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2010年11月のFMICS



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同じ看護師なのに…<中編>

 同じように看護学校と総称される学校であっても、大学への編入学が認められる学校と、認められない学校が存在します。

 看護の分野に限らず4年制大学への他校種からの編入学は、「学校教育法」により、短期大学、高等専門学校、そして修業年限2年以上で総授業時数1700時間以上の専修学校専門課程(いわゆる専門学校)の卒業(修了)者のみに認められていますが、看護学校と総称される学校の中には、これらのいずれでもない各種学校等の施設が今でも存在し、かつては相当数にのぼっていたためです。

 この3校種のうち短期大学と高等専門学校については、制度の発足時より大学への編入学が認められていましたが、専修学校については、1976年の制度発足時には大学への編入学は認められておらず、ようやく1998年の法改正(施行は1999年)により認められたという経緯があります。

 専修学校制度が発足する直前の1975年では、(正)看護師養成施設の総入学定員約2万9千人のうち、大学は僅か340人、短大でも1,819人であり、圧倒的多数は大学・短大以外の各種学校等の施設で養成されていました。なお現在は大学へのシフトが進み、2009年では総入学定員約5万9千人のうち、大学は14,192人、短大は2,670人となっていますが、それでも過半数は大学・短大以外の施設で養成されています。

 こうした中、専修学校制度の発足とともに認可を受けた看護学校も多かったものの、詳細に教育課程や施設等の基準が定められた「保健師助産師看護師学校養成所指定規則」による養成施設としての指定のみで十分と判断し、専修学校専門課程の認可をすぐに受けなかったり、受けないままに廃校になった学校も少なからず存在しました。

 専修学校制度の発足と大学編入学資格の付与にはタイムラグがありましたが、1999年以前に修了した者であっても、先の修業年限と総授業時数を満たす専門課程であれば、1976年の制度発足以来の修了者全てに大学編入学資格が認められました。

 しかし、専修学校の認可をうけないままの看護学校も並行して存在するため、同じ時期にほぼ同等の教育課程や施設を有する看護学校で学んだ看護師の間で、大学への編入学資格する方とそうで無い方との分断が起きてしまっています。

 ちなみに、2005年に設置された横浜市立大学医学部看護学科の前身は、1995年に設置された横浜市立大学看護短期大学部。そしてその前身は医学部附属高等看護学校であり、多くの優秀な看護師を輩出してきましたが、なんと専修学校専門課程の認可を受けていなかったために、その出身者は、後身である横浜市立大学医学部看護学科に編入学することが、叶わないのです。

(出光 直樹)



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1年生になったら・・・♪

 高校訪問をして進路指導の先生方と話をしていると、最近の高校生の事情が垣間見えます。ある高校の先生から困った話のひとつとして、自分の行きたい大学が選べずに、三者面談の時に親に決めてもらうというパターンがあると聞きました。たとえば、進路の先生が「君には就職や学生生活など面倒見が良く、こじんまりとしたA大学があっているよ。オープンキャンパスに参加してみなさい」と指導しても、親はその大学より知名度のあるマンモス大学の指定校が良いと押し込むそうです。それが悲劇の始まりで、マンモス大学入学後4月〜5月頃にはその卒業生から相談があったそうです。「あまりにも大学の規模が大きすぎて、自分の居場所を見つけられない。系列高校から入学した学生たちが多くて、友達作りができない」というもので、相当悩んでいる様子だったと言っていました。

 友達ができるか否かは新入生の大きな不安材料のひとつになっているのが現状です。高校の進路の先生は生徒の特性にあった大学選びをしているが、親にはそんな事情まで考えられなかったのでしょう。最近は、独りで食事をするところを誰かに見られ、友達がいないと思われたくないという理由で、トイレで食事をする「便所メシ」もある大変な時代になりました。

