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2012年3月のFMICS



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センター試験は“ほどほど”に<前編>

 史上最悪といわれるトラブルが多発した今年の大学入試センター試験。主なトラブルは、科目選択の弾力化を意図した[地歴]と[公民]における問題冊子の配付ミスでした。昨年までは、[地歴]と「公民」が独立した時間割で実施され、それぞれの教科から1科目ずつしか選択出来なかったものを、今年から[地歴]と「公民」の時間割を統合して最大2科目選択出来るようにし、例えば日本史と世界史という同じ[地歴]での選択を可能にしたわけですが、皮肉にもこうした工夫がトラブルの元になってしまったのです。

 たしかに、今回トラブルとして表出した問題冊子の配付作業だけを取り上げて見れば、それほど複雑なものには見えないかもしれません。では再発防止策としては、実施マニュアルを詳細にして準備作業をより入念にすれば良いのでしょうか。その答えは否であると思います。

 既に現在のセンター試験の実施内容は、特にリスニング試験が導入されて以来、複雑なものになり実施に大きな負担がかかるものになっています。カンニング防止策などの事項も加わり、実施マニュアルや準備項目等は年々増加していくばかりです。もちろんミクロレベルの作業手順の検討はされるべきだと思いますが、根本的には複雑化した内容にメスを入れるべきです。

 その点でやはり最も問題なのがリスニング試験の存在です。2006年度に導入されて7年目となり、何となく落ち着いてきたように見えるかも知れませんが、その実施負担が膨大なことは、以前にも指摘した(英語リスニングテストのコスト <前編> <後編>とおりです。センター試験でリスニングを実施することの意味が皆無とは言いませんが、全くもって実施負担に見合うものとは言えません。従事者のリソースには限りがあり、センター試験だけに専念しているわけではないので、ここはやはり、リスニング試験を実施する前の“ほどほど”の形にすることが肝要です。

 手間と効果のバランスが取れた、安定した制度運営のためには、センター試験に限らず入試に関わる施策の導入に際しては、その目的や優先順位、想定されるコスト、責任の所在などを明確にするためにも、議論や検討の経緯を目に見える形で記録に残す事が必要でしょう。リスニング試験にしても、今回の科目選択の弾力化にしても、その点が不明確なままに導入されており、それが制度運営のバランスを崩してトラブルを招いているように思います。

 現在、大学入試センターと文部科学省のそれぞれに検証委員会が設置され、再発防止策が検討されていますが、本質的で聡明な議論が行われる事を期待しています。

(出光 直樹)



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時にはラテン系のように

 あるマーケティング会社から送られてきたデータを見ると、高等学校教育に関して、各都道府県の教育委員会が重点的に取り組んでいる1番の課題として、キャリア教育が挙げられていた。改めて気になったのでキャリア教育の内容を調べてみた。

 2006年11月の文科省内協力者会議作成による「小学校・中学校・高等学校キャリア教育推進の手引」において、キャリア教育において身につけさせる力として以下の内容構造案を示している。(1)人間関係形成能力(自他の理解能力とコミュニケーション能力)(2)情報活用能力(情報収集・探索能力と職業理解能力)(3)将来設計能力(役割把握・認識能力と計画実行能力)(4)意志決定能力(選択能力と課題解決能力)以上の4つが挙げられていた。巷で言われている学生の問題点として1番に挙げられる「コミュニケーション能力」がここにもあった。

 具体的にどのような教育なのかは「(1)他者の個性を尊重し、自己の個性を発揮しながら、様々な人々とコミュニケーションを図り、協力・共同して物事に取り組む力を育成すること」となっている。ならば、コミュニケーション能力をアップさせる取り組みは、小学校・中学校・高等学校の中で以前から実施されているが、解決策は見つからず現場ではアップアップしているのではないだろうか。

 自ら振り返ってみると、コミュニケーション能力を意識したプログラムなどなかった。私が子供の頃は、多くの大人たちが子供に関わっていたと記憶している。何かのたびに親戚が集まり、酒盛りをしていた記憶がある。そんな時、父の子供の頃の話を叔父、叔母から面白おかしく聞けたことを覚えている。また、近所にはおっかないおじさんやいつも小言をいうおばさんもいた。

 とにかく、地域の多くの大人が子供をしっかり見守ってくれていたと感じる。今の子供たちを見ていると、大人にどのように接したらいいのかわからず、大人も子供も互いを面倒くさい存在という感じにも受け取れる。ある意味、大人たちと話すことを怖がる子供や子供と話すことを避けている大人もいる。やれ個人情報だ、訴訟だと子供に関わるとろくなことがないという意味で大人たちが子供に関われる環境が損なわれたと言っても過言ではない。

