時50分+懇親会
*その後は6月11日(金)の予定です。
【会場】 横浜市山内地区センター 1階 会議室1
(東急田園都市線・横浜市営地下鉄 あざみ野駅 徒歩3分)
【参加費】 100円(会員・非会員問わず)
【申込先】 出光 直樹 (横浜市立大学) naoki(アットマーク)idemitsu.info
http://n-idemitsu.269g.net/category/212623.html
*お名前、ご所属等をお知らせ下さい。参加費は当日会場でお支払い下さい。
*当日の飛び入りも歓迎ですが、参加者数を把握するため、なるべく事前の連絡をお願いします。


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会報 『BIG EGG』 6月号 発送作業

●FMICSの運営は、会員のボランティア作業によって支えられています。毎月の会報の発送作業も、その大切な活動の1つです。早い人はお昼過ぎから作業を開始し、夕方になると職場から一人また一人とメンバーが駆けつけます。

●ワイワイガヤガヤと近況報告を兼ねての楽しい時間は、美味しい中華料理屋での食事会へと引きつがれ、例会などのアイデアの多くが、この瞬間に生まれます。例会とは一味違ったFMICSの活動に、皆さまのご参加をお待ちしております。

【日時】 2010年6月1日(火) 午後6時〜9時+食事会
【会場】 日能研 恵比寿ビル

●初めて参加される方は、 mail2010(アットマーク)fmics.org (高橋真義)までご一報ください。当日の連絡先等詳細をお知らせいたします。