 大学生の悩みの種は、成績、進級、進路、性格、恋愛など数多くあると思っていました。しかし、入学後、真っ先にやるべきことは、友達を作ることをだと改めて気づきました。友達は、勝手にできるものと思っていた私の誤りです。

 さきほどの学生は、きっと高校まで決められた時間に決まった場所(クラス)で過ごし、その中で友達は自然とできていたので、友達作りが大変なことに気づかなかったと思います。大学に入学すると「自由」な時間と場所がいきなり目の前に現れ、当惑してしまう学生がいるということです。

 「自由」というのは考えることも学ぶこともすべてです。高校まで「1+1=2」のような答えを導き出す学びをしていたが、大学の学びは必ずしも答えがあるとは限らず、多くの視点があることに気づくことが重要です。大学は社会に出るための視野の広さを養う場といっても過言ではないと思います。

 せっかく大学に入学したのだから社会で生き抜くための力を養ってほしい。それには自ら考えて行動することが大切です。

 社会人になる前なのだから、人にもまれることや傷つくのを恐れて内にこもらず、苦手なことにもチャレンジしてほしい。勉強だけではなく、サークルやアルバイトに夢中になるのもいい。一歩踏み出す勇気がなかなかない人は、まず自ら話しかける勇気を持ってほしい、多種多様な人との日々の語らいの積み重ねで、学内外に深い友達が一人でもできれば、一皮剥けると思います。

 さまざまな体験を繰り返し、むしろ失敗をたくさんした方が社会に出ても強い人になれると思います。

(秋草 誠)



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FMICS 11月例会
(第601回例会)

 11月例会は、ゲストスピーカーにリクルート『カレッジマネジメント』の若き編集長、小林浩さんをお迎えします。初代編集長の大江さん、二代目の中津井さんから、脈々と続くカレマネの編集コンセプトは何か、カレマネは大学のどこを見ているのか等について、最新のデータなどを駆使してワイワイガヤガヤとディスカッションをいたします。

 活発なディスカッションのための参考資料として、『フジサンケイビジネスアイ』(2010.10.20)の、小林浩さんと産経新聞論説委員の井伊重之さんとの対談から、関係箇所を抜粋いたします。

■大学は企業が求める人材育成を
 少子化を背景に大学の生き残り競争が激化している。上位校に人気が集中する傾向が強まる中で、中堅以下の大学は生き残りに向けて学生の確保に躍起だ。『カレッジマネジメント』の小林浩編集長に今後の大学のあり方などを聞いた。

●生き残りへ競争激化

◆大学の現状をどうみるか
 「少子化の影響で子供が減り、大学に進学する18歳人口はピーク時の1992年の205万人から、2010年には122万人にまで減少した。一方で規制緩和などに伴って大学は増加し、92年の523校から10年は778校まで増えた。現在の18歳人口はほぼ横ばいで推移しているが、18年からは再び減少期に入る。このため、学生の確保が大学にとって最大の経営課題と位置づけられるようになっている」

◆大学間の格差も鮮明になりつつある
 「上位20校に大学志願者全体の45%が集中する傾向にあるが、こうした人気校などは学部や学科を増設して定員を増やしている。一方で地方を中心にした私大の小規模校は定員割れに見舞われ、昨春入試の4年制私大の定員割れは46%に達した。今春入試では不況の影響で地元志向が強まり、定員割れは38%に改善したが、私大経営の厳しさは変わらない」

●グローバル化に対応

◆大学の生き残りには何が必要か
 「高校と企業に対し、その大学が持つ価値をいかに浸透させるかが課題だろう。大学は学部や学科を増やしたが、学部名や学科名から何を学習するのかわからないところも多い。それでは受験生が将来の自分の姿を描けないのではないか」
 「また、受験生や保護者は大学卒業後の就職先を重視する傾向が強まっているが、企業を取り巻く競争環境は変化しており、企業が求める人材像も変わってきている。グローバル競争の中で国境を越えた人材移動も活発化しており、そうした人材をいかに育成するかが問われているといえる」