 勤務する短期大学に入学してくる学生の中に、とにかく身内以外の大人と話したことがないような学生もいる。ちいさな大学にできることのひとつとして、教職員が学生の名前を憶えて、話しかけることが重要だと常々思っている。学生のコミュニケーション能力がないと嘆くより、一人でも多くの学生と話すことを心掛けることが、私たち大人ができる学生へのトレーニングだと思う。とはいえ話しかけても相手は無反応、とつい言い訳が…。時にはラテン系男性の義務とも言われる、女性を見たら褒めまくって歓心をかう情熱をまね、話しかけてみよう(笑)。

(秋草 誠)



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関西FMICS 3月例会
FMICS FORUM IN KYOTO
(第619回例会)

●3月恒例の関西FORUMは、ワイワイガヤガヤ、あったかさの自己表現。関西の春と言えば、30年の間変わらぬFMICSの原像の確認が基本です。●発表者は、菊地勇次、乾明紀、志垣陽、高橋真義の4氏。今年は「つなぐ。つながる。」を、FMICSの30代、40代、50代、60代を代表する4人に切っていただきます。そして、あなたの「つなぐ。つながる。」の自己表現。●誰かとつながること。新しい何かを見つけること。さらに、先につなげてゆく。そして、新しい価値を生みだすところに、春の一日の価値があります。

●夜は、恒例の、近江牛のすき焼きパーティ。飲む、食う、語るのワイガヤパーティです。●懇親会のあとは、全員発表のオールナイトFMICSです。あなたの「つなぐ。つながる。」を、是非、表現してください。●春FORUMは、発表者の思いを遂げることも大切にしています。そのため、少々時間をルーズにマネジメント致します。あらかじめ、ご了解ください。

【日時】 2012年3月17日(土)〜18日(日)
受付 13:30〜
FORUM 14:00〜18:45
PARTY 19:00〜21:00
オールナイト 21:00〜34:00
【会場】 大谷大学 湖西キャンパス・セミナーハウス
滋賀県大津市雄琴3丁目33−3  電話:077-578-6600

JR京都駅にて湖西線<普通>に乗車、おごと温泉駅(旧:雄琴駅)下車徒歩10分、
or おごと温泉駅から江若バス・仰木の里線(内 左まわり)に乗り「大谷大学グラウンド前」下車すぐ。
湖西線は京都駅 12:56発、13:11発に乗車すると便利です。

【テーマ】 高等教育問題研究会 FMICS 初発の原像
つなぐ つながる
【プログラム】
13:30受付開始
14:00第1部開会
司会 山内 美智 (大谷大学 図書・博物館課長)
14:20Presentation 1
「未来を担う人材の育成につながること−奨学金による支援について−」
 菊地 勇次 (文部科学省高等教育局国立大学法人評価委員会室評価調査係長)
15:10Presentation 2
「『挑戦』のその後に・・・」
 乾 明紀 (OFFICE INUI代表・立命館グローバルイノベーション研究機構研究員)
16:00休憩
16:20Presentation 3
「志ある私学だけが生き残る価値を生み出し続ける/根本から自校を問い直そう!」
 志垣 陽 (学校法人追手門学院初等中等事務部長兼法人事務局次長)
17:10Presentation 4
「大学職員はだれのために学ぶのか」
 高橋 真義 (桜美林大学 大学院教授)
18:00第1部総括
 滝川 義弘 (大谷大学 教育研究支援部長)
18:30第1部閉会
19:00懇親会(近江牛のすき焼き)
21:00第2部 All Night FMICS
【全員発表】×5分
 「つなぐ、つがなる」の自己表現
 あなたの5分間をご用意ください
24:00Discussion
26:00All Night FMICS終了
31:00起床&朝食
32:30総括
34:00FMICS FORUM in KYOTO 終了 解散
【参加費】 FORUM:2000円 懇親会:5000円 オールナイト:4000円
【お願い】  オールナイトFMICS恒例の全員発表(5分間程度)のテーマは自由です。レジュメ(A4用紙1枚)を用意して参加してください。

