2011年11月のFMICS



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入学前学習課題としてのセンター試験<前編>

 すでに2012年度入試のシーズンが始まり、各地の大学でAO入試などの合格者が決まり出していますが、横浜市立大学でも去る10月25日(火)に、帰国生・留学生・社会人の特別選抜や、AO入試の合格者を発表しました。

 AO入試を実施している国際総合科学部(2005年に人文・社会・自然系の3学部を統合改組して開設)の入学定員は650名。選抜区分別の募集人員は、一般選抜(前期日程のみ)455名、推薦入学(指定校のみ)145名、帰国生・留学生・社会人が若干名、そしてAO入試が50名となっています。

 本学のAO入試では合格者は入学することが義務となっているので、特別な事情が無い限り全員が来年4月に入学者となりますが、晴れて合格が決まった今年の54名は、これで試験の緊張感から全て解放される訳ではありません。入学前の学習課題として、来年1月の「大学入試センター試験」を受験することになっています。

 ただし、既に合格者としての地位は確定しており、センター試験の結果がどうであれ(仮に受験しなかったとしても)入学許可そのものが取り消されることは基本的にありませんが、AO入試の募集要項には、“合格者はセンター試験を受験すること”の旨を明記してあります。

 この取り組みは、3年前の2009年度AO入学者から実施しています。それ以前にも英語に関する入学前教育を、推薦入学者なども含めて実施していましたが、2009年度からAO入試の実施時期を1ヶ月ほど早めて10月中に合格者を発表するようになり、AO入試の合格者に対して、追加の学習課題を課すことを検討したのです。

 なおこの時点において、すでに入学後の成績について追跡調査を行っていましたが、概ね推薦やAOでの入学者の方が、一般選抜の入学者よりも成績面でも修得単位数の面でも優れている傾向が出ていました。また本学のAO入試では、英検・TOEFL・TOEICといった英語資格を出願要件として課すなど、学力把握の仕掛けもそれなりに有しており、学力面での差し迫った問題があるという訳ではありませんでした。

 そこで、学習への意欲や緊張感の維持を主眼に、あまりコストのかからない方法を検討し、大学側にも高校を含む合格者側にも馴染みがあり、新たな実施負担の少ない方法として大学入試センター試験に着目しました。以前から入学前教育に関する議論の中でも提言されており、また前年にお茶の水女子大学が同様の試みを始めたことにも意を強くして、AO入試合格者に入学前の学習課題としてセンター試験の受験を課すことにしたのです。

(出光 直樹)



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新しい海をこわがるな!

 「古い船には新しい水夫が乗り込んでいくだろう♪古い船をいま動かせるのは古い水夫じゃないだろう♪」なつかしの吉田拓郎の名曲「イメージの詩」から、まさに今の大学職員の状況を歌っているような気がしてはまってしまいました。歌詞の「古い水夫」を、従前どおりを合言葉に、新しいことに挑戦しようとしないガチガチ頭の職員とし、「新しい水夫」をFMICS人だと考えるとピッタリはまる気がしました。

 この後に続くのは、「古い船をいま動かせるのは古い水夫じゃないだろう♪なぜなら古い船も新しい船のように新しい海へ出る♪」です。

 大学の古きよき時代は、学生募集に苦労することはなかったといっても過言ではありません。大学が実施する広報活動は何をしても当たり、学生はドンドン集まってきた本当によき時代でした。広報的な視点から見ると、広報担当へは予算も潤沢に用意され、広告代理店(学生募集に特化した)やガイダンス業者が次から次へと持ち込んでくる媒体誌・看板・車内ポスター・ガイダンスなどの企画に乗っていればすべて当たるという今ではありえない話ばかりだったといえます。言い換えると、古きよき時代の広報マンは勉強もせずマーケッティングの手法も知らなくともどうにかなっていた。今のように削減など考えなくても、とにかく何かを企画すれば(というより業者の案件に乗れば)当たり、それが高く評価されるというすばらしい空間にいられた。それが現在ではピーク時から比べると18歳人口は半減しながらも、大学数と定員数は増えるという新たな時代(新しい海)に突入してしまった。