◆大学は「ブランド化」を進めようとしている
 「どのような層にアピールするかが重要だ。すでに大学進学は『大学による選抜』から『受験生と大学の相互選択』に移っていることを認識しなければならない。その意味で大学には情報開示を含めて企業経営の意識が求められている」

【プロフィル】こばやし・ひろし
 早稲田大学法学部卒、1988年リクルート入社。大学・専門学校の学生募集広報を担当。経済同友会に出向して教育政策提言などに携わる。その後、リクルート経営企画室、進学カンパニー・ソリューション室長などを経て2007年から現職。文部科学省の「熟議に基づく政策形成の在り方に関する懇談会」委員。45歳。埼玉県出身。

 月例会は毎回土曜日としていましたが、今回は、平日月曜日の午後7時から9時までの開催となります。お間違えのないようにご注意ください

【日時】 2010年11月22日(月)

月例会 午後7時〜9時
懇親会 午後9時〜10時30分

【会場】 桜美林大学 四ツ谷キャンパス 3階 308教室 地下ホール
(JR・東京メトロ 四ツ谷駅 徒歩3分)
11/19更新:大きな会場に変更しました!
お仲間をお誘いあわせの上ご参加下さい。
【テーマ】 リクルート『カレッジマネジメント』の視座
大学の戦略を検証する
【問題提起】 小林 浩 『カレッジマネジメント』 編集長)

司会 高橋 真義 (桜美林大学 教授)

【参加費】 会員1,000円  非会員1,500円  学生(会員・非会員問わず)500円
懇親会実費(3000円くらい)
【申込先】 米田 敬子 mail2010(アットマーク)fmics.org
*お名前、ご所属等をお知らせ下さい。参加費は当日会場でお支払い下さい。
*当日の飛び入りも歓迎ですが、なるべく事前の連絡をお願いします。


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FMICS Staff Development 229

■FMICS Staff Development 略して 「SD」は、月例会とは別に、平日の夜に開催されているゼミナール型の勉強会です。■あなたのアンテナが何かを感じた新聞・雑誌等の教育&経済トピックスを、切り抜いて持ちよりディスカッションします。トピックスは厳選して1件、A4縦判にコピー(10枚程度)して、氏名と簡単なメモを付記してご持参ください。各自5分間程度のコメントをしていただきます。■第二部として高等教育問題研究会・FMICSの30周年に向けて、FMICS人の中のFMICS人には「FMICS温故創新」の「温故」を、若きFMICS人には「創新」を30分間程度で語って頂きます。

【日時】 2010年11月17日(水) 午後6時30分〜8時30分 + 懇親会
【会場】 桜美林大学 四ツ谷キャンパス 3階 301教室
(JR・東京メトロ 四ツ谷駅 徒歩3分)
【参加費】 会員500円  非会員1000円  学生(会員・非会員問わず)300円
【申込先】 米田 敬子 mail2010(アットマーク)fmics.org
*お名前、ご所属等をお知らせ下さい。参加費は当日会場でお支払い下さい。
*当日の飛び入りも歓迎ですが、参加者数を把握するため、なるべく事前の連絡をお願いします。


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FMICS あざみ野 SD 19

●ゼミナール型勉強会「SD」の首都圏西部地域での集いです。●前回10月8日(金)の参加者数は11名。横浜市立大学の地域貢献紹介パンフレット、ワールドカフェの手法を用いた職員研修、大学病院職員のSD論、新卒採用偏重解消のための「在職権制度」の提案、IDE誌特集を深める会「プロとしての大学職員」参加記、社会調査士資格と文系研究者の統計手法活用力、大学職員採用に至る就職活動体験記、「大学職員」についての学生のイメージや就職活動での位置づけ、大学生のキャリアセンター利用に関する研究計画、高校生に対する“ゼミ”の説明のリアリティ、1972年3月30日の毎日新聞の教育特集、といったトピックスが寄せられました。●この勉強会の原理は極めてシンプルです。参加者が何か1品、ネタを持ち寄り、みんなで議論します。●ネタは、気になった新聞・雑誌記事、業務関連の資料、進めている仕事のアイデア、就活エントリーシートの原稿などなど、何でも構いません。ちょっとした事でも、他人の目に触れることにより思いがけない発見があるものです。初めて参加される方は、単に自己紹介だけでもOKです。●資料(コピー)は12部程度お持ちください。