※ All Night FMICSでは、5分間全員プレゼンのほかに、1テーマ15分程度のプレゼンを受け付けています。ぜひエントリーしてください。

【申込先】 滝川 義弘 (大谷大学 教育研究支援部 075-411-8458)
tacky(アットマーク)sec.otani.ac.jp


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FMICS Staff Development 245

■激動の時代を教育業界の枠にとらわれることなく、多面的・大局的視座からじっくりと展望いたします。あなたのアンテナが何かを感じた新聞・雑誌等から教育&経済トピックスを持ちより、侃々諤々とディスカッションいたします。トピックスは、厳選して1件、A4縦判にコピー(10枚程度)して、氏名と簡単なMEMOを付してご持参ください。各自10分間程度のコメントをしていただきます。

■第2部として、FMICSの初発の原像を再確認するためにFMICS中のFMICS人には「温故創新」の「温故」を、若きFMICS人には「創新」を語っていただきます。

【日時】 2012年3月13日(火) 午後5時30分〜7時 + 懇親会
【会場】 桜美林大学 四ツ谷キャンパス 3階 307教室
(JR・東京メトロ 四ツ谷駅 徒歩3分)
【参加費】 会員500円  非会員1000円  学生(会員・非会員問わず)300円
【申込先】 米田 敬子 yoneda(アットマーク)fmics.org
*お名前、ご所属等をお知らせ下さい。参加費は当日会場でお支払い下さい。
*当日の飛び入りも歓迎ですが、なるべく事前の連絡をお願いします。


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FMICS あざみ野 SD 35

●ゼミナール型勉強会「SD」の首都圏西部地域での集いです。

●前回2月10日(金)の参加者数は懇親会からの参加も含めて17名。横浜市立大学医学部医学科の指定校推薦入試導入検討に関する先走った報道知的障害児による手書き文字の名刺作成ビジネス“大学ブランド力ランキング”の課題、産業界のニーズに対応した教育改善・充実体制整備事業の新規措置の謎、文教大学湘南校舎(学生支援室)契約職員募集、東北の被災地を巡った留学生セミナーのアンケート結果、東大の秋入学構想が直面するセメスター期間と4月会計年度の問題、キャリア教育の制度研究に焦点を当てた修士論文の構想、平成23年分以後の公的年金等に係る確定申告の取扱変更、といったトピックスがよせられました。

●この勉強会の原理は極めてシンプルです。参加者がそれぞれにネタ(話題)を持ち寄り、みんなで議論します。

●ネタは、気になった新聞・雑誌記事、業務関連の資料、進めている仕事のアイデア、就活エントリーシートの原稿などなど、何でも構いません。ちょっとした事でも、他人の目に触れることにより思いがけない発見があるものです。初めて参加される方は、単に自己紹介だけでもOKです。

●資料(コピー)は12部程度お持ちください。

【日時】 2011年3月20日(火・祝) 午後12時30分〜3時+懇親会
【会場】 横浜市山内地区センター 1階 会議室1
(東急田園都市線・横浜市営地下鉄 あざみ野駅 徒歩3分)
【参加費】 100円(会員・非会員問わず)+懇親会実費(3000円くらい)
【申込先】 出光 直樹 (横浜市立大学) naoki(アットマーク)idemitsu.info
http://n-idemitsu.269g.net/category/212623-1.html
*お名前、ご所属、懇親会への参加の有無をお知らせ下さい。参加費は当日会場でお支払い下さい。
*当日の飛び入りも歓迎ですが、なるべく事前の連絡をお願いします。


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会報 『BIG EGG』 4月号 発送作業

●FMICSの運営は、会員のボランティア作業によって支えられています。毎月の会報の発送作業も、その大切な活動の1つです。早い人はお昼過ぎから作業を開始し、夕方になると職場から一人また一人とメンバーが駆けつけます。

●ワイワイガヤガヤと近況報告を兼ねての楽しい時間は、美味しい中華料理屋での食事会へと引きつがれ、例会などのアイデアの多くが、この瞬間に生まれます。例会とは一味違ったFMICSの活動に、皆さまのご参加をお待ちしております。

【日時】 2012年4月5日(木) 午後6時〜9時+食事会
【会場】 日能研 恵比寿ビル

●初めて参加される方は、 mail2012(アットマーク)fmics.org (高橋真義)までご一報ください。当日の連絡先等詳細をお知らせいたします。



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速報 4月のFMICS

【日時】 2012年4月21日(土) 午後4時〜7時
【会場】 桜美林大学 四ツ谷キャンパス
【テーマ】 国立大学協会考
−どんなところでどんなことをしているのか−
【講師】 織田 雄一 (国立大学協会(JANU)総務部副部長 兼企画部副部長)