 大学の広報担当者の中には戸惑うばかりで、現状を打破する対策を立てられないまま時間が過ぎるのを待っていると見受けられる人もいます。古きよき時代の広報の残像が残り、受験生が殺到し選抜できていた入試の過去の栄光を忘れられない方がいます。その方たちの中には、口を開けば最近の学生はと嘆いている人もいる。

 私から見ると、仕事ができるといわれた広報マンも、入試結果に結び付けられない今の広報マンも同じような人達だと思っています。どういうことかというと、ベンチマークしている大学の動向などお構いなし、自大学の考え方の中から広報を考えるという効率の悪い(マーケティング無視)方法が広報だと勘違いしている人達のことです。そんな状況下でも、学生の力と可能性を信じて、学生のために何ができるかを考え、勉強している「新しい水夫」が頭に浮かびます。

 2018年までは、18歳人口の動向は大きな変更なく過ごすことができますが、2019年になると18歳人口の減少が始まります。それまでに、定員を満たしていないちいさな大学は、いま一度広報を考えるときです。トライ&エラーができるのは、いいところあと2〜3年です。それまでに古い船(大学)のチューンナップをし、新しい水夫になって新しい海に出ていきたいです。

(秋草 誠)



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第5回 大学人サミットながさきカレッジ2011
未来への船出! 
ここから始まる新しい大学人のビックウェーブ
(第615回例会)

■第1回目の山形サミット、2回目の山口サミット、3回目の芝浦サミットまでは、「職員サミット」という名称でしたが、4回目の山梨サミットからは発展的に名称を「大学人サミット」といたしました。今年は、学生さんと若手職員が中心となってサミットをプロデュースいたします。

■「大学人サミット」の魅力とはなにか。昨年の「やまなしカレッジ2010」に参加された皆さまから FMICS BIG EGG にいただきましたメッセージから、「大学人サミット」のワクワクドキドキ期待度200%をご紹介させていただきます。

《大学自慢から得たもの》

 私たち松本大学は、今回初めて『大学自慢コンテスト』に参加させていただきました。初めての 試みということもあり不安なことなども多々ありましたが、聞いてくださっている方々に松本大学を知っていただくのはもちろん、「感謝」の気持ちや「学生」の変化、そして「感動」を伝えられるよう先生方の助言をいただきながら学生みんなで協力し合い、助け合って一生懸命作りました。当日も他の大学に負けないよう参加した学生一同、元気に堂々と発表する事が出来たと思います。それらが認められ総合で第2位、各部門「大学自慢に感動しました」部門では第1位をいただき、とても嬉しく誇りに思っております。

 どの大学もユーモア溢れる発表ばかりで、聞いていて楽しいもの、関心したもの、感動したものなど聞き応えのあるものばかりでした。また「自分の大学にはないものが他の大学にはあり、逆に他の大学にはないものが自分の大学にはある」という発見も出来ました。

 お互いに発表し合うことによって他の大学のことを知り、自慢し合うことによって自分の大学に対する愛校心が伝わってきました。そして多くの方々と接することによって県を越えた交流を行うことも出来ました。自分の大学に「自慢」がある ということはそれだけ大学に対する想いが強いということだと思います。この『大学自慢コンテスト』はその想いを伝える場でもあると思いました。

 全国から集まった9校の大学の出会いは貴重で素晴らしい縁であり、今後もその縁を大切にしていけたらと思います。そして、この『大学自慢コンテスト』をより多くの大学に知ってもらうことが出来たらもっと良いものになると思います。 この度は貴重な経験をさせていただき本当にありがとうございました。

(松本大学・学生)

《大学人サミット物語 「人」をテーマとして》

 初めて参加した大学人サミットでは二日間衝撃の連続でした。サミットで行われた実演一つ一つが私の記憶に深く刻み込まれています。

 大学自慢コンテストでは、新潟大学はある架空の主人公を設定してストーリーを展開し、「人」をテーマとして発表を行いました。私たちはプレゼンを作成するにあたり、最初からテーマを「人」と決めていたのではありません。プレゼンを作成していく過程で、今まで考えてきた内容全てが「人」につながることに気がついたのです。物語の中で主人公も最終的に「人」というテーマにたどり着いています。実は、その主人公は私たち発表者自身のことを表してしていたのです。