【日時】 2010年11月2日(火) 午後7時〜8時50分+懇親会
その次は12月10日(金)に、国連大学本部で開催します。
【会場】 横浜市山内地区センター 3階 会議室3B
(東急田園都市線・横浜市営地下鉄 あざみ野駅 徒歩3分)
【参加費】 100円(会員・非会員問わず)
【申込先】 出光 直樹 (横浜市立大学) naoki(アットマーク)idemitsu.info
http://n-idemitsu.269g.net/category/212623.html
*お名前、ご所属等をお知らせ下さい。参加費は当日会場でお支払い下さい。
*当日の飛び入りも歓迎ですが、なるべく事前の連絡をお願いします。


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会報 『BIG EGG』 12月号 発送作業

●FMICSの運営は、会員のボランティア作業によって支えられています。毎月の会報の発送作業も、その大切な活動の1つです。早い人はお昼過ぎから作業を開始し、夕方になると職場から一人また一人とメンバーが駆けつけます。

●ワイワイガヤガヤと近況報告を兼ねての楽しい時間は、美味しい中華料理屋での食事会へと引きつがれ、例会などのアイデアの多くが、この瞬間に生まれます。例会とは一味違ったFMICSの活動に、皆さまのご参加をお待ちしております。

【日時】 2010年12月1日(水) 午後6時〜9時+食事会
【会場】 日能研 恵比寿ビル

●初めて参加される方は、 mail2010(アットマーク)fmics.org (高橋真義)までご一報ください。当日の連絡先等詳細をお知らせいたします。



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速報 12月の FMICS

 11月例会は、産経新聞論説委員の河合雅司さんをスピーカーにお迎えします。河合さんは、少子高齢化が進んでいき、社会構造は大きく変わる日本はどうなるのか、「日本が沈みつつあることに何の危機感を覚えないのか」と警鐘を鳴らされています。豊富な識見とデータを駆使され、近未来の大学は極めて厳しい事実を突きつけられると断言されます。その一方、今からが本当のチャンスであるとも強い口調でお話になられます。

 ディスカッションをより深化するために、今回は新しい試みとして、河合さんから課題を出して頂きますのでご協力ください。詳細は12月号でご案内いたします

 平日月曜日の午後7時から9時半までの開催となります。お間違えのないようにご注意ください。

【日時】 2010年12月13日(月) 午後7時〜9時 + 懇親会
【会場】 桜美林大学 四ツ谷キャンパス 3階 308教室 (JR・東京メトロ 四ツ谷駅 徒歩3分)
【参加費】 会員1,000円  非会員1,500円  学生(会員・非会員問わず)500円
【申込先】 米田 敬子 mail2010(アットマーク)fmics.org
*お名前、ご所属等をお知らせ下さい。参加費は当日会場でお支払い下さい。
*当日の飛び入りも歓迎ですが、なるべく事前の連絡をお願いします。


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速報 1月の FMICS

2011年アクションのスタートを切ります!

【日時】 2011年1月8日(土)〜9日(日)

<昼の部>オリエンテーション 午後1時〜3時

<夜の部>合宿 FMICS  午後6時〜翌午前10時

【会場】 <昼の部> 桜美林大学 四ツ谷キャンパス (四ツ谷駅から徒歩3分)

<夜の部> 中央大学葉山寮  神奈川県三浦郡葉山町堀内86