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2010年6月のFMICS



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スタッフ・ディベロップメント

 日本高等教育学会の紀要、『高等教育研究』の最新刊・第13集(2010年5月発行)の特集テーマは“スタッフ・ディベロップメント”。以下の6本の論文が収録されています。

  • 寺崎昌男 「大学職員の能力開発(SD)への試論−プログラム化・カリキュラム編成の前提のために−」

  • 羽田貴史 「高等教育研究と大学職員論の課題」

  • 福島一政 「大学のユニバーサル化とSD−大学職員の視点から−」

  • 加藤 毅 「スタッフ・ディベロップメント論のイノベーション」

  • 小貫有紀子 「米国高等教育における学生担当職員の専門職能開発(PD)の体系化」

  • 伊藤彰浩 「高等教育研究としてのSD論−特集の趣旨をめぐって−」

 限られた字数で各論文のエッセンスを紹介すると、寺崎論文は、教職協働や大学院での職員教育の経験を踏まえた、ミニマムエッセンシャルズとしての大学リテラシーを提唱。

 羽田論文は、国立大学職員の歴史的な格差構造と、そうした構造を見落として展開される「経営職員」論を手厳しく批判。

 福島論文は、大学行政管理学会のSDプログラム検討委員会での議論・報告に基づき、私立大学職員の立場から政策動向や事例を整理。

 加藤論文は、現場の職員が直面する業務課題の解決と研修活動が両立するような、SDの新たな 構図の可能性を提起。

 小貫論文は、専門性の質の保証に着目して米国における事例を分析し、日本における職員の専門職能開発への視点を提供しています。

 最後の伊藤論文は、先の5本の論文をレビューするとともに、初めて大学職員に関するテーマが取り上げられた今回の特集の趣旨と背景を明らかにし、今後の検討課題を整理しています。いわば特集全体の見取り図であり、この論文から先に読んでも良いかもしれません。

 なお伊藤論文では特筆すべき事として、この学会の理事に大学職員の会員が2名選出されたことが挙げられていますが、このご両名ともに、われらFMICSの仲間であります。

 この『高等教育研究』は、玉川大学出版部から書籍としても出版されていますので、どなたでも入手する事が出来ます。SDを考える格好のテキストとして、是非お手に取ってご覧下さい。

(出光 直樹)



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あこがれの連鎖

 今年4月より入試広報室に勤務になりました。ガイダンスなどで高校生に本学の学科説明や系統別の話をしています。本学は幼児保育者を養成する学科があるので、明確な目標を持った生徒たちが対象となることが多いです。

 私が意識してその高校生に向かって使うキーワードは、「あこがれ」です。幼稚園や保育所の先生に「あこがれて」幼児保育者になる夢を抱く彼女たちの可能性は無限にあります。彼女たちの中には小学生になる前に、先生になると決めていた人もいるくらいです。

 「あこがれ」というと、昨年プロゴルファー史上最年少で賞金王になった石川遼さんは、タイガー・ウッズさんにあこがれてプロを目指したといいます。多くの感動を人に与えられる、ウッズさんの姿にあこがれ自分もたくさんの人に感動を与えられるプロを目指したと言います。何かを人に与えられる仕事は、本当に素晴らしい仕事だと感じます。

 

 しかし、現代人は何かを与えるというより、絶えず何かを得ることを目標にして生きている人が多い気がします。桜井章一さんは、著書『努力しない生き方』の中で、「現代人はお金やモノや地位や新しい人間関係やら、自分にとってプラスになるモノをいつも追いかけている。絶えず何かを求めて、足して、足して、足し算すれば、人生には意義があり満足のいくものだと思い込んでいる」と言っています。周りを見回しても桜井さんの言葉通りだなと納得してしまうことがあります。まるで、天国と地獄の食事風景の地獄を再現しているような光景です。ガイダンスのとき高校生に天国と地獄の食事をわかりやすく説明しています。天国の食事は、直径・深さとも2m30pの大きな鍋で軽い箸2mで頂きます。自分では食べられないので反対側に座る人の口に持っていきます。相手も自分の口に入れてくれます。与えて、与えられる関係です。地獄の食事は、普通の箸で食べます。食べ進むうちに箸が届かなくなりますから、身を乗り出して食べます。またすぐに届かなくなりますから、鍋の中に入って食べつくそうとします。当然、他の人たちも入ってきますから、そのうちに身体が当たったとかイザコザが起こります。そして、ふと上を見上げると手が届かない事に気づくのです。まるで、足して、足す足し算の結果は地獄の食事の光景に似ています。