 サミットには学生も多く参加していました。大学自慢でインタビューを受ける学生、体操を披露してくれる学生、丹田を意識した発表を行い、伝えようという気持ちや自信に満ち溢れている学生、彼らの姿を見て非常に心が打たれました。そしてその裏には、どのようにしたら学生が輝いていくかを常に考え、努力している教員・職員の姿がありました。学生、教員、職員が三位一体となることで、それぞれが成長し、よりよい「人財育成」につながっていくことを実感いたしました。 大学自慢の準備から始まり、サミットへの参加を通して大学の大切な役割、可能性に気づくことができたのです。サミットで「人」を大切にする大学人にたくさん出会えたことを嬉しく思います。

 サミットではたくさんの大学人から刺激を与えていただきました。もちろんここで満足していてはいけません。サミットから学んだことは非常に良いものであり、それを活かすためには得た情報を他大学人とも共有し合わなくてはいけないのです。想いを伝えて次につなげていく、大学がもっと活気ある場となるために、まだまだ私たちの役割は続いていきます。たくさんの気づきを与えてくれた大学サミットに心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

(新潟大学職員)

 大学を取り巻く環境は大きく変わりました。競争に勝ち、個性輝く大学を創るためには、教員、職員、学生が持つ可能性をしっかりと束ねなければなりません。

 「大学人サミット」は、国公私立大学という枠組みを取り払って教員職員学生が参加する手作りのシンポジウムです。教員、職員、学生が共に明日の大学について語り合います。

 新しい時代の大学は、教員・職員・学生の三者が一体となって、共に力を合わせ、共に育み合い、共に喜びを分かち合う「場」として、教育・研究・社会貢献のミッションを見えるカタチにして、社会に存在をアッピールしなければなりません。

 そのために、教職員は大学を、そして、学生を活かすための役割分担、教員は「教育力」を職員は「教育支援力」を明確に持ち、教育サービスをプロデュースしていくことが求められます。厳しい生き残り競走は、学生、教員、職員の可能性の総力戦勝負となります。

 「大学人サミット」は、参加されたお一人おひとりが、個性溢れる大学創りの主役として情報発信者になって頂くための可能性を磨く安全に「場」です。皆さまのヒューマンネットワークが、「点」から「線」となって「面」になることによって、大学を輝かせるための可能性は大きくなっていくのです。

「大学職員サミット」は究極的SDです
このことを声を大にして申し上げます!!!
ワクワクドキドキの2日間
お仲間をたくさんお誘い合わせの上ご参加ください

【日程】 2011年11月12日(土)13時 〜 13日(日)15時
【会場】 長崎大学 文教キャンパス (教育学部棟、全学教育棟、生協食堂)
交通アクセス&キャンパスマップ
【プログラム】 ■第1日目:11月12日(土)
 ○オープニングトレーニング
 ○学長講話
 ○若手大学びとの発表
 ○パネルディスカッション
 ○懇親会・手創り名刺コンテスト
■第2日目11月13日(日)
 ○大学自慢コンテスト
 ○サンドイッチパーティー
【参加費】 社会人:3000円 学生:1000円
【懇親会費】 社会人:3000円 学生:1000円
【参加申込】 第5回大学人サミット実行委員会
長崎大学広報戦略本部 担当:高蔵・田村
TEL 095-819-2868 (※平日9時〜17時)
nagasami(アット)ml.nagasaki-u.ac.jp
【詳細】 長崎大学のサイトを開きます
↑詳細は、長崎大学の公式サイトをご覧下さい。


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FMICS Staff Development 241

■激動の時代を教育業界の枠にとらわれることなく、多面的・大局的視座からじっくりと展望し、あなたのアンテナが何かを感じた新聞・雑誌等の教育&経済トピックスを持ちよりディスカッションします。トピックスは厳選して1件、A4縦判にコピー(10枚程度)して、氏名と簡単なメモを付記してご持参ください。各自5分間程度のコメントをしていただきます。

【日時】 2011年11月 22日(火) 25日(金) 午後6時30分〜7時30分 + 懇親会
【会場】 桜美林大学 四ツ谷キャンパス 3階 301教室
(JR・東京メトロ 四ツ谷駅 徒歩3分)
【参加費】 会員500円  非会員1000円  学生(会員・非会員問わず)300円
【申込先】 米田 敬子 yoneda(アットマーク)fmics.org
*お名前、ご所属等をお知らせ下さい。参加費は当日会場でお支払い下さい。
*当日の飛び入りも歓迎ですが、なるべく事前の連絡をお願いします。


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FMICS あざみ野 SD 31

●ゼミナール型勉強会「SD」の首都圏西部地域での集いです。

●前回10月21日(金)の参加者数は5名。学生相談室の設置計画、新入職員雑感、夏の信州星空キャンプ、香川大学検定、韓国政府の大学評価と統廃合、集合時間を間違えた受験生への対応、授業改革と学びのお作法、といったトピックスがよせられました。

●この勉強会の原理は極めてシンプルです。参加者がそれぞれにネタ(話題)を持ち寄り、みんなでワイワイ議論します。

●ネタは、気になった新聞・雑誌記事、業務関連の資料、進めている仕事のアイデア、就活エントリーシートの原稿などなど、何でも構いません。ちょっとした事でも、他人の目に触れることにより思いがけない発見があるものです。初めて参加される方は、単に自己紹介だけでもOKです。

●資料(コピー)は15部程度お持ちください。

【日時】 2011年11月11日(金) 午後7時〜8時50分+懇親会
【会場】 横浜市山内地区センター 会議室3A
(東急田園都市線・横浜市営地下鉄 あざみ野駅 徒歩3分)
【参加費】 100円(会員・非会員問わず)+懇親会3000円程度(収入による増減あり)
【申込先】 出光 直樹 (横浜市立大学) naoki(アットマーク)idemitsu.info
http://n-idemitsu.269g.net/
*お名前、ご所属、懇親会への参加の有無をお知らせ下さい。参加費は当日会場でお支払い下さい。
*当日の飛び入りも歓迎ですが、なるべく事前の連絡をお願いします。


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会報 『BIG EGG』 12月号 発送作業

●FMICSの運営は、会員のボランティア作業によって支えられています。毎月の会報の発送作業も、その大切な活動の1つです。早い人はお昼過ぎから作業を開始し、夕方になると職場から一人また一人とメンバーが駆けつけます。

●ワイワイガヤガヤと近況報告を兼ねての楽しい時間は、美味しい中華料理屋での食事会へと引きつがれ、例会などのアイデアの多くが、この瞬間に生まれます。例会とは一味違ったFMICSの活動に、皆さまのご参加をお待ちしております。

【日時】 2011年11月22日(火) 午後6時〜9時+食事会
【会場】 日能研 恵比寿ビル

●初めて参加される方は、 mail2011(アットマーク)fmics.org (高橋真義)までご一報ください。当日の連絡先等詳細をお知らせいたします。



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速報 12月の FMICS

■FMICS12月例会は合宿例会です。昨年までは1月に企画していました合宿FMICSを、今年は12月といたします。横浜市立大学金沢八景キャンパスと湘南葉山で、2011年を総括し、2012年のアクションプログラムを考え、ワイワイガヤガヤ懇親会を楽しみます。FMICS30年間で初めてのカタチです。皆さまには、お仲間をお誘いの上ご参加ください。

【日時】 2011年12月3日(土)〜4日(日)

<昼の部>オリエンテーション 午後1時〜3時 午後3時〜5時

<夜の部>合宿 FMICS  午後6時〜翌午前10時

【会場】 <昼の部> 横浜市立大学 金沢八景キャンパス
(京浜急行線 金沢八景駅から徒歩5分)

<夜の部> 中央大学葉山寮 神奈川県三浦郡葉山町堀内86
JR・逗子駅京急・新逗子駅 → [逗12]海岸回り葉山行バス約12分 → 鐙摺(あぶずり)停留所 → 徒歩3分)

【テーマ】 元気元気元気な私の2011/2012
公立大学/ハザマにある大学の明日
【問題提起】 菊池 芳明 (横浜市立大学 学務准教授)