 幼児保育者を目指す人は他人には優しく、与え続けられる人になって欲しいし、子供たちに感動を与えられる先生を目指してほしいと説明します。そして、自分が先生にあこがれて先生になったあかつきには、子供たちから「あこがれられる」先生を目指して下さいと伝えます。これがあこがれの連鎖です。我々、職員も学生さんにあこがれられる職員は素敵ですよね。

(秋草 誠)



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FMICS Staff Development 224

■FMICS Staff Development 略して 「SD」は、月例会とは別に、平日の夜に開催されているゼミナール型の勉強会です。■あなたのアンテナが何かを感じた新聞・雑誌等の教育&経済トピックスを、切り抜いて持ちよりディスカッションします。トピックスは厳選して1件、A4縦判にコピー(10枚程度)して、氏名と簡単なメモを付記してご持参ください。各自5分間程度のコメントをしていただきます。■第二部として高等教育問題研究会・FMICSの30周年に向けてFMICS人にFMICSの「温故知新」を20分間程度で語って頂きます。

【日時】 2010年7月2日(金) 午後6時30分〜8時30分+懇親会
【会場】 桜美林大学 四ツ谷キャンパス 3階301教室
(JR・東京メトロ 四ツ谷駅 徒歩3分)
【参加費】 会員500円  非会員1000円  学生(会員・非会員問わず)300円
【申込先】 米田 敬子 mail2010(アットマーク)fmics.org
*お名前、ご所属等をお知らせ下さい。参加費は当日会場でお支払い下さい。
*当日の飛び入りも歓迎ですが、参加者数を把握するため、なるべく事前の連絡をお願いします。


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FMICS あざみ野 SD 14

●ゼミナール型勉強会「SD」の首都圏西部地域での集いです。●前回5月21日(金)の参加者数は11名。教育問題を担当されている新聞記者の方や、大学職員を目指す大学3年生の方が、新たに参加されました。●この勉強会の原理は極めてシンプルです。参加者が何か1品、ネタを持ち寄り、みんなで議論します。●ネタは、気になった新聞・雑誌記事、業務関連の資料、進めている仕事のアイデア、就活エントリーシートの原稿などなど、何でも構いません。ちょっとした事でも、他人の目に触れることにより思いがけない発見があるものです。初めて参加される方は、単に自己紹介だけでもOKです。●資料(コピー)は12部程度お持ちください。

【日時】 2010年6月11日(金) 午後7時〜8時50分+懇親会
*その次は7月16日(金)の予定です。
【会場】 横浜市山内地区センター 1階 会議室1
(東急田園都市線・横浜市営地下鉄 あざみ野駅 徒歩3分)
【参加費】 100円(会員・非会員問わず)
【申込先】 出光 直樹 (横浜市立大学) naoki(アットマーク)idemitsu.info
http://n-idemitsu.269g.net/category/212623.html
*お名前、ご所属等をお知らせ下さい。参加費は当日会場でお支払い下さい。
*当日の飛び入りも歓迎ですが、参加者数を把握するため、なるべく事前の連絡をお願いします。


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会報 『BIG EGG』 7月号 発送作業

●FMICSの運営は、会員のボランティア作業によって支えられています。毎月の会報の発送作業も、その大切な活動の1つです。早い人はお昼過ぎから作業を開始し、夕方になると職場から一人また一人とメンバーが駆けつけます。

●ワイワイガヤガヤと近況報告を兼ねての楽しい時間は、美味しい中華料理屋での食事会へと引きつがれ、例会などのアイデアの多くが、この瞬間に生まれます。例会とは一味違ったFMICSの活動に、皆さまのご参加をお待ちしております。

【日時】 2010年7月7日(水) 午後6時〜9時+食事会
【会場】 日能研 恵比寿ビル

●初めて参加される方は、 mail2010(アットマーク)fmics.org (高橋真義)までご一報ください。当日の連絡先等詳細をお知らせいたします。



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速報 7月のFMICS

【テーマ】 (仮題)検証 学生目線と職員目線のギャップを考える
【日時】 2010年7月17日(土) 午後4時〜7時
【会場】 桜美林大学 四ツ谷キャンパス (